くもり時々晴れ
@Koukiryou
止まった時間
止まった時間
止まった時間が好きだ。
例えば朝5時の明け方、日が昇った直後
世界はまだ止まっていて、自分の息だけがかすかに聞こえる。
夜のざわめきが静まり、1日が始まる直前、
太陽が開店前の店の窓に反射して、キラキラと光る。
空気は澄んでいて、坂の頂上まで続く並木の先からはほのかな光が指している。
遠くから聞こえる電車の音や、せわしなく道行く人々人々の鼓動が、始まりの時が迫っていることを知らせる。
止まった時間が好きだ。
例えば深夜2時、夜の喧騒は終わりを告げ、夜更かしの生き物たちも眠りにつく、
聞こえるのは砂を踏む自分の足音だけ、
起きているのはこの世界で自分だけだ。
波音に誘われて砂浜に出れば、月明かりに照らされて、白い浜辺が姿をあらわす。
昼間あれだけ賑わっていた海岸線は、静寂とさざなみが支配する世界だ。
海はどこまでも暗く深く、真髄へと続く回廊を思わせる。
波打ち際に佇みながら、動き出す出す時に備えて一人目をつむる。
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