寝取られ(導入)部分

 起承転結の起の部分です。


 この部分で主人公の元から恋人(または配偶者)が寝取られ、そこから物語が展開していきます。


 ここで大事な部分は大まかに分けて二つあります。



1.寝取られ部分は短く、簡潔に済ませること

2.寝取られに関して、主人公側に瑕疵を作らないこと



 この二つです。

 ではこの二つについてそれぞれ簡単に見ていきましょう。



 まず


1.寝取られ部分は短く、簡潔に済ませること



 の部分です。


 そもそも寝取られとは何か? ということですが、めちゃくちゃ簡単に言うと「恋人関係(婚姻関係)にある男女のうち片方が他人と肉体関係になり、恋人(配偶者)の元から去る」ことです。皆様ご自分の中の寝取られの定義がいろいろあるでしょうが、大まかにはそんな感じです。


 そもそも寝取られとは元々アダルトコンテンツで根強い人気を獲得していた題材だったものが、今一般(全年齢)まで浸透してきているといった状況です。一般ではアダルト的な内容は取り扱えないため、寝取られといっても「肉体関係まで発展していない」といった内容のものも寝取られと呼ばれるようになってきました。


 ここで注意しておいてほしいのは、アダルトコンテンツである寝取られと、一般コンテンツである寝取られは求められているものが全く持って違うということです。


 アダルトコンテンツは文字通りアダルトコンテンツなので、求められているものもそういった内容になります。寝取られのアダルト部分というのは、一般的に言うと寝取られている最中の出来事であり、寝取られ発覚までの道中のことです。なので、書籍や映像作品、はたまたアダルトゲームなどにおいては「寝取られている過程」が延々と描写され続けられます。寝取られが発覚した後のことはほとんど何も語られないと言ってもいいでしょう。


 逆に一般コンテンツで提供される寝取られというものは、ざまぁに至るまでの導入にすぎません。主人公を裏切った存在がいて、明確にわかりやすい悪役が登場するだけのただのワンシーンです。



 この二つの違いを理解していないと「寝取られものなんだから寝取られるまでの過程をしっかり書くぞ!」なんて思い立って寝取られの過程を頑張って書いた挙句、読者からのバッシングにあい筆を折る結果になります。


 一般コンテンツのweb小説では寝取られの濃密な過程は求められていないのです。息が詰まり、ストレスが溜まるような展開が序盤に延々と続くような物語は読んでもらえません。


 なので、寝取られ部分は簡潔に済ます必要があります。なんなら冒頭一行目に



 今日、俺は彼女が寝取られていることを知った。



 とか書いとけばいいんです。寝取られたという事実だけが重要なのであって、過程は重要ではないのですから。


 どうしても寝取られた過程を書きたいという人は、物語の随所に散らしましょう。導入は素早く片付けつつ、章の合間や物語の境目など、少し話が飛んだり切れたりする場所に少しづつ寝取られまでの過程を挟んでいきましょう。絶対に序盤に詰め込んではいけませんよ!



 次です。


2.寝取られに関して、主人公側に瑕疵を作らないこと



 に関してです。


 寝取られざまぁものに限らず、ざまぁもの全般に言えることではありますが、主人公側に瑕疵があってはいけません。「これは主人公も悪いわ」と読者に思わせるようなものがあると、読者も素直にざまぁを楽しむことができず、結果読むのを止めてしまうことになります。


 ただ、だからといって別に主人公を完璧超人にする必要はありません。完璧超人には読者も感情移入できないので、あくまで普通の一般人として描写しましょう。


 普通の人が普通に恋人を愛し、恋人のためを思って行動する。そういった描写をすればいいだけです。その果てに寝取られ、傷つけられたという結果が出ることにより、主人公に感情移入していた読者のヘイトは寝取った側と寝取られた側に向くのです。



 導入部分は小説の顔です。ここで読者を引き込めなければ継続して読んでもらうことはできません。しかし、だからといって気負いすぎず、自分のできる範囲で納得できるものを書けばよいだけです。



1.寝取られ部分は短く、簡潔に済ませること

2.寝取られに関して、主人公側に瑕疵を作らないこと



 この二つのことに注意して、読者を引き込む魅力ある導入を書いてみましょう!

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