第19話 会合の終わり
「んじゃ、俺は四限ある! 行くわ!」
犬内は立ち去ろうとして席を立つ。
ただ由鷹が立たないと動けないのだ。犬内は奥の席、由鷹の隣に座ってるのである。
「連絡先は交換しようよ」
「あ、いいですね!」「自分もしたい!」
「お、そういや由鷹のだけしか知らねえや」
三名は、スマートフォンを取り出そうとした。
「いやいいよ。君たちの連絡先は知ってるし。グループ作成の許可だけもらえるかな」
由鷹は効率が良すぎるのである。面倒くさがり屋さんでもあった。
「いいですよ!」「そうしてくれ!」「自分も大丈夫!」
三名ともすぐに反応をした。判断がはやいのだ。
「り。作っとく」
由鷹は三名の顔をまじまじと見る。スマートフォンすら取り出さない。
この会合の後でやるつもりだろう。
「おう、じゃあ俺は行くわ!」
由鷹は何も言わずに席を立った。犬内はすぐに荷物を持って振り向かないで出口まで行ってしまった。
「僕も講義があるから。ありがとう。先行っとくね」
「こちらこそありがとうございます」
「自分も誘ってくれてありがとう!」
由鷹もゆっくりとした動きで立ち上がって出口へ向かった。
能ある鷹は爪を噛む 鷹橋 @whiterlycoris
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