犯罪とは、例外なく革命である
あきかん
「革命家に成りたいんだ」
藤城が殴られながら良く言っていた。殴った本人の俺が言うのだから間違いない。
あの頃は、そう、校舎裏に呼び出しては藤城で首相撲を試しては膝を入れたり倒したりして、倒れた藤城の顔を踏み潰すと鼻が潰れて歯が折れて、唾液と鼻血が混じった藤城の液体が靴の裏を汚した。それを藤城に舐めさせた。ヤツは律儀にも胃液で汚れた口を袖で拭ってから靴裏を舐めていた。
「待たせちゃってごめんね。今からインタビューするからこの三脚に建てたスマホに顔をあわせて」
「インタビューと言っても、君はほら、猿ぐつわしているから。俺たちが喋るだけだからそんな緊張しなくてもエエよ」
椅子に座って縛られている女子高生はただ怯えることしかできなかった。二人組の男にさらわれて今こんなことになっているのだ。仕方がないだろう。
「今からこの男に犯されてしまう可哀想な女子高生、え~と名前は、立花さんね。この立花さんの哀れな姿を皆様にご覧いただきたいと思います」
「これから君は正義を知らしめるために犯されるんだ。だから、安心して欲しい。これからは君のことをみんな忘れないから」
「ごめんね~立花ちゃん。こいつ、昔っから頭がいっちゃっててね。立花ちゃんも言いたい事はあるんでしょ?今から猿ぐつわ外すから。思う存分叫んでごらん」
イケすかない男が女子高生の後ろに回って猿ぐつわを外した。
「てめえら、何もんなんだよ!こんな事してただで済むと思うなよ!」
「話きいてました?こいつは正義を執行したいんだよ」
「俺は革命家だよ」
「だから、それがわからねえんだよ。そもそもウチを巻き込むんじゃねえよ」
「わかってねえな」
「わかってないね」
男二人が声を揃える。
「それを決められるのはお前じゃないのよ」
「だから、これからお前を犯すんだよ」
「まあ、こいつの子供が出来たら産んでくれや」
さてやるか。俺は拳を握る。固めたそれを女子高生の顔に振り抜いた。
縛り付けられた椅子ごと倒れて大きな音をたてた。
「さっさとヤれよ」
「椅子に縛られてる女は無理だわ」
「しゃあねえな」
女がガヤガヤ言っている。俺はそれをひっくり返し、女の手足を縛っていた結束バンドをニッパーで、パチンパチンと切って外した。
そうしている合間に女が暴れて、それを見かねた藤城は女を押さえた。
「ありがとさん」
結束バンドを切り終えると、藤城は女を引き摺り馬乗りになった。
一発二発三発四発……。執拗に女の顔を殴る藤城だったが、どうも要領が悪く、女を気絶させるまではいかない。
それでも女の抵抗は無くなって
「もうエエかな」
と、藤城は自分のズボンを脱いで下半身裸になった。
「あかん、たたねえわ。なぁ、ようちゃん。いつものしてえーな」
「やだよ」
と、俺は短く返す。それで諦めたのか、藤城は女を、仕方なさそうな顔をして、数発殴った。
「何だ。たったじゃん」
と、思わず呟いた。
それを聞いた藤城は、ほんまや、と口にして女のショーツを無理やり脱がして、自分のイキリ立ったそれを女の股の奥に突き入れた。
「ようちゃん。痛いわ」
と、嬉しそうに言う藤城に腹が立った。
「よかったな。その女も初物だ。お前よりも痛いだろうよ」
むき出しになっている股から流れる血を見て俺は言った。
「そうかな。そうだとええな」
藤城は答え終えると、無我夢中で腰を振りだした。俺はその様子がちゃんと写っているか三脚に据えたスマホを確認した。女の位置がだいぶズレたので、枠外の部屋の様子を淡々と写しているだけだった。
俺はそれを調整し、女が藤城に犯されている様子をフレームにおさめた。腫れ上がった女の顔が写る。藤城が腰を突き入れる度に、鼻から流れている血が空中に舞っていた。
スマホの画面から目を離す。女は両手を強く握って耐えていた。強いな。よう我慢するよ。と、俺は少し同情してしまう。
「なあ、そいつ意識あるぞ」
「はぁ!?何か言ったか!」
腰を振るのに夢中な藤城にはちゃんと聞こえなかったらしく、そのつっけんどんな返答に腹が立った。
俺は椅子を持って二人に近づく。足下の女の顔を、グチャッと擬音が鳴ったかのように、強く踏み込んだ。
「何も殺す事はないやろ」
と、藤城は言う。
「どっちでもええんやろ」
と、俺は答えた。それから女の顔の少し先に椅子を据えて座る。
「そんなことより、お前のせいで足が汚れちまったじゃねえか」
俺は椅子に座って、踏み込んだ足を掲げて見せた。べっとりと血で濡れた足の裏と女の顔は赤い糸で繋がっていた。
「舐めろよ」
と、俺は足の裏を藤城の顔に押し当てた。藤城は嬉しそうにそれをしゃぶりながら、腰を振り続けた。
犯罪とは、例外なく革命である あきかん @Gomibako
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