俺のタイプ過ぎる美人義妹が「結婚したい」と毎日迫ってきていてとても困っている〜義妹が妹であることを利用して、好き放題誘惑してくるんだが!?〜
神月
第1話 義妹が俺のタイプ過ぎる
「……はぁ」
「何?ため息なんかついちゃって」
放課後になった学校の教室、その席の一つでため息をついていると、俺と対面するように椅子に座っている女子生徒、
観雫はベージュ色の髪にスーパーロングで髪を巻いていて、身長は高く体はスリムで顔も整っている紛れもない美少女だ。
だが、観雫は俺の友達なため、異性として魅力的に感じたのは高一の最初に初めて会った時ぐらいで、それ以降は観雫に対してそういった感情を抱いていない。
俺はいつもより少し暗めの声音で話す。
「最近本当に困ってるんだ、困ってるっていうか、もはやこれは男としての尊厳がかかってるんじゃ無いかと思うほどの話だ」
「何?もしかして、高二に上がったのにまだ彼女居なくて焦ってる?それなら気にしなくて良いって、それで焦って無理やり彼女作る方がダサいと思うから」
「違う、彼女がどうとかそんな簡単な話じゃないんだ」
気遣ってくれた観雫に対し、事はもっと重大であることを伝える。
すると、さっきまではいつも通りの顔をしていた観雫は、俺の言葉を聞いて少し顔を引き締めて言った。
「……何か一人じゃ解決できないようなトラブルでも抱えてるの?」
「一人じゃ解決できない、か……それはまだわからないが、少なくともこのことについて一緒に話し合えて、できたら解決に今後俺に協力して欲しい」
「わかったよ、
そう言いながら、観雫は頷いてくれた。
そして、続けて言う。
「それで……そのトラブルの内容はどんな内容なの?」
観雫が、今までに無いほど真剣な表情で聞いてくれているため、俺も真剣に答える。
「あぁ……トラブルっていう言い方が正しいのかはわからないが、今回の問題は家庭事情なんだ」
「家庭事情……?」
「観雫には話したと思うが、高一の夏休みの時に、訳合って一つ下の中学三年生の女の子を俺のところで引き取ることになったんだ」
「言ってたね、形式的には一応妹ちゃんになるんだっけ」
「そうだ……でも、血は繋がってないから、いわゆる義妹ってやつだ」
本題を話す上での前提条件を話し終えたところで、いよいよ俺は本題に入ることにした。
「それで、その妹っていうのが今回の問題なんだ」
「妹ちゃんが問題って、どんな問題?」
俺は、聞かれた通りにその問題を口に出した。
「一言で言うなら……俺が高二になってから、妹が突然俺と結婚したいなんて言い出したんだ」
「は、はぁ!?け、結婚!?」
観雫は驚いた様子で大きな声を上げ、思わず席を立っていたが、俺は自分の口の前に人差し指を立てて言う。
「放課後で人が少ないとは言え、あんまり大きな声で言うことじゃ無いからもう少し声を下げてくれ」
「え?あ……あぁ、ごめん」
観雫は冷静さを取り戻したようで、すぐに椅子に座り直した……が、やはりさっきの言葉はそう簡単に受け止められるものでは無いのか、すぐに俺に聞いてきた。
「結婚って、どういうこと?妹さんなんだよね?」
「その話を出されてからは、できるだけ妹……
「最近放課後遊びに誘ってくれると思ったら、もしかしてそれが理由だったの?」
「それもあるが、観雫と遊ぶのが純粋に楽しいからだ……悪い、不快だったか?」
「……私と遊ぶのが楽しいって思ってくれてるんだったら、別に良いよ」
良いと言う割には一度ため息をついていた観雫だったが、続けて口を開いた。
「今のままだと情報が足りないから、とりあえず今日家に帰ったらその結深ちゃん?と話してきて、結婚っていうのがどういう意味なのか聞いてみてよ……もしかしたらゲームでとか、何かの比喩みたいなオチかもしれないし」
「……あの結深の雰囲気を見る感じそうは思えないが、とりあえずわかった、今日改めてその辺も探りを入れて、わかったら雰囲気とかも含めてまた明日観雫に話す」
「うん、頑張って」
今日は遊びに行くことはせず、また明日観雫にこの件の詳細を伝えるということを約束して、学校前で別れ、俺は妹……結深の待つ家に帰った。
家に帰ると、一瞬目がハートになっているのでは無いかと錯覚させるほどにキラキラした目で俺のことを出迎える結深の姿があった。
「お兄ちゃん!おかえり!」
最近は家に帰った後、夕食を食べる時しか結深とは関わらないようにしていたが、今日は夕食以外の時にも結深と話して、とりあえず結深の内情を探ってみることにしよう。
……観雫には伝えなかったが、この結深にはもう一つ厄介な点がある。
それは────結深の容姿が、俺のタイプ過ぎるということだ。
◇
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ご興味をお持ちいただけた方は、そちらの物語も併せてお読みいただけると幸いです!
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◇
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