ここにいる

三人はツーリングに出掛けたが…

これは…

アタシの友達から

聞いた話なんですがね…

（稲川淳二風に）

彼…今は

ちょっと大きな会社の

部長さんなんですよね。

元々がマジメな男でして…

いわゆる…

霊の存在とか

一切信じない！

そんな男なんですがね…

一度だけ奇妙な体験を

したみたいなんです。

さて…

そんな彼と

悪友が集まりまして…

「暇だから

バイクで走りにいくか？」

って…話になったんです。

で…

アタシの友人の部長ね

(仮にＡ君とします)と…

幼なじみのＢ君…

ひとつ年下のＣ君…

この三人で

バイク乗って出かけた訳です！

場所言っちゃうと

アレなんでね…

ＴＣＧ県のイ○ハ坂なんです。

（↑ちょ待て…）

秋になると紅葉が綺麗なんだ！

ここまで言っちゃうと

分かる人には

わかっちゃいますかね？

（↑その前に分かったよ…）

この坂

ロケーションはいいんだけども

なんせ急カーブが多い。

もちろん…事故も多いんだ。

先頭はＢ君

真ん中に友人Ａ君

後方から後輩のＣ君の

並びで走っていたそうです。

ま…三人共

無茶な性格なもんで…

結構とばしていたんです。

しばらく走っていると

Ａ君の後ろで…

バーン！

って…大きな音がしたんです。

バックミラーを見ると

後輩のＣ君の姿が無い！

(あっ！事故ったか？)

すぐに思ったそうです。

Ｂ君も気付いたらしく

戻ってきました。

「あいつ…まさか…

事故ったんじゃないか？」

「行ってみよう！」

今きた道を戻りました。

すぐにね…分かったんです。

ガードレールが

ぐにゃりと

ひしゃげていたんです。

バイクは谷底に

落ちてしまっていました。

『おーい！』

Ｃ君の声がして

あたりを見ると…

山の中ですからね

沢山の木がある訳だ。

その中の太い木の枝に

Ｃ君がひっかかって

手足をバタバタさせてるんだ。

「あはは！何やってるんだよ？」

「あんまり動くなよっ！

落っこっちまうぞー？」

その日は静かな一日でしてね…

他の車は一台も通らない。

静寂した山の中

鳥の声さえしない…

聞こえているのは

バイクのエンジン音だけ。

どっどっどっどっどっどっ…

Ｂ君を見る。

すると…

さっきまで笑っていたのに

今は笑ってはいない。

むしろ…

青白い顔をして

震えているんだ。

次にＣ君を見る。

大きな木の枝に

後輩の身体が

ぶら下がっている…

Ｃ君の顔の下には…

背中があった！

要するに…

事故でＣ君は…

即死だった！

バイクで転んで

首の骨を骨折して

バイクは谷底に落下したが

弾き飛ばされたＣ君は

太い枝に引っかかり

首だけ１８０度

ぐりんと…

こちらを向いた！

身体が

バタバタしていたのは

痙攣していたからなんですね。

普通は

バイクが落ちたのならば

Ｃ君も落ちたと

考えるはずですよね？

では何故…

ふたりはＣ君を

すぐに見つけられたのか？

…そう…！

二人はあの時…

確かに聞いたんです！

Ｃ君の声で…

『おーい！』

お〓たまこ〓い