終わりの時間
それが私にとって何だというのでしょう。
そんなふうに言えればいいのに
こんな薄灰色の雨の日でも、大きな青い傘を差して、あなたのそばに飛んでいける
そんな女になれればよかったの?
立ち塞がる強敵を倒し、茨の株立をかき分け、めまいがするような塔を登り、やっとたどり着いた寝室で、すやすや眠るあなたに、はじめましてのキスをする。
そんなことができればよかった。
朝はベーコンをたっぷり乗せたマフィン、昼はシャキシャキキャベツのサンドイッチ、夜は滋賀県産天然ブリの照り焼き、
穏やかな喧騒の中で、このなんでもない日常を紡げればよかった。
残された人生の中で、この時間を過ごせるのは一瞬だから、
私はただ雨の音を聞く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます