第8話

「うぇぇぇ!!これ壊れてないの!?」


思った通りかなり驚いてくれたミーシャさんを見れたので俺は大満足なのだが、周りからの視線が痛すぎて今すぐにでも外に逃げ出したい。


「ご、ごめんなさい、い、イオリさんこれどうやったんですか……?」

「実はいい鍛冶師と縁ができまして、有り金全部で買った剣を試してたら楽しくなっちゃって」

「もしかして、イオリってめちゃくちゃ戦闘狂だったり?」

「いえいえ、そんなことないですよ」

「ま、まあ、とりあえず!魔石とか換金しますね?」

「よろしくお願いします」


どれくらいの金額になるのか楽しみだな。

かなりの量に加えて、魔石が高騰中らしいのだ。

かなり期待できそうだな。


「えっと、15万マニになります、一気に稼いじゃいましたね」

「そうですね、懐が暖かくなったので安心ですよ」


0マニから15万マニまで一気に所持金が増えたのでかなりホクホクだ。

楽しいことをしてお金も増える!こんな気持ちのいいことがあっていいのだろうか。


「ふふ、それは良かったです、あ、次の依頼も受けていかれますか?」

「ん〜、あ、竜山脈での依頼とかないですかね」

「りゅ、竜山脈ですか……あるにはありますけど敵がかなり強いので気をつけてくださいね?」

「もちろんですよ」

「では、ロックリザード10体の討伐を受理しておきますね」

「ありがとうございます」

「では、行ってらっしゃい、気をつけてくださいね!」

「はーい」


急ぎ足でギルドから大通りへと出る。

ミーシャさんとはかなり仲良くなれたと思う。

NPCであることを半ば忘れかけるほどには自然な会話ができて楽しいので本当に技術の進化は恐ろしいものだ。

かなりちょうどいい時間なのでもう一度鍛冶屋に戻って剣を受け取るのと竜山脈に行くことを伝えに行く。


「お、ちょうどさっき剣の調整が終わったところじゃ」

「ありがとうございます、この後竜山脈に行くんですけど何か準備しておいた方がいいものとかありますかね」

「ふむ、じゃあこのツルハシをやるから採掘の熟練度上げでもしてくるといい、鉄なんかであれば買い取るからの」

「分かりました、そういえば少し懐が潤ったのとステータスポイントが余ってるので刀の必要ステータスを見せてもらったりできますか?」


ステータス上げを迷っていた俺はもう早く刀を使うために必要ステータスを見てそれに合わせて振ることにしたのだ。

現状1番悩まずに済む上げ方なので出来ればみたい。


「うちにあるのはこれかのぉ、1番グレードは低いがちゃんとしたものじゃ」


良質な刀

攻撃力100


必要ステータス

STR50 DEX100

要求技能

刀術熟練度2


スキル

切断

切れ味が増加する。


「うわぁ、結構色々要求されますね」


「そうじゃの、特殊な部類の武器になるから扱いは難しいんじゃがちゃんと使ってやれば破格の性能を引き出せるのもまた事実、要求ステータスはどうにかなりそうじゃし、木刀をやるから素振りでもして熟練度を上げてくるんじゃな」

「ありがとうございます」


素振りでもどうやら熟練度は上がるらしいので木刀でちまちまと熟練度上げに勤しむことにしよう。

帰ってきた剣はしっかりと耐久値が全回復していたので竜山脈に向かうことにした。


「気をつけるんじゃぞ、竜石なんて滅多に見つかるもんではないのでな」

「分かりました、行ってきます」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る