【創作落語】面接
あそうぎ零(阿僧祇 零)
面接
面接官 「
銀次 「へぃ。大江戸大学
面 「続けて下さい。3分間は、あっという間ですよ」
銀 「なるほど。こりゃぁ、二本差しでございますね。やはり、長い方がよく動きますな。短い方は、怠け者だなぁ」
面 「は? 意味が分かりません。真面目にやって下さい」
銀 「クソが10個付くくらい真面目でございます。でも、猛烈な速さで動いている長針を見ると、目が回ってクラクラしてきます。針、もっとゆっくり回していただませんでしょうか?」
面 「それはダメです。皆さん、同じ条件ですから」
銀 「でも私、特異体質なんでございます。グルグル回るものを見ると、息が詰まって、しゃべることも、動くこともできなくなってしまう。私がトンボなら、すぐガキに捕まってしまうでしょう」
面 「そんなこと、履歴書に書いてないじゃありませんか」
銀 「時計の化け物が出てくるなんて、募集要項に書いてないじゃありませんか」
面 「そんなに時計が怖いようじゃ、アナウンサーとしての適性なしと言わざるを得ません。秒単位の仕事ですから」
銀 「アナログではなく、デジタルなら問題ないです。0.01秒の単位で話してみせますよ」
面 「はい、ちょうど3分経ちました。残念ながら……」
銀 「以上が、私の自己PRです。3分以内に収めましたでしょ?」
司会者 「では、審査委員の先生方。〇か✖をお挙げ下さい……。全員✖ですか。エントリーナンバー13番『脂気の多い鳥の胸肉』さん、残念ながら失格です。今後の精進に期待します」
《完》
【創作落語】面接 あそうぎ零(阿僧祇 零) @asougi_0
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