雪山廃村の魔獣戦
廃村で最も高い建物である礼拝堂──約十八メートル──の屋根に立つ
青白い火花のような
だが、生意気に傷をつけてきた殻かぶりな二足立ちにチグハグな白毛魔獣は更なる怒りをみせる咆哮をより強くあげてくる。厚く凝縮とされた
下に落ちれば楽なものだとチグハグ白毛魔獣は落下地点へと向け突撃を開始する。高台から見降ろしていた殻かぶりの足場は立ち上がれば自慢の爪で崩し落とす事も容易い。だが、吠え落としに牙で噛み砕く方が手っ取り早く喰いやすい事を野性の狡猾さで理解している魔獣は獲物を中空で噛み砕かんと迫る。
緑青色の
大口を開け噛み砕かんとしたチグハグ魔獣の
屈辱を撃ち込まれた──チグハグ魔獣がそう感じたかは定かでは無いが、より強き怒りは
獲物が
だが、
眉間に青白な刃が突き刺さる瞬間、短剣その物が破裂し、先端鋭き無数の砕氷がヤツの顔面に深き傷を与え
魔獣は視界のほとんど無くなったぼやけた
魔獣の野性は理解する。獲物は己であり、奴こそが捕食者であったのだと──
──
血飛沫が大気を汚し、魔力の氷霧が痕を追った。脳天の裂かれた狼顔の白毛魔獣は暫くと肥大な体内魔力が尽き切れるまで、小さな捕食者の存在を感じながら、ひとつの強食を貪った野性生命としての活動を終えた。
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