本編2 強豪校の寮ってどんなとこ? その3
「では、皆さーん。これから部屋を割り当てるから、、その後、自由時間、食事、部隊でミーティングということで。部屋の鍵と金券を渡すので取りに来てねー。自由時間中に生活に必要なものモールに買いに行けよー。」
それぞれ鍵を受け取る。ヴォイスの兄ちゃんはニヤニヤしながら『まあ頑張れよ』と声をかけてくれた。
鍵を見ると”青銅の4242”
何だろう、そこはかとなく悪意を感じる。いじめかな?
女騎士と聖女様は4220番で同室のようだ。部屋は最下層から螺旋階段を少し昇った所だった。
(ルーキーの方が底の方なんだな。だから皆、上から覗いていたのか)
「4201~4300・・・ここだな。」
扉と開けると両側にずらりと部屋が。100部屋ずつ横穴を掘っているのかな?
何にせよ二人と同じ並びなのはありがたかった。
「薄暗いし、じめじめしていますね。」
「下っ端だから仕方がないさ。」
女騎士は平気そうだが聖女様はげんなりしている。3人で歩きながら部屋を探していく。
「4242・・・ここか。二人ともまた後で。」
二人に別れの挨拶して部屋に入る。
「四人部屋か…」
「よおー!最前線ー!ご愁傷様!」
いきなり不躾に絡んできたのは同じ闘技場に居たカエルに腰を抜かしていた軽戦士の男だ。
無理やり肩を組んできて鬱陶しい。
「やめろ。そういうのは好きじゃない。」
ぶっきらぼうにそう言ったのは影のある木こり風の大男。ベッドに腰かけて自分の獲物だろうか?斧を磨きながらこちらも見ずにそう言った。
軽戦士の男は『ちぇー』と言いながら興味を失い自分の寝床にゴロンと転がった。
後の一人は…あの膨らみだろうか…ベッドに毛布で包まった物体があった。
「そいつは心が弱い。この部屋に入ってからずっと布団を被って震えている。」
さっきと同じ体勢で木こりがこちらの意図を見透かしたようにそう言うと、毛布玉から反応があった。
「ぼぼぼぼぼぼぼくは強いんだ!!最強なんだ!!!勝手なこと言うな!!!今に見てろ…クソ…クソ!!!」
部屋…変えてくれないだろうか。本気でそう思ったが、これから一緒の部屋で生活する4人だ。挨拶しておくか。
「あー、と…皆さん。よろしくお願いします。」
「いや、挨拶とか要らないでしょ?特にお前、明日死ぬとか言われてたじゃん。」
軽戦士が笑いながらそう言うと、毛布玉が「死」という単語に過剰に反応して泣き喚き出した。
もう色々と駄目かもしんない。乾いた笑いが漏れた。
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