第9話 写真

 

「クク クッソ——ッ!許せない。全く口でいう事とやることが正反対。よくも……よくも……こんな目に遭わせやがって!」


「あいつらが騙したせいで滅茶苦茶になった。ウウウッ👿」

 


 ◆◆◆

 正義の味方「シ-クレット・ソサエティjP」の面々は、特別な能力を持った人々が集まる秘密組織。


 この19歳の少年蘭舞留は漢字は少し違うが、絶世の美少年森蘭丸と同じ名前で森蘭丸を彷彿とさせる超イケメン。悪を絶対見逃すことが出来ぬ正義感溢れる少年だ。

蘭舞留が通れば女性達はキャ-キャ-。

 

 うるさい!うるさい!


 日本中の話題を独り占めしている昨今有名な絶世の美少年。その名は蘭舞留。

 だが、蘭舞留が「シ-クレット・ソサエティjP」の一員であることは固く伏せられている。


 それでは秘密厳守の組織なのに日本中に、蘭舞留の顔が知られてしまい支障は無いのか?

 

 それは大丈夫である。例え蘭舞留の顔が知られたとしても、それが「シ-クレット・ソサエティjP」の一員である事さえ分からなければ何の問題もない。


 実は…蘭舞留は七変化の達人で変幻自在に変身できる。日本中を席巻しているのは、容姿はそのままだが、変身した現代の人気アイドル歌手の「RAⅯMARU」だった。


 それではその七変化はどの様なモノなのか?


 ①本来の蘭舞留。


 ②地球存亡の危機、恐ろしい巨大怪獣等が襲って来たり、宇宙船や宇宙人が侵略して来た時に、戦う際には恐ろしい怪物「ランマ—」へと変貌する。その出で立ちは次の様なものだ。

 顔はライオンのような勇ましさで、たてがみは鋭い角の様な鋭い凶器で覆われている。目が昆虫のトンボの様な大きい目で、この目が武器となる。目から電光石火の如く特殊なレ-ザ―光線を発射して巨大な怪獣も木っ端みじんに破壊出来る強力な武器になる。身体はゴリラのようだが、それを遥かにしのぐ出で立ちである。胸部腹部は黒褐色の鎧のようで他の部分は鋭い枯葉に似た物で覆われているが、トゲトゲした鋭利な刃やノコギリと変わらぬ恐ろしい凶器となる。


 エエエエエエェエエエエエッ!こんな巨大怪物必要?


 この「シ-クレット・ソサエティjP」の面々は主に行方不明になって、とうとう見付からなかった被害者の救済目的の集団では無いのか?それなのに「恐ろしい怪物」になる能力まで手にする必要がどこにあるというのか?


 いえいえ行方不明者が主だった仕事ではあるが、この組織の面々は天井知らずの連中ばかり。正義の為ならどんな危険も顧みず突き進む集団。

 

 今度は稀代のイケメン3人衆

 ③人気歌手

 ④老舗の若旦那。

 ⑤エリ-トサラリ―マン。


 ⑥老人


 更には醜い心を持つと現世の冴えない男に戻てしまう。

 ⑦身長160㎝小太りで、顏は踏み付けられたように横広く潰れた顏のブ男で、何の取り柄も無いマーク・ガルシアという男に戻る。


 そして…「アキハラホールディングス」の孫娘恵梨香ちゃん誘拐事件の仲介役こそエリ-トサラリ―マン風の30歳に変身した蘭舞留こと「伊藤蘭丸」が取り次いだ。



 それでは、何故そんなに秘密厳重を重要とするのか?


 一件デコボコのとんでもない連中に移るが……実は違う。だからこそ、この面々にお鉢が回って来た。こんなだけど能力は半端ない。

 

 国家存亡に関わる重要な任務も多い。

 だから……4人と猫1匹の正体は絶対に知られてはいけない。




 ★☆


「チーフが【山梨県南都留郡富士河口湖町○○115】の別荘で張り込みを始めてもう1週間が経つけど……何か情報は届いた?」


「本当だよなぁ。あのおマル様も胡散臭い猫だが、予言はピタリと当たる事が多いのに、今回ばかりはチョット怪しいなぁ?おマル様が予言した犯人の居場所が西方向。それは…身代金引き渡し場所と同じ。その場所で張り込みをしているというのに、未だなしのつぶて。何か些細な事でも分かってくれたら良いが……」

 蘭舞留たちがしびれを切らして、今か今かと情報を待っている


 トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル


「もしもし?」


「あっ!私だ。それが……机の中から写真が見つかった。それも2~3歳位の女の子の赤ちゃんを抱っこしているお父さんらしき2人の男性も写っているんだ。それも…穏やかでとても仲が良さそうに写っているんだ。多分この写真の赤ちゃんは恵梨香ちゃんと美優ちゃんだと思う」


「それどういう事?そんな写真が有るという事は……その別荘はひょっとして美優ちゃんのお父さんの別荘だったって事?」


「まぁそこら辺の事はまだ何も分からない。俺はもう少しここで張り込みを続ける」


 まだハッキリ分からないが、それにしても過去に恵梨香ちゃん一家と美優ちゃん一家に、何が有ったのだろうか?


 ★☆


「今に見ておれ。フッフッフ!」



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