第3章〜逆転世界の電波少女〜⑫
ふたりきりの自室での
リビングで思いつきを語っただけの美術部やコンピューター・クラブに協力を取り付けるための具体策や、放送・新聞部内でのキャラの扱い方、さらには、あいらんど高校公認キャラクター化を目指すための方策などを語っていると、時間はあっという間に深夜になっていた。
自室の壁掛け時計を確認すると、日付を大きくまたいで、針は午前1時近くを指している。
「もう、こんな時間か……明日に備えて、そろそろ寝なきゃな……」
「もっと、話していたいけど、仕方ないね……」
白熱した討議に名残惜しさを感じながらも、同居人であるとは言え、後輩の女子生徒をこれ以上の夜ふかしに付き合わせるわけにはいかない。
「あとは、部内用の説明資料と外部用のプレゼン資料をこっちで作っておくよ。まずは、部内で
話し合いに熱中するあまり、こり固まっていた身体を伸ばしながら、
資料作成と対外交渉は、オレの得意とする分野だ。
もともと、色んなヒトと話すことが好きなタイプだったオレは、中学の頃から
「さすが、くろセンパイ! 頼りにしてますよ。でも、あんまり夜ふかしはしないでね、お兄ちゃん」
笑顔で語る
「おう! まかせとけ!」
と、快活に応じる。
リビングで、のどを潤してから自分の部屋に戻るという
翌朝、寝不足気味の頭に早出業務を命じて、朝イチの時間、
==============
そろそろ来年の企画を考えよう
と思ってたんだよね!
資料があれば放課後に見せてよ
==============
というシンプルな返信があった。
親友の前向きな返答に気を良くしたオレは、冬の寒さで寝起きの悪い
すると、いつもは、この世を呪うかのように起きがけの時間帯は機嫌が悪い彼女が、
「すぐに、支度しなくちゃ! 早く学校に行こう!!」
と、普段は見られないような前向きなテンションで登校の準備をはじめた。
「おいおい……部内の企画会議は、放課後だぞ」
苦笑しながら、
「いまから、放課後が楽しみすぎる!」
と、オレの注意喚起も効果があるのか、良くわからない。
そんな彼女の期待は、裏切られることなく、部内のメンバーに受け入れられた。
「早朝に
新体制の放送・新聞部での代表者でもある
「
部内会議に参加しているメンバー一同に向けて、そう言うと、
「提案されたアイデアと資料についてツッコミを入れるところはねぇべが――――――
およそ、女子生徒が口にするとは思えないことを平然と口にする同級生に対して、動揺した
「み、
高校入学と同時に引っ越してきた
そんなようすをあきれるような表情で眺めていた
「深夜アニメみたいなシチュエーションをリアルに堪能している
「ん? 協力者が増えてくれるのはありがたいが、文芸部に、どんな依頼をするんだ?」
オレが気になったことを問うと、親友は、理路整然と文芸部を今回の企画に呼び込む理由を述べはじめた。
「
なるほど……外見だけじゃなく、性格づけも重要か……。
今回のアイデアを出した
「文芸部の部長の
と、
こうして、放送・新聞部の新企画は部内の会議を通過し、対外交渉が始まることになった。
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