コロッケちゃんととんかつ兄さん。
夢月みつき
第1話「揚げたてサクサク、コロッケちゃんの恋」
あたしコロッケちゃん!お肉屋さんから生まれたの。
仲良しの揚げ物仲間はいっぱいいるよ。
エビフライさんにイカリングちゃん。アジフライくんにハムカツちゃん。
そして、あたしの憧れの人。とんかつ兄さん。
とんかつ兄さんはお肉も肉厚で、衣の厚さもカンペキの。超イケメンなんだ♪
あっ、兄さんが来た!
「とんかつ兄さ~ん」
力強く歩いて来たとんかつ兄さんにあたしは、抱き着いて目をキラキラさせて見つめる。
「おっ?コロッケちゃんじゃないか!今日も元気そうで良かった」
とんかつ兄さんは、キリリ眉の優しいお顔で穏やかに笑った。きゃ~っ♡
あたしと兄さんが歩いていると向こうから、買い物帰りの唐揚げおばさんが歩いて来た。
「唐揚げおばさん、こんにちは」
あたしが挨拶すると、おはさんは豪快に笑いながらあたしに話しかけて来た。。
「あらぁ~、こんにちは。コロッケちゃんにとんかつくんじゃないのぉ!相変わらず、仲が良いのね。こうしてみてると、兄弟みたいよ」
「えっ、兄弟!?」
あたしは、頭を石で殴られたような衝撃を受けた。
そして、なにごともなかったかのように、おばさんはあたし達の横を通り過ぎて行った。
「いもうと……」
お芋100%のボディーをぷるぷると小刻みに震わせるあたし。
それを見た、とんかつ兄さんはあたしの肩をぽんぽんと叩いてにっこりと微笑む。
なあに?とんかつ兄さんももしかして……
ドキドキと鳴るあたしのお胸。
「コロッケちゃん、ぼくはコロッケちゃんのこと。妹と思ってないから」
とんかつ兄さんはあたしにウインクと爽やかな笑顔を向けた。
「とんかつ兄さんだいすき…♡」
あたしは兄さんに笑いかけて、ふたりは微笑み合った。
-おわり-
コロッケちゃんととんかつ兄さん。 夢月みつき @ca8000k
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