第3話
春が近くなり、朝日が昇るのも早くなった。だが早朝は肌寒さをまだ感じる。
私は通学途中にある神社に立ち寄った。
神社といっても小さい敷地に小さい社殿が建っている、しかも結構なボロボロ具合だ。
地域の人にも忘れられ、あまり世話もされていないのだろう。
こういう古い神様が忘れられて、野良神様になるのが一番厄介なのだ。小さい祠だからと馬鹿にすると必ず障りがある。私は昨日準備していた榊とお供えを飾り、静かに手を合わせる。
何となくその場に清浄な空気が漂った気がする。
陰陽師とはいえ、神様のことには踏み込めないが、こういう古い神様が打ち捨てられることなくその土地を護ってくれるのが一番だ。
私は満足すると時計を見た。
「げっ!遅刻しちゃう!」
思ったより時間か経っていた。私は急いで学校に向けて走り出した。
私立成章高校、私の学校だ。周辺での評価は中の上ぐらい。いたって普通の高校だ。たがここには私しか知らない秘密がある。ここは昔すっげえ神様を祀っていた聖地なのだ。
私も当時の父親に連れられてお参りしたことがあるが、眩しすぎて神様の姿も見えなかった。
そんな場所が今は学校という沢山の人が敬う心もないままドーン!と建っているわけで。
そうなると結界が弱まって、いらん怨霊とかが蔓延るわけで。
つまりこの場所危険度MAX!ヤバさMAX!の状況なのだ。裏手の森林にずいぶん小さくなったお社があるが、はっきり言ってもうこの場所を護る力なんて無いわけで。
今日も私は式神を使っていらない怨霊を退治しているのである。
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