ブルーティアーズ

樫木佐帆 ks

ブルーティアーズ


貴女の事を思い、差し出される手。それを受け止める手。


きっとそれは不器用だろう。


しかし、それが心の本質ではないのか。





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ワールド4:融接世界ミトシス


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**コンセプト


 リアル系百合TRPGとした。自分が運営するサイト「彼女から彼女への手紙」からアイディアを抽出している。百合TRPGはまだ数は少ないが、数が少ない内にリアルでシリアスな百合TRPGをぶつけておくのも悪くは無いと考える。ゲームとしては特殊な構造をしており、PLらが一つのPCを動かし、GMが動かすNPCと関わるという仕組みになっている。これは百合というものを考えた場合、どうしても1対1という構造を取らざるを得なく(ほとんどの百合物語がそうであるように)、多数のPCの存在はゲーム進行=物語の深度・理解を妨げる。いや、多数のPCでも良いのだが、それは百合の空気を味わうのに終始する。どちらも正しいのだが、私としてはリアルでシリアスな方向を選ぶというだけだ。リアルでシリアスな方向、と言う事を考えると年齢と言う事も関わってくる。年齢によってその関係は変わっていくだろう。同級生や後輩・先輩に恋をした、小学生が高校生に恋をした、またはその逆、大人が小学生に恋をした…etc。ここでも他の百合TRPGとは違うようにしてある。


**プレイ人数


 ゲームマスターを除く、1人からだいたい10人、できれば2人以上が望ましいでしょう。


**ダイス


 サイコロを2個用意してください。ネットでは1d6・2d6、年齢決定のための4D6を使います。それとタイムウォッチか時計を用意してください。


**プレイヤーとプレイヤーキャラクターの関係


 このTRPGはゲームマスター側が用意するノンプレイヤーキャラクターとプレイヤーが設計するプレイヤーキャラクターの1対1のゲームです。もしプレイヤーが複数となってもプレイヤーキャラクターは一人とし、プレイヤーはプレイヤーキャラクターを共有して動かすという形を取っています。しかしプレイヤー数が10人以上になるとコンフリクトを起こす可能性があるので、その場合はプレイヤーキャラクターを2人に分割します。


 何故このような形なのかは理由があります。


 ゲーム時間には限りがあり、ゲーム進行において何を優先するかというのが各TRPGの命題だと思います。各キャラクターが協力して何かの課題・問題に挑むのか、キャラクター同士で戦うのか、とにかく複数のプレイヤーがプレイヤーキャラクターを作りゲームをした場合、必ずプレイヤーキャラクターの人数分の時間を取られます。


 これはシーンの描写を深くしようとする方向とは時間的に対立するもので、深いシーン描写を必要とする現実的な百合という題材では合わないと判断しました。そして様々な形を模索していく内に、プレイヤー(達)が一人のプレイヤーキャラクターを動かしゲームマスターが操作するノンプレイヤーキャラクターと接する1対1という形が最善だと私は解を結びました。


 複数のプレイヤーが一人のプレイヤーキャラクターのブレインとなり、行動させ、ノンプレイヤーキャラクターと接する。これにはある有名な前例があります。ネットから発生し、映画やTVドラマとなり有名になった作品『電車男』です。非常に有名で今でもログを見ることができる事から詳しい説明はしませんが、この『電車男』という作品はTRPG的解釈が可能となっています。


 位置的には位置的にはモテないオタ男だった電車男=“プレイヤーキャラクター”がある事件により綺麗な女性に接触、関わりを持つも住む世界が違いすぎて自分一人ではどうにもできないとネットに助けを求め、仕方がないとネットで電車男にアドバイスや知識を与えるのが“プレイヤー(達)”、そして電車男が恋する相手である綺麗な女性ことエルメス(女性のニックネーム)が“ノンプレイヤーキャラクター”となります。最終的な結果から見れば、プレイヤー達の助力によりプレイヤーキャラクターである電車男はノンプレイヤーキャラクターであるエルメスと結ばれる事ができました。


『電車男』はTRPGではありませんが、構造から見るとTRPGそのものです。『電車男』関係スレで電車男に向けてアドバイスや応援を書き込んだ人たちはTRPGと知らされないで皆『電車男』というTRPGをプレイしていたとも言えます。もし『電車男』スレで書き込んだ人数をカウントしたならば最もプレイヤー人数を集めて遊ばれたのが『電車男』というTRPGかもしれません。


 そこでこの「ブルーティアーズ」では『電車男』に習い、プレイヤーの一人一人がプレイヤーキャラクターを作るのではなく、共通のプレイヤーキャラクターを持ち、そのプレイヤーキャラクターでノンプレイヤーキャラクターと関わるという形を取ることにしました。


**キャラ設定・プレイヤーキャラクター・ノンプレイヤーキャラクターの年齢


 おそらく最も需要があるのは中学生から高校生という設定だと考えます。現在ある百合作品のほとんどは中学生から高校生で構成されています。それはそれとして良いのですが現実というのはそう都合が良いものとは限りません。


 この「ブルーティアーズ」では年齢は基本年齢4D6、修正としてプラスマイナス任意選択での1D6で決定されます。最低年齢制限は4歳、最高年齢制限は30歳となります。


 ちなみにダイスチャットで4D6を10回振った時は11,13,15,14,9,12,15,20,12,11という値が出ました。確率的に12歳~15歳の中学生という設定が多くなると考えられます。小学生や幼稚園児という設定にしたければマイナスの1D6を、高校生や大人という設定にしたければプラスの1D6を、または振らない事という選択を任意でしてください。


 最大年齢差は26年。極端には4歳の幼稚園児と30歳大人の関係が成立するかもしれません。「ブルーティアーズ」では、この年齢決定ダイスを無視してプレイする事は推奨していませんが、例外としてダイスを振らずに年齢固定・同じ年齢に設定することもできます。


 プレイヤーが複数いるのなら、一人一人にダイスを降らせてください。一応この時点で参加しているという自覚を持たせるためです。


 年齢ギャップがあるほど面白いのではないでしょうか。その関係は恋愛でなく、かけがえのない友情かもしれません。場合によってはそのほうが良いでしょう。百合の形は恋愛だけではないと考えます。


 これをプレイヤー側のプレイヤーキャラクター、ゲームマスター側のノンプレイヤーキャラクターで年齢を決定します。


**年齢固定による年齢突破


 年齢を固定してプレイする場合、例外として100歳までの年齢設定、つまり熟女や老女でのプレイができます。これはプレイヤーキャラクター・ノンプレイヤーキャラクター共に設定出来ます。


**方向性選択


 プレイヤーは最初にシナリオの方向性、ライトでスイートなシナリオかヘビーでビターなシナリオかを決める事ができます。自由に話し合ってください。ゲームでの絶望要素もそれに関して変わっていくでしょう。


**キャラシート


 キャラシートは特に必要ありません。ノートと筆記用具、またはパソコンのメモ帳だけを準備してください。これをメモのように使っていきます。


**性の別設定


プレイヤーはプレイヤーキャラクターの性別を決める事が出来ます。男だった場合、トランスジェンダーという可能性やノンプレイヤーキャラクターとエキストラノンプレイヤーの関係を修復する可能性もあります。クズな男を演じてノンプレイヤーとエキストラノンプレイヤーを百合な関係にし最後に刺されるのも良いでしょう。


**プレイヤーキャラクターの設定


 プレイヤーキャラクターの年齢からプレイヤーキャラクターの設定をプレイヤー同士で話し合って決めていきます。


 決定された年齢によって、幼稚園児・小学生・中学生・高校生・大学生・様々な職業に就く社会人などが決定されます。学生でも学校に行っていない・事情によって行けないという場合もあります。社会人になればOL、様々な職業、フリーターやニートという可能性もあるでしょう。そして、どのような経歴か、どのような性格か、どのような容姿か、どのような趣味を持っているのかを決定していきます。これらを決めるダイス表は作られていないので皆が納得行くように決めましょう。


 プレイヤーキャラクターの設定を決めやすくするため、全員でプレイヤーキャラクターの設定となる「人物要素」を一つずつ提出します。髪質、顔、声、身長、体形、性格,趣味などを設定し矛盾が無ければ通過します。要素数が総合で20くらいあれば人物像が作られるでしょう。一応は現実世界のゲームなので現実とそぐわない設定はゲームマスター側の判断でブロックしてください。


**月数経過による趣味の増加


 ゲーム内で1カ月の時が経つと人物要素の趣味の枠が1つ増えます。


**日数経過による体重の増減


 ゲーム内で良く食べるかダイエットした場合、日によって体重が増減します。絶望要素に過食症や拒食症、過食嘔吐があるので注意してください。


**プレイヤーキャラクター設定の例外


 このゲームは基本的に現実重視ですが、アニメのようなキャラクターで遊びたい場合にこの例外が適用されます。好きに設定してください。キャラクターによっては人物要素にて魔法も使えますが人間の耐久力としては普通の人間並みに設定してください。強い魔法を使いたい場合、複数の人物要素を犠牲する事になります。


**人物要素の強化

 同じ要素を重ねる事によって、プレイヤーキャラクターの能力が強化されます。同じ要素は5つまで追加可能です。「普通」が3つで「平均的な普通の顔」となります。「普通」を5つ重ねる事で強化できますが、「普通」の場合、美形ですが誰の印象にも残らない美形になります。顔に特徴を付けたい場合は「一重瞼」などを設定しましょう。また複数の人物要素数を犠牲にする事になるので気を付けてください。


**人物要素がない場合の設定


 要素がない場合は他人よりも劣っているという設定にします。逆にそれが魅力になるかもしれません。


 人物要素がブランクの場合のリストを上げます。


・髪質:剛毛か薄毛か強い癖毛

・声:変に低いか高い

・顔:不細工か超美形

・体重:変に太っているかやせ細っている

・身長:変に高いか低い

・胸:変に巨乳か貧乳

・体形:変に非力か筋肉質

・性格:変に明るいか暗い

・趣味:無趣味か人が引くくらいに変にマニアック


 とにかくこれらに対しコンプレックスを抱いていると設定します。選択は1D6の1~3、4~6。髪の毛に関しては1と2、3と4、5と6で決定されます。趣味のマニアックに関しては何を趣味とするかプレイヤー側が決める事が出来ます。


**変身


 プレイヤーキャラクター設定にて「変身」を人物要素に加えた場合、変身時に追加の人物要素が10、容姿要素が5、所持品要素が5プラスされ、新たに設定する事が出来ます。前もって用意しておくと楽でしょう。


**容姿要素


 プレイヤーはプレイヤーキャラクターに「容姿要素」として髪型、髪色、ヘアスタイル、ヘアアレンジ、服装、マニキュア、ピアスなどの装飾品などの設定を付ける事ができます。全てで10つ設定でき、状況により(例えば自分の部屋等で)交換可能です。夏に冬服を着ていたら暑く、冬に半袖を着ていたら寒い。そういうものです。これもまたブランクがあり、自由に入れ替えできるものとします。髪型に関しては短いか普通か長いかを選択できます。またヘアスタイルやヘアアレンジも時によって違うものになるでしょう。髪型がブランクの場合は無毛、服が無い場合は全裸となります。例外としては下着で特に指定が無い場合は地味な下着となります。


**所持品要素


 プレイヤーキャラクターやノンプレイヤーキャラクターが既に持っている物、常に所持している物、または物を購入する場合も同じく現実的に設定しましょう。この所持品要素は全てで10までとします。所持品がプレイヤーキャラクターの限界を超えて重い場合、ゲームマスターは提出された所持品要素を却下する事が出来ます。


 所持品は手に乗るか掴めるか持てるかで決定されます。例えば輪ゴムならば1つから200くらいは軽く持てます。200つの輪ゴムを持つ場合は「200つの輪ゴム」と指定しましょう。逆に50kgのダンベルならば1つ持つのも辛いでしょう。この判断はゲームマスターが行います・


 また所持品要素はブランクにする事もでき、手品でなければ新たに追加する事ができます。例えば貰った物を使ったり部屋に置くなどしてブランクを増やすのもありでしょう。


**所持品要素に鞄や入れ物(箱)を指定したときの特殊


 所持品要素に鞄や入れ物を指定した場合、所持品要素が5増えますが、鞄や入れ物の種類により入れられる物が違ってきます。例えばポーチならば化粧品などの小さい物、学生鞄なら教科書類、ペンケースならシャープペンや消しゴム、眼鏡ケースなら眼鏡、リュックサックならば色々な物が入れられます。現実的に鞄に入るものを選びましょう。また、学生の場合、学生鞄(教科書類含む)を忘れるというプレイもできます。


**財産要素


 プレイヤーキャラクターの所持金(貯金含む)と家の設定、貧乏か裕福かを決める要素です。全部で10設定する事ができ、5つまで強化することができます。ブランクの場合、所持金は借金まみれ、家は無し、そして超貧乏となります。


**コンプレックス要素

 プレイヤーキャラクターには何らかのコンプレックスがあると設定します。枠として3つでブランクも設定できますが、初プレイ時にその枠を埋めなければなりません。


**性癖要素

 

 プレイヤーキャラクターには何らかの性癖があると設定します。枠として3つでブランクも設定できますが、初プレイ時にその枠を埋めなければなりません。


**要素の要約


 プレイヤーはゲームマスターにプレイヤーキャラクターがどんな人物でどんな環境にいるかを伝えます。10行の文章またはメモ用紙にて書き、要約してください。


**名前設定


 プレイヤーはプレイヤーキャラクターの名前を決め、ゲームマスターに伝えてください。ゲームマスターは本当に現実に存在するような名前かどうかで名前をブロックする事ができます。ゲームマスター側のノンプレイヤーキャラクターのキャラ名はゲームスタート時の口上:プロローグで明かされ、設定はゲーム中で明らかにされます。この理由はゲームマスター側が操作するノンプレイヤーキャラクターの「絶望要素」に関わるからです。


**プレイヤーキャラクターの行動制限


 要素にて作られたプレイヤーキャラクターにより、ゲームマスターにより行動に制限が付く、または行動を却下される事があります。


**ゲーム前の準備


 ゲームマスターはシナリオ構築のため1日の設定思案時間を与えられます。この時間にだいたいの流れを作っていきます。


**舞台、介入時間


「ブルーティアーズ」の舞台はゲーム側で作られた世界でもファンタジー世界でもなく、プレイヤーとゲームマスターの共通認識として記憶されている“現実”を舞台とします。つまり全てが普通の世界で、その世界で可能な事、不可能な事は現実と同じと考えてください。そのどこかの町のどこかの場所にプレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターは存在します。簡単に町の設定を決めるのも良いかと思います。極端には人間が住める限り地球上の世界中どこでも設定する事ができます。


**世界設定の例外


 アニメのような世界で遊びたい場合にこの例外が適用されます。好きに設定してください。



**時代背景


 ゲームの時代背景は、ゲーム開始日時より1年前と設定します。正確に言えば“プレイヤーの介入”が1年前の今日。ゲーム開始日時が2009年8月30日ならば、ゲームでは “2008年8月30日”からとなります。そしてゲームが強制終了される日時はゲーム内の日時が現実に追いついた時点、つまり2009年8月30日となります。


 介入、という言い方をしましたが、プレイヤーの介入が無い場合は、プレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターは関わらないまま、プレイヤーキャラクターやノンプレイヤーキャラクターは絶望を抱えたままでこれからを生きていくか、場合によっては死ぬでしょう。それもまた一つの形だと思います。


**時代背景の例外


 時代背景を固定して遊びたい場合に適応されます。ですが介入時間はやはり1年間だけです。


**季節設定


 プレイヤーの介入が1年前の今日という設定ですが、季節を固定し、更には介入日数を固定して遊ぶ事も出来ます(絶望要素に入る)。春、夏、秋、冬。自由に設定してください。



**プレイ前に明かされる情報


 プレイ前にはプレイヤーキャラクターの名前、年齢、容姿、性格、趣味。ノンプレイヤーは年齢固定ならば年齢、プレイヤーが望めば軽い設定(同学年ならクラスメイトなど)が明かされます。またゲームマスターは軽く町の紹介ができます。


**ゲームマスターが操作するノンプレイヤーキャラクター側の絶望要素


 ゲームマスターはノンプレイヤーキャラクターに関係する重要な要素を決めます。それは「同性愛者だとカミングアウトできない」「自殺したいと思っている」「自傷癖がある」「統合失調症気味で自分だけを愛している」「家族に虐待され育った」「最近彼氏と別れた」「現在彼氏がいる」「過去女の人に告白した事で心の傷になっている」「どうしようもなく異性愛者である」「目が見えない」「音が聞こえない」「体に障害があり入院している」「引っ越さなければいけない事情がある」「1年以内に死ぬ」「プレイヤーと血縁関係にある」…つまりノンプレイヤーキャラクターが抱え込む“絶望”の要素です。


 関係性での絶望と言っても良いかもしれません。プレイヤーが覆せる絶望もあれば、どうしようもなく覆せない絶望もあります。通常、 プレイヤーキャラクターがノンプレイヤーキャラクターとある程度仲良くならない限り秘密として伏せられますが、ノンプレイヤーキャラクターはその絶望の秘密を前提としてプレイヤーキャラクターと会話する事となります。ノンプレイヤーキャラクターとのロールプレイでノンプレイヤーキャラクターが抱え込む絶望を読み解くのがプレイでの鍵となります。


 絶望要素の例をリストとして挙げます。


・同性愛者だと自覚しているがカミングアウトできない

・トランスジェンダーで、周囲にそれを隠している

・自殺したいと思っていて計画を立てている

・破壊衝動が強く、犯罪的な事に手を染めている・染めるかもしれない

・自傷癖があり、基本的には手首や腕に傷がある

・統合失調症で他人を愛せない

・うつ病で精神科に通っている

・家族に虐待され育った

・家族に虐待されている

・最近本当に好きだった彼氏と別れた

・現在、相思相愛な彼氏がいる

・現在、相思相愛な彼女がいる

・現在、プレイヤーキャラクターではない片思いの相手が居る

・過去女の人に告白し、酷く振られた事で心の傷になっている

・同性愛を認めたくなくて複数の男と付き合ってきた

・どうしようもなく異性愛者である

・目の障害で目が見えない

・耳の障害で音が聞こえない

・幼い頃事故で足を失い義足である

・幼い頃事故で脳障害を起こし、知能が年齢と伴っていない

・臓器に障害があり、治療・手術のために入院している

・血液関係で障害があり、治療・手術のために入院している

・引っ越さなければいけない事情がある

・1年以内に何らかの形で死ぬ

・知り合ってから8ヶ月目で突然事故に遭い、酷い後遺症を残すか死ぬ

・過去、堕胎した経験がある

・現在、妊娠している

・既に結婚していて幸せな家庭を築いている

・早く結婚しなさいと周囲に言われ世間体を気にしている

・女の子らしくない自分が嫌だと感じている

・家族が新興宗教に入っていて、自分も巻き込まれている

・殺人衝動が強い

・まったく別の世界の人である

・外国に住んでいた、または日本へ移住してきたため言葉が通じない

・人間(生物)が嫌いで自分も人間(生物)から別のものになろうとしている

・合成麻薬に手を出している・手を出そうと思っている

・自分の周囲の人間をコントロールし破滅させたいと思っている

・引き篭もり・ニートである

・何らかの才能があるが、その才能のせいで思考が狂人的である

・プレイヤーキャラクターを何らかの形で憎んでいる

・社会性に乏しく、うまく生活できず世間を憎んでいる

・同性愛者だとは隠していないが、相手を妊娠できないほど傷つける傾向にある

・生活が破綻するほどのネットゲーム廃人である

・血縁状態にある

・異常なまでに異性を憎んでいる

・既にもう会えない事情がある

・SNSで問題を抱えている

・性別が男である

・人間ではない

・身分が違う

・現在闘病中である

・記憶が無い

・性暴力被害を受けた事がある

・親しくしているが内心相手のことを軽蔑している

・三角関係である

・実は設定年齢ではない

・過去に人を深く傷つけた事がある

・親を亡くしている

・孤立している

・外国人である

・差別を受けている

・家庭環境がおかしい

・戸籍が無い

・学歴が無い

・プレイヤーキャラクターと関わる内に駆落ちしたいと考える

・自身にコンプレックスを持っている

・中絶の経験がある

・いじめられている

・誰かをいじめている

・サイコパスである

・プレイヤーキャラクターが困ってるのが好き

・人間だが人間離れしている

・日記帖を見られた

・いい意味でも悪い意味でも好感度値が上がらない

・浮気をしている

・大切な人を亡くしている

・記憶障害がある

・一年に数回しか会えない

・初プレイ時から既に死んでいる

・いきなり介入最終日からプレイが始まる

・何らかの形でプレイヤーキャラに依存している

・魂の双子である

・好きすぎて嫉妬し殺す、または殺される

・何か考えて殺す、または殺される

・自分を醜いと思っている

・卒業でもう会えない

・自分の気持ちを解ってもらえずに自殺する

・プレイヤーキャラクターが事故り怪我、または即死する

・思春期

・ある日突然魔法のように消える、もしくは失踪する

・好きの意味がわからない

・永遠の命である

・人よりも容姿が良くなくコンプレックスに思っている

・生理や生殖を憎んでいる

・エキストラノンプレイヤーに会うためなら手段を問わない

・心が空っぽである

・過食症か拒食症か過食嘔吐である

・潔癖症である


 このようにリストを作っていますが、このリストに関わらずゲームマスターは自由に絶望要素をノンプレイヤーキャラクターに与える事ができます。この絶望要素は1つだけではなく複合していても構いません。


 ノンプレイヤーキャラクターのキャラ名や設定がゲームスタート時に明らかになるのはこの絶望要素に関係しています。絶望要素が血縁関係だった場合、プレイヤー設定時にノンプレイヤーキャラクターの設定を見せることでプレイヤーは何らかの対策のような設定を持ち込むでしょう。それを回避するためにこのようにしています。



**物語の進め方


 基本的にはゲームマスターがプレイヤーとノンプレイヤーが出会う場所(ノンプレイヤーと出会うために必要な場所)を設定し、ゲームマスターがシーンを作り、そこでロールプレイをしながら進めていきます。


 プレイヤーは一人が行動メイン、他がサブ(ブレイン)となって動きます。メインとなったプレイヤーがシーンの中で行動を決めていきます。このメインとサブは交代制です。


 プレイヤーの行動は


 会話:“「大丈夫?顔色悪いけど」”(かぎかっこを使用する事)

 行動:“○○と行動します”“○○します”等


 とゲームマスターに理解しやすいように書いてください。会話・行動の前や後にニュアンスとなる記述を書き足しても構いません。時にはそれが重要になる場合もあります。多人数が一人のプレイヤーキャラクターを動かすわけですから、会話と行動は1セットずつで次のプレイヤーに交代する事になります。このセットはゲームマスターが判断します。アクション・リアクションの1つの流れが終わり、変わった時に次のプレイヤーにメインが移ります。大体5分ぐらいで交代していきます。


**時間経過、場所の移動


 時間経過、場所の移動は基本ゲームマスター側で決める事になりますが、プレイヤーの意向・提案で変更する事ができます。しかし必然性のない行動(電車に乗って樹海に行く等の物語進行の邪魔になるだけの行動)はゲームマスター側によって弾かれます。(弾かなくても良いですがその日は無駄になるでしょう)


 この時間を毎日のように刻むのか、数日を置いて刻むのかはプレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターの関係によって違ってくるでしょう。同級生のクラスメイトや家族ならばほぼ毎日顔を合わせるのが当然でしょうし、まったく別の世界の人ならば1週間に1度会うのも難しい。そういうものです。


 そしてプレイヤーキャラクターとノンプレイヤープレイヤーはすでに出会ってる設定でない限り出会わないの容姿も性格も何も知りません。プレイヤー側はまずノンプレイヤープレイヤーがどこにいて、その中の誰かという事を探らなければなりません。相手側から接触してきた場合は良いのですが、偶然に出会うという場合、ヒント無しでは難しいのでゲームマスターによってヒントが出されます。


**ゲームスタート時のゲームマスターメッセージ


 ゲームスタート時にゲームマスターがプレイヤーに伝える言葉・口上があります。


『ケーススタディ(日付:080830のように表記)。これよりわたし達はプレイヤーキャラクター:(PCの名前)とノンプレイヤーキャラクター:(NPCの名前)のケースに介入します。わたし達はプレイヤーキャラクターに介入し、ノンプレイヤーキャラクターが抱く絶望に接する運命にあります。わたし達のプレイによりその絶望を覆せるかはわかりません。もしそれが不可能であっても、絶望を別の何かの形に変える事はできるはずです。現実はままならない。恋愛がもっとも適している関係性とは限らない。その事をいつも胸に秘めてください。


──では、ゲームを開始します。』


**イントロダクション


 ゲームマスターはゲームスタート時の口上の後、導入部となるメッセージを伝える事が出来ます。シナリオの核となる言葉やノンプレイヤーキャラクターの心情、簡単な町の設定など自由に伝えてください。


**シーンとその記述


 ゲームマスターは「シーン」というものでプレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターが関わる物語を構築していきます。このシーンには大きく2つの種類があります。PLが介入し行動シーン「A(active)」と介入できない自動進行シーン「W(wait)」の2つです。ゲームマスターと共に考えたい時はゲームを一旦止める「T(time)」があります。


 細分化すると以下のようになります。


 A:PL/PCが介入可能なNPC、またはエキストラNPCとのシーン。またはPL/PCが介入可能なPC単独行動シーン


 W:PL/PCが介入不可能な現在・過去のPL/PCとNPCとのシーン。またはPL/PCが介入不可能な現在・過去のNPCとエキストラNPCとのシーン。またはPL/PCが介入不可能なエキストラNPCとエキストラNPCとのシーン、またはNPC単独行動シーン。


 T:シーン進行ストップ、PLとGMとの会話、確認。


 ゲームマスターはシーンを進行する際、この「A」「W」をプレイヤー側に伝えてからロールを開始、または終了させます。


 ゲームマスター側のコマンドは以下の通り。


「*A」= PL側による行動開始可能。

「*W」 = アクティブからウェイトへ。PLの行動終了。

「*T」 = ゲーム進行を一時ストップ。10分間に一度使用可能。


 またシーンについて、分かりやすいようにサブタイトルをつけても構いません。またゲームマスターは「そろそろWに切り替えるので、ちょうど良いところでNPCと別れてください」など軽めの指示を出す事ができます。


 初ゲームの最初はプロローグ代わりとして全部のシーンパターンを織り交ぜながらスタートとなるシーンが作られるでしょう。


**モノローグ描写


ゲームマスターはWの時に“──”からなる発言を使い、ノンプレイヤーキャラクターの心情を描写する事ができます。


**推論パートと実行パート


 パートは2つに分かれており、それぞれ推論パートと実行パートとに分かれます。推論パートでは相手のノンプレイヤーキャラクターの行動や言動に対し考える時間で思案する時間は5分内です。実行パートでは推論から導き出した行動を約5分内で実行する事になります。


**コメントアウト


 実行パートであってもブレイン担当は“#”や“()”を付けて発言することで口出しできます。これを付けないとリアルで表情や態度に出る設定とします。リアルでプレイする場合は合図を手を叩くなどの合図を決め行ってください。


**ゲームマスターのチェック

 このゲームではゲームマスターによりチェックが入る事が多々あると予想されます。例えば忘れ物、学校行くというのに教科書を忘れる等の行為でチェックが入る事もあります。そこでプレイヤーはワザと忘れるという選択肢を取る事も可能です。ワザと教科書を忘れて隣の人、例えばノンプレイヤーキャラクターに見せてもらうという高度なテクニックも使えます。存分にお楽しみください。


**ノンプレイヤーキャラクターの好感度変化


 ゲームマスターはプレイヤーキャラクターがアクションを起こしノンプレイヤーキャラクターのリアクションによる一連の流れが一時終了した時にダイスを振り、プレイヤーキャラクターが起こしたアクションが「快」だったのか「不快」だったのかを決めます。ランクはS・A・B・C・D・Eとあり、デフォルトの初期値は既に出会っている場合はCの50、出会ってない場合はDの50としますが、ノンプレイヤーキャラクターと既に出会っていて仲が良い場合はBの0からスタートになります。ゲージは各ラング毎に0~100となります。また絶望要素にある「魂の双子」の場合はAの80付近のスタートとなります。


 単純にDは普通、Cは知り合い程度、Bなら友達、Aなら親友か片思い、Sなら更に深い親友か重度な片思い、Eならばノンプレイヤーキャラクターに嫌われていると思ってください。


 表面的に見える流れからゲームマスターの判断で好感度修正値として最大値+20から最低値ー20、ロールの内容が良ければ+の2d6ボーナスが加算されます。各ランクの100を越えた時点でランクアップ、または各ランクの0以下でランクダウンします。SはAの100でSランクに突入します。


 そしてゲームマスターはプレイヤーには見えないよう、もう一つのノンプレイヤーキャラクター好感度値を持ちます。これはNPCが裏で思っている好感度値と考えてください。通常の好感度と同じですが、 ゲームマスターの判断で好感度修正値として最大値+100~10か変化しない、または最低値-100~10と一発でランクを上げたり下げたりできます。プレイヤーキャラクターが表面上ノンプレイヤーキャラクターに好かれようと起こしたアクションがノンプレイヤーキャラクターにとって実はあまり良く思わない行為だった場合、遠慮なくマイナス値を入れてください。ゲームマスターはこの値を参考にしながらノンプレイヤーキャラクターのロールを行う事になります。ノンプレイヤーキャラクターの好感度初期設定値はゲームマスターが自由に決める事が出来ます。


 またどちらのランクもSに突入した場合、「OVER-S」ランクとして扱います。このランクの特典として、例えばノンプレイヤーキャラクターが死ぬ運命にあっても、ゲームマスターの操作で死を回避する事ができます(どうしても回避できない場合もありますが)。つまりハッピーエンドが確定します。


**Aランクでの分岐


 Aランクに突入した場合、プレイヤーはプレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターでの関係性で「親友」であるか「片思い」であるかを決める事が出来ます。


**惚れる、または一目惚れ


 初プレイ時、プレイヤーキャラクターがノンプレイヤーキャラクターと接触し、プレイヤーが「一目惚れ」を宣言した場合、ランクがAランクの0へ、そして「片思い」状態となります。また、プレイヤーキャラクターがノンプレイヤーキャラクターと既に出会っているという場合も同様です。


 またプレイヤーは状況を見てキャラクターに惚れた場合、「惚れた」と宣言する事が出来ます。「一目惚れ」同様、プレイヤーのランクがAランクの0へ、そして「片思い」状態となります。


**殺人


 絶望要素にもありますが、ノンプレイヤーキャラクターがプレイヤーキャラクターを殺害することもあり、その逆、プレイヤーキャラクターがノンプレイヤーキャラクターを殺す事もできます。もちろん、プレイヤーキャラクターが死亡すればゲームエンドです。


**遺言


 プレイヤーキャラクターが殺される直前には回想と共に遺言をノンプレイヤーキャラクターに伝える事が出来ます。時間は約5分とします。この遺言によってノンプレイヤーキャラクターの絶望が取り除かれるかもしれません。事故などの即死では約1分間の回想のみとなります。


**自殺


 絶望要素にもありますが、ノンプレイヤーキャラクターは場合により自殺する可能性があります。気を付けてください。


**ノンプレイヤーキャラクター死亡


 このゲームではノンプレイヤーキャラクターが死亡したとしても続きます。ノンプレイヤーキャラクターの事を回想したり、自殺しても構いません。プレイヤーキャラクターがノンプレイヤーキャラクターを殺害した後も続きます。それもまた人間関係の一つと考えます。


**プレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターの記憶


 過去あった事を紐解いたり、根拠を探る時に重宝するでしょう。これはシステム的にはセーブデータ、ゲーム内ではPCやNPCの部屋にある「日記帳」として処理されます。場合によっては相手の日記を見る事もできるでしょうが、それは相手のプライバシーに触れる事になります。もし相手の日記帳を見るという場合は慎重に考えてください。NPCはどのような性格や設定であっても日記をつけているという設定とします。


**エキストラノンプレイヤーの人数


 基本的に1人ですが多数でも構いません。某アニメのように16人のクラスメイトで遊んでみましょう。


**地雷


 ゲームマスターはプレイヤーが致命的な失敗をした時に「どかん」という地雷爆発を伝える事ができます。一度踏んだら修正不可能なので注意してください。代表的には絶望要素の「日記を見られた」つまり「日記を見てはならない」という例です。この「どかん」が言い渡されると強制的にW状態となりゲームマスターのロールが始まります。


**カウントダウン


 シーンが*Aの時、状況によりゲームマスターにより1分のカウントダウンが始まります。このカウントダウン中にプレイヤーは行動宣言をしなくてはなりません。手を繋ぐシーンやキスシーンなどでカウントダウンが始まる場合があります。もちろんカウントダウンをスルーする事もできます。このカウントダウンは介入時刻にリアルタイムで繋いでいると設定します。場合によってスルーして待つ事も重要になるでしょう。反応が早いならせっかち、遅ければ焦らすという行動ができます。時にはピンチが発生し早く反応した方が良い場合と待った方が良い場合があります。また、行動宣言してもカウントダウンが続く場合や連続してカウントダウンが発生する場合もあります。


**カウントダウンのカウント


 10秒毎に判定が行われ、カウントダウンが10秒以内になれば1秒ずつ(リアルタイムでは無くゲームマスターのカウント)のカウントダウンがなされます。またゲームマスターはこの10秒毎に一旦カウントダウンを止め、ノンプレイヤーの仕草や表情や言葉を伝える事が出来ます。


**カウントダウンの強制終了


 ゲームマスターは何らかの理由でカウントダウンを強制終了する事が出来ます。手を繋ぐのが遅すぎたり、キスするのが遅すぎたりした等の場合に発生します。


**ショートカウントダウン


ゲームマスターは状況がピンチの場合、10から始まるショートカウントダウンを使う事が出来ます。リアルタイムでは無くゲームマスターのカウントです。


**スーパーショートカウントダウン


 カウントが5から始まるカウントダウンです。状況によりプレイヤーキャラクターが死亡する場合に使用されます。例えば、即死に関する事故です。


**セックスシーンの描写


 このゲームではプレイ状況によりセックスシーンに持ち込むことができます。存分に楽しんでください。


**夢オチ


 OVER-Sランクの特典ですが、ノンプレイヤーキャラクターが死亡していても、それは夢だったとする、いわゆる夢オチを用意する事が出来ます。


**世界観共有、ドリームズドリームズとの関係


 これは次の地図作りTRPG『ドリームズドリームズ』にも関わりますが、以下のように設定し、他ゲームと共有するものとします。



 F-dream-Lilly-(world)-(field)-(town)-(area)-(place)-(?)



**プレイ時間


 ゲームプレイ時間は1時間~3時間が適等でしょう。一度にラストまで持っていくのはプレイヤー・ゲームマスター共に疲れます。


 初ゲームではプレイヤーキャラクターとノンプレイヤーキャラクターがどう出会うのか、または既に出会っていて、何がきっかけで相手を意識するのかが課題となり、次ゲームからは2人の関係で色々と動いていくでしょう。数ゲーム重ねていくとノンプレイヤーキャラクターが抱える絶望要素がゲームマスターによってヒントという形で出される場合があります。何も見えてこないというのもヒントとなるでしょう。それは絶望要素にて「交通事故で突然死」など最悪の場合が多いですが。



**プレイ日数


 このTRPGのプレイ日数は1日間(1時間)から場合によりリアル1年ほどプレイする事となります。気を長くしてプレイしてください。


**ゲームエンドロール


 ゲームマスターによりゲームの終わりにゲームエンドロールがプレイヤーに伝えられます。時間は約5分とします。


**感想戦


 ゲームマスターはゲーム終了時に何が絶望要素だったかを明かす事ができます。だいたい20分で感想戦は終了します。


**ループ


 プレイヤーは感想戦の後、何もかも知った状態で同条件で同じゲームをプレイする事ができます。つまり再介入です。1回目とはまた違ったゲームになるでしょう。





 ゲームシステムとしては以上です。




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ブルーティアーズ 樫木佐帆 ks @ayam

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