世界記録なら楽勝

川向こうのジェロ吉さん

第1話 俺に解けるのか!

俺には三分以内にやらなければならないことがあった。


カップ麺なら三分で出来る。

インスタントカレーなら熱湯三分だ!

昼前の料理番組なら三分で夕飯一品出来る。


「お兄ちゃん、頑張れ」

「そうよ、早くしてくれる!」


姉と妹が俺に声援を送ってくれる、その瞬間に俺は正気に戻った。


そして今いる所は、ダンジョンになった地元の大型ショッピングモールの中程、何気に元映画館の扉を開けて踏み込んだ所にライトが点きスクリーンに文字が現れた。


『その下のスイッチを離したらタイマーが動く、解除の方法はスクリーンの前の4×4×4のルービックキューブを全て揃えろ、報酬はその下の宝箱、出来ない場合はこの部屋が吹き飛ぶ! 足を離したらスタートだ』


無情の文字が目の前に現れる。


その下のカウンターは、残り3:00で止まっている。


足を離してスクリーン前に行くにも、ゾンビが待ち構えている。

聖水替わりの消毒液を霧吹きで巻けば、ゾンビは倒れる。

ただアイツらは協力してくれない!


「なぁ、消毒液で援護してくれよ、二人共さー!」


「嫌よゾンビて噛まれると痛いし、熱出るもん」

「そうよお兄ちゃん、妹の肌に歯型が付いて良いの、そんな鬼畜なの!」


「大体お前達が、中に入ろうと言ったんだろう〜、俺が通路だけで良いと言ったのにさ!」


「今更言っても仕方ないじゃ無いのよ、もうすぐお昼よお腹減った〜」

「私はお昼は、うどんで良いよ、ゾンビ見て食欲無くなりました」


「全くコイツらは! なら行くぞ、爆発したら上手く避けろよ」


そして俺はスクリーンに向かって飛び込む、霧吹きでゾンビを溶かして進む。


そして、ルービックキューブを取り回していく。


無情にもタイマーは進んでいく。


「こんなの、世界記録保持者しか攻略出来るわけない!」


カチ、無情にもタイマーの表示は0:00になり音が鳴る。


ドカーン、俺は気を失う。


『残念また来てね! 残念賞は板チョコ一枚です』


そんなアナウンス共に三人は外に出される。




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世界記録なら楽勝 川向こうのジェロ吉さん @fin77

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ