涙はまだ落ちない
澄んだ青空がどこまでも続く日だった。
眼の前に広がる草原はサラサラと流れ、川の流れのようにとらえどころがない。
君は泣けない人間の気持ちを考えたことがあるかい。
彼は言った。
この世の終わりのような夜に、たった一人だと思いながら迎えた朝に、
涙も流せず、茫然と立ち尽くすことの辛さを感じたことがあるかい。
旅行先で偶然見上げた空の、美しい星星を見上げて、涙を流す彼女に、彼の気持ちはわからない。
強い風が吹き始め、草原のうねりは強さを増していく。
二人の足元は静かに濡れ始めた。
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