旅立ち
俺達はどこへ行くのだろうか、
船は帆をたたみ静かに佇んでいる。
その美しい船体に刻まれた無数の傷には過去の航海が刻まれている。
小さな港町では離別の悲しみと再開への希望に満ちた少女たちの瞳に見送られ、
ベーリング海の夜の嵐を命からがら駆け抜け、
久しぶりに故郷が見えた船員達の歓喜の叫びを聞きながら、
どこまでも続く海原を走り続けた。
今、その船は役目を終え、大きなうねりの中に飲み込まれる日を、待ちながら
次の航海へ向かう前の一瞬の静寂の中で
ただ静止している。
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