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美味しいんですよ、幽霊って。
食べたことないんですか?損してますよ絶対。
生きてる人は、そりゃあ食べたことないですけど。
だって、法律で駄目だし。
殺人しないにしたって死体損壊?になるんじゃないですか?
でも人の幽霊を食べちゃ駄目っていう法律はないですよね?
いや、よく考えてみてくださいよ。
普通に、死んだ動物の体を食べるじゃないですか。
じゃあ、死んだ動物の魂を食べるのも普通じゃないですか?
幽霊になった人って、動物の魂と何も変わらないですよ。
しゃべらないし、動かないし。
まだ、料理の仕方はわからないですけど。
まあでも、生でもイケますよ、結構。
こう、しっぽの方を掴んで、啜るんです。
結構、幽霊によって個体差というか、味の差もあるんですよ。
吐き気がするぐらい甘い幽霊とか、舌にずっと残る苦い幽霊とか。
業が深いほど、味にも深みが出てる気がしますね。
知らないですけど。
あ、そうだ、地獄って、そういうことだったのかも。
焼くとか斬るとか刺すとか煮るとか。
全部、料理だったんですね。
あまりにも業が深い、美味しい幽霊はきちんと調理されて、鬼たちに振舞われる。
羨ましいなあ。
私も鬼になりたいです。
生きてる人を食べたら、なれるのかもしれないですね。
あはは、私にはそんなこと、できないですよ。
まあでも、あの子なら……出来るのかもしれないです。
この間、あの子と二人でお墓参りに行ったとき。
霊気に当てられた?って言うのかな?少し、体調を崩してしまって。
吐いちゃったんですよね。幽霊を、ほんの少しだけ。
あの子は、隠したつもりだったのかもしれないけど。私は気付いてました。
あの子、目を輝かせて、涎を垂らしながら、私の吐瀉物を見てたんです。
そのあと、聞かれました。この辺で有名な心霊スポットってありますか?って。
教えてあげたら、あの子。
目を細めて、口角を上げて、口を、可能な限り大きく開けて。
鬼みたいに、笑ってました。
今度あの子が運転して、連れて行ってくれるらしいです。
出る、んだそうです 過言 @kana_gon
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