第6話

『オフコラボで良い?』

オフコラボか、まぁ、歌を歌うんだろう。

『良いですよ。』

『やったー!』

『集合はどこにします?』

『◯◯駅で。』

ちょうど最寄り駅だ

『了解です。』


ってことで決まっちゃいました、コラボ。

ツブヤイターにお知らせしてと。学校ではちょっとした騒ぎになっていた。火龍の次にYunaとコラボする新米Vチューバーと。……どうしてこうなった…。


そして土曜日。

準備が完了した時。家のチャイムが鳴った。

「お兄ー、沙紀ちゃん来たよ〜。」

「分かったー。」

どうしたんだろう?

「あ、翠斗、良かった…。」

「どうした?」

「ちょっと…駅に行きたくて…。」

「またどうして急に…」

「Yunaだから…」

「え、あの?」

「お兄、知らなかったの?」

「…マジか。」

「うん…」

「駅に行かなくて良くなったな。」

「え?」

「どうも、月陰です。」

「えー!」

「…私はお兄がプレイヤー0だって言った時に気づいたよ」

はい。まさかの幼馴染が有名Vチューバー……どうなってんだこれ…

「んじゃあ、行ってきます。」

「行ってきます」

「いってらっしゃーい。楽しみにしてるねー」

妹に観られるのは緊張するなぁ…。

俺達はカラオケ店へ……


・・・


よし、準備完了。声だけの配信にする予定だ。

「スタートするよ。」

「うん。」

配信開始

「こんつきー。月陰です。」

「こんゆなー。Yunaだよ!」

「今日は声だけの配信になっちゃうけど許して」

|:許す

|:始まったー。

|:せめてカラオケのテレビ画面は映してほしいかな

「テレビ画面かぁ、どうする?月陰」

「画面酔いに気をつけてね。」

…スマホを立てる…どこに立てよう?

「ねぇ、Yuna、なんかない?」

「あるよー」

「ありがと。」

|:急にタメ語?

「よし、これで大丈夫だと思う。ちゃんと見えてるかな?」

|:大丈夫

|:バッチグー!

|:いい感じ

「月陰、タメで良いからね?」

「助かる。」

「…まぁ、一応幼馴染だし?タメ語のほうがやりやすいでしょ。」

「……言って良かったの?それ。」

「事実だし。」

|:oh…

|:突然のカミングアウト…

|:幼馴染?え?

|:月陰とYunaが…マジか…

「アーカイブはないので。」

「さっそく歌おうよ!」

「どっちから?」

「月陰からね。」

「了解」

…お、これにしよう。

「〜〜♪〜♪」


「おー。」

|:キレイだった

|:すご

|:歌も上手なのか…

「相変わらずだね。highFもでるのか…ある意味気持ち悪い」

「褒めてるの?それ」

「褒めてるよ〜…多分。」

「……次はYunaだね」

「同じ曲にしようっと」

「え…」

「絶対勝つ」

「Yunaが勝つのが当たり前なんですけどー」

「90点でしょ?ヨユーだよ」

|:いつの間にか勝負になってる

|:Yuna頑張れー

「〜〜♪〜♪」



「はい、95点、私の勝ち。」

「…何も言えない」

「へへ〜♪」

「次は僕。」

「勝負する?」

「やめとく」

「じゃあ私の勝ちって」

「やっぱりやる」

「月陰が曲決めていいから。」

「じゃあこれ」

「鬼か!?」

|:付き合ってる?

「「付き合ってない!」」


ブレスが全然ない曲、僕の勝ちだね。



「はい、僕が89点、Yunaが85点で僕の勝ちだね。

|:あー…

|:二人ともよく歌えるなぁ…

|:歌える気がしない

「次は私が選ぶ!」

「はいはい」


・・・


それから2時間は歌い続け、

「そろそろ終わろうか。」

「うん。」

「それじゃあ、終わるよ。皆ありがとう。」

「おつかげー」

「おつゆなー」


配信終了。

「片付けるか…沙紀、」

「ん。」


片付け終了。

「帰ろう。」

「うん。」

「ねぇ、Yunaってさ、小さい頃の沙紀によく似てると思うんだけどさ。」

「そういう月陰も、小さい頃の翠斗に似てる」

「…そっか…」

「でも、今は…」

「変わっちゃった…」

「もうそろそろだね。」

「…… もう、5年……か。」

「……帰ろっか。」

「うん。」


・・・


「ただいま。」

「お帰り、あ、沙紀ちゃんも一緒かー。」

「ただいま、花梨かりんちゃん。」

「あ、そうだ、お兄、コラボしようよ。」

「許可は」

「いらないよ?」

「わかったよ。」

「決定だね。」

「次はSaraとコラボって…3大Vチューバーを制覇するじゃん。」

俺の妹、花梨は、Vチューバー、Saraである。

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