第9話 竜山脈
「ん〜、景色が山岳って感じでモンスターも、まあまあ強いな」
門から離れるに連れて、岩肌が目立つようになって来て、地図を見れば竜山脈まで少しで目の前には岩肌がむき出しの山がある。
硬い敵が多くなってきていて、弱点を狙わないとなかなかダメージが入らなくてうざったい。
クエストのロックリザード自体は倒し終わったのだが、本命の竜石がどこにあるのか分からず、宛もなくさまよっている。
「なんか明らかに強そうな奴がいるんだけど」
探索を続けて、奥の方へと進んでいくとかなり大きな岩肌のトカゲが居た。
レベルは20
今の俺のレベルが16なので、勝てるか勝てないかのギリギリだろう。
イオリ Lv16
HP 100/100
MP 50/50
STR 50
VIT 10
INT 10
DEX 80
AGI 60
自分でもなかなかにピーキーなスキル振りだとは思っているが当たらなければどうということはないという精神で何とかしてみせる。
「当たらなければ勝てる、つまりは当たらなければ勝てるんだよ」
俺はありもしないメガネをクイッとあげる。
負けても所持金の2割が消えるだけ、序盤の今はかなり痛いデスペナだけど、好奇心には抗えない!
「っ!」
不意打ちからの素早い一撃がでかい岩トカゲの首をねらう。
硬い岩に防がれてしまったものの、後ろからの一撃で岩が剥がれて柔らかい皮膚の部分が少し見えるようになった。
残りHPは8割と少し。
ここから岩トカゲとの長い激戦が繰り広げられる
はずだった。
「あれ?岩が剥がれると案外ダメージ通りやすかったり?」
「ガァァァ!!」
トカゲは大きく悲鳴を上げながらHPバーを大きく減らす。
柔らかい皮膚からは大量の赤いポリゴンが散っていて、弱点です攻撃してくださいと言わんばかりだ。
「さっさと倒れてくれよっ!」
尻尾での薙ぎ払いや咆哮、噛みつきあらゆる手段で俺を攻撃するがその全てを避けて弱点に攻撃を叩き込む。
10分ほどの戦いを経て勝ったのは俺だった。
「え!?マジか!!」
何度目を擦っても叫んでも結果は変わっていないので夢ではないことが分かる。
目の前に表示されるパネルにはドロップアイテムが表示されていて、竜石×1という文字がしっかりと俺の目に映っているのだ。
「クエストクリアだぜぇぇぇ!!」
山岳地帯に来てからかなりの時間が過ぎていたので切り上げ時にこんな嬉しいサプライズがあるなんて、やっぱり神ゲーだぜ!
「しゃぁぁぁ!!」
舞い上がった俺はスキップをしながら山岳を一気に下る。
これでおっさんとの約束も果たせたし、もうちょっとレベルが上がれば刀も使える!
スタートダッシュとしてはかなりいい出だしでは無いだろうか。
そういえば長谷川さんは無事にログインできただろうか?
竜石を渡して一段落したら1度現実に戻ってメールを送ってみるのもありかもしれないな。
レティアはかなりプレイ人口がいたし、長谷川さんの探している人が見つかるといいんだけど。
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