第14話 最終話
「アキハラホールディングス」の孫娘恵梨香ちゃんと美優ちゃんが、仲介役のエリ-トサラリ―マン風の「伊藤蘭丸」の運転する車で「アキハラホールディングス」社長邸に到着。
※「伊藤蘭丸」は蘭舞留が七変化した中の1人。
”ピンポン” ”ピンポン”
「シ-クレット・ソサエティjP」仲介役の伊藤蘭丸です。誘拐された恵梨香ちゃんと美優ちゃんをお連れしました」
こうして…仲介役の伊藤蘭丸は、誘拐された恵梨香ちゃんと美優ちゃんの2人一緒に豪華な応接室に通された。
「ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァ~~~ン😭ワァ~~~ン😭恵梨香よく帰って来てくれた」
社長の卓造氏は恵梨香ちゃんを見るなり感激で、可愛い孫娘を抱き締めて歓喜の涙にくれている。そして…息子夫婦も娘の無事を喜び、飛びついて喜び合っている。
「本当にありがとうございました。活躍して下さった『シ-クレット・ソサエティjP』の皆様には言葉も有りません。それではお約束の報酬です。お受け取り下さい」
「ハイ!それでは受け取りました。あっ!最後に一つ申しあげておきます。いくら息子さん達に問題が有るからと言っても、恵梨香ちゃんに愛情らしい愛情も与えず、只々突き放して厳しくするのは可愛そう過ぎです。愛情に餓えた恵梨香ちゃんは、そのうっ憤を弱い立場の生徒を虐めたり、お手伝いさん親子を奴隷の様にこき使ったりする事で平穏を保っていたのです。これからは、恵梨香ちゃんの心の叫びに耳を傾けて下さい。愛情も与えず厳しくし過ぎた事で、かたよった子供さんに成長してしまいました。もっと愛情を注いでやって下さい。それと……最後に塚本家具さん親子を追い込んだのは、社長にも大きな責任が有ります。だから美優ちゃんの御両親が出所してくるまでは、美優ちゃんをこの家で大切に育ててやって下さい」
「嗚呼……余りにも厳しくし過ぎました。これからは愛情をもって恵梨香を大切にします。それから塚本さん一家を追い込んだ償いはさせてもらいます。美優ちゃん、両親が帰って来るまで家でお留守番できるね?」
「美優ちゃんごめんね。あなたをいつもこき使って……これからは本当の仲の良いお友達になりましょうね」
「恵梨香ちゃんありがとう。私こそごめんなさいね。家族と2年も会えなくなってしまって」
「それでは、私はこれで失礼します」
★☆
「シ-クレット・ソサエティjP」の面々は事件が解決して一安心。
だがその時蘭舞留が重要な話をした。
「さあ最後に大仕事が1つ残っている。この「アキハラホールディングス」からの報酬を、恵まれない子供達の為に役立たせよう。今回はアフリカの難民地区に届けよう。このお仕事はやはり『ドラキュラ伯爵』のお役目という事で」
「しゃ—無いな。私しか空を飛ぶことは出来ないからなぁ。じゃあ早速行ってくるとするか……」
「今日の夜には帰って来て下さいね。仕事が終わったらカ-ニバルは我々の一番の楽しみ、欠かす事は出来ませんから」
🐻🐯🐘
古びた狭い妖怪寺の壁がまるで魔法のように消えて、延々とどこまでも伸びて広い広いカ-ニバル会場になった。重厚で高級感漂うベルベットの赤いカーテンが次々に降りて来て、ミラ-ボ-ルがキラキラ輝き出した。
「さあ今宵もカーニバルの始まりだ」
蘭舞留様の掛け声と共にショ-の始まり。始まり。
一斉にカラフルな赤や黄色に青に金銀の紙吹雪が舞い、会場は一気に華やかさを増し、場内にはトランペットの音色と軽快なドラムが響き渡った。
そして…歌謡ショ—
大勢の妖怪たちの中から選び抜かれた、美声とダンスの精鋭たちが集められて、会場を歌って踊りながらの行進だ。
先頭には美剣士蘭舞留と、そして…絶世の美女桜子。
♬オペラ 今宵も共に歌おう
愛の世界に降り立った2人♪
白い光が2人を包み ワルツを踊ろう ♫
ルルル ルルルルル♪
美しい調べ それは何て華やかなの🎶
降り始めた雪 まるで銀色の世界♪
美しい人よ 夢の中で♫
愛があれば あなたがいれば♪
ルルル ルルルルル🎶
最後尾には高齢のエリック博士とおデブ猫おマル様も、遅れながらの行進だ。
更には広い会場では妖怪たちの曲芸が次から次へと披露されている
象によく似た妖怪バク(人の夢を喰って生きる妖怪)の玉乗り。だが、途中で夢を見てしまったのか、ぐうぐういびきをかいて寝てしまい、その内ドッスンと床に落ちてしまった。
ワッハッハッハ❕ワッハッハッハ❕ワッハッハッハ❕場内から割れんばかりの歓声ではなく、チョットばかり軽視の混じった大爆笑が起こってしまった。
水虎(すいこ:3~4歳ぐらいの子供の大きさをしており川に住んでいて、トラに似ている)の "火の輪くぐり" 。だが、水虎は元々体が水に濡れているので、火の輪が水浸しになってただの輪になってしまった。それなので迫力が全くない。失笑が会場のあちこちから聞こえていたが、その内 "火の輪くぐり" の会場には、猫の子一匹居なくなった。それはそうだろう。火がぼうぼう燃えている輪をくぐるから凄いのであって、只の輪なんか誰でも通れる。
更には、鬼熊(おにくま:歳を経た熊が妖怪となった)の三輪車乗り。だが、高齢熊のくせに人のように直立歩行しながら家畜の牛馬を捕えては山へ持ち帰って食らうという恐ろしい熊らしい。早速曲芸を披露している馬に似た妖怪に向かって一直線、食い付き持ち帰ろうとした。
そこでエリック博士が鬼熊に粉を振りまいた。これはエリック博士が発明した妖怪の欲望を消す粉だった。夢から覚めたように平穏を取り戻し三輪車に乗り出した。だがこれには、観客は一気にヒ-トダウン。潮が引くように観客が居なくなった。危険な思いをしてまで見たくないのだ。
まぁ妖怪さんの曲芸は全く当てにならない。ハズレが多すぎ!😰
また空中曲芸も披露されている。綱渡りは高さ10メートルの位置にあるのだが、直径わずか3センチの麻綱を渡る芸。和傘を手に、真っ赤な衣装に身を包んだ妖怪さんが挑戦している。更には、トランポリン、空中ブランコ等々、華やかなカ-ニバルは夜明けまで続いた。
「『ドラキュラ伯爵』また誘拐事件の依頼が……今度はサ○○王国連邦ダ○○ーからの依頼です。早速妖怪たちに探りを入れている所ですが……」
終わり
刀光剣影【悪は絶対に許せねえ!刀はきらめき……俺様の剣影がチラつく時、そう秒殺で……イヤ刹那でテメエを切り刻んでくれるわ!」】 tamaちゃん @maymy2622
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