第2話 義妹は結婚した過ぎる
そう、俺の義妹、一入結深の容姿は、とても俺のタイプなのだ。
サラサラな髪質に金髪ロング、時々ポニーテールの時もあるがどちらも似合っていて、顔は目鼻立ちがしっかり整っていて、体が引き締まっている上に巨────という言葉を仮にも妹に使うのは気が引けるから言い方を変えると胸も大きく、腰も出ていて身長は俺よりは低いものの女の子の中ではかなり高い方で、当然人によってはスタイルのタイプなどは違うと思うが、少なくとも結深は誰が見ても間違いなく美人と言えるほどの容姿で、全てが全て俺のタイプに突き刺さっていて、性格だって明るくて優しい。
そんな義妹から「結婚したい」と言われるが、俺は兄としてそれを受け入れるわけにはいかないというのが、本当に厄介なところだ。
「ただいま、結深」
「もう夕食出来てるから、食べたくなったらいつでも言ってね!」
結深はそう言った後少し考えた素振りを見せると、首を横に振って改めて口を開いた。
「お兄ちゃん!先に夕食にする?お風呂にする?それとも────」
「夕食にしたい」
簡潔にそう伝えると、結深は人差し指を自分の口元に当てながら言った。
「そっかぁ、じゃあ私は最後?」
「結深は選択肢に無い」
「え〜!お兄ちゃんの将来のお嫁さんとして、そろそろお兄ちゃんともっと濃厚な時間を過ごさないといけないのに!」
「またそんなことを……まぁいい、今日はその結深が将来のお嫁さんっていうことについて色々と聞きたいんだ」
「え!?本当に!?やった〜!色々と考えてるから、なんでも聞いて!」
「あぁ、夕食を食べながら聞こう」
そして、リビングに向かうと、結深がキッチンに夕食を取りに行ってくれた。
……将来のお嫁さんなんて言ってる時点で、観雫の言っていた結婚したいというのが何か別の意味であるということはまず無いだろうが、一応その辺りの詳細も確認して、情報が集まったら明日学校で観雫と色々話して、何か対策を考えてみよう。
「今日はお魚料理だよ〜!お兄ちゃんに万が一のことがあったらいけないから、骨はちゃんと全部抜いたよ!」
「あぁ、ありがとう」
こういう細かい配慮まで出来て俺のことも慕ってくれているから本来ならとても良い妹……なんだがな。
その後、二人でテーブルを挟んで夕食を食べ始めると、俺は早速結深に結婚のことについて聞いてみることにした。
「結深、まず確認なんだが、俺と結婚したいって言ってたのは本当か?」
「え?うん!結婚したい!」
「……それは、ゲームの中でとか、何かの比喩とかじゃなくてか?」
「うん、基本的には二人の男女がするあの結婚のことだよ?私はお兄ちゃんと添い遂げたいの」
……わかってはいたことだが、そこの認識はまず間違いないらしい。
なら今度は、その認識を少し変えてもらうように説得してみる方向でいこう。
「結深、俺たちは兄妹なんだ、普通の兄妹は結婚なんてしない」
「私たちは血の繋がってない義兄妹だから普通の兄妹じゃないよ?だから、お兄ちゃんと私はどんなことをしたって良いの」
そう言うと、結深は楽しそうに白米を口に入れた。
「それで結婚か……でも、どうして最近になってそんなことを言い出したんだ?少なくとも去年はそんなことを言ってなかった……もっと言うなら俺が高二になってから言い出してたが、それには何か理由があるのか?」
俺がずっと思っていた疑問を伝えると、結深は白米を喉に通して言う。
「お兄ちゃんが高校二年生になったからって言うよりは、私が高校生になったからだよ、中学生の私が何を言ってもお兄ちゃんは真面目に捉えてくれなかったと思うし、中学生の時から高校に上がって言い続けても子供の延長として捉え続けられてたと思うから、私が高校生になったら伝えようって決めてたんだよね」
「中学生でも高校生でも、結深が俺の妹だってことに変わりはない」
「それはそうかもしれないけど、高校生同士の方が色々とできることも多いと思うよ?」
そして、結深は続けて頬を赤く染め、何かを嬉しそうに想像した様子で口角を上げながら言った。
「例えば────えっちなこととか」
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