第18話 サークルできるかも

「で、君たちって小説は読むよね」

「おう!」「はい!」「うん!」

「書くことはする?」

「おう!」「はい!」「自分は……」

「黒江さんは書かないの」

 自信なさそうに黒江はうつむいた。この子がこんなことをするのは珍しくもあるのかもしれない。

「自分は書いたことがないです……」

 やはり、自信がない。胸も……。

「なら書いてみよう。サークルを立ち上げる話が来てる」

「お! いいね!」

 犬内は飛びつく。やはりアクティブである。リア充め。許すまじ。

「私もしてみたい!」

 長谷川も、あえて知らないフリをした。

 彼女も賢いのである。いい女め。

「……自分もしてみたさはあったよ」

「なら書いたらどう」

 由鷹は伝えた。黒江も書きたいようである。

「自分は自信がない……」

「なら先ずは短いのから書いてみて」

 由鷹は的確にやさしく伝えた。いい男である。

「そうだよ!」

「いいですね!」

 周りすらも賛同した。

 この二人も応援している。いい二人だ。

「なら、やってみようかなあ……」

「決定。先輩に連絡してみる」

「おう! 黒江さんも自信出しな! 今日の服だってセンスいいぜ」

「うん。ありがとう」

 黒江は、あらためて犬内を見つめた。その彼の整ったスポーティな顔を。犬内はやはり、リア充めなのかもしれない。

 黒江は、顔も赤らめた。

「うん。グループ作っちゃうね」

「おう!」「はい!」「お願いします」

 グループの出来上がり。

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