非常口

紫閻-sien-

とあるオフィスビル

残業を終えた男が 何故か廊下を走っている


どうやら何かに追われているようで

時々 後ろを振り返っている


その男を追っているのは謎の黒い影


追いつくか 追いつかないか 絶妙な距離を保ち追いかけてきている


「こんなに廊下って長かったっか エレベーターも無いし

そうだ 確かこの先に非常口があったよな」


独り言を言いながら ひたすらに走り続ける男


だが もう 息も絶え絶え 足ももう限界状態

もうダメだと思った その時


目の前に見えた鉄の扉 上には«非常口»と書かれている


(助かった) そう思い 最後の力を振り絞り 非常口に向かう


黒い影がスグそこまで来ている


ドアノブを掴み ドアを押す 簡単に開いた


(間に合った) 嬉しくて思わず 「やったー 助かった」

そう叫び勢いよく外に飛び出した


が、 その先には何も無かった 真っ逆さまに落ちる男

夜の闇に呑まれ 姿が見えなくなる


黒い影はドアの手前で消え «非常口»の表示の電気も消える


が、スグにつき こう表示される


«非情口»

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非常口 紫閻-sien- @sien702

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