第4話

動作確認OK。配信準備完了。

「こっちは大丈夫です。」

『オッケー。それじゃあ、スタートするね。』

「お願いします。」


『今日も燃えてるか?火龍サラマンダーだ。』

コラボ配信が始まった。

『知っての通り今日はコラボだからな。相手は、』

|:月陰〜

|:月陰

|:月陰君

Yuna |:楽しみ

『そう。月陰君だ。いらっしゃい。』

「あ、ちょ、心の準備が………こんつきー。月陰です。」

|:キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

|:いらっしゃいー

Sara|:楽しみ。

『今日は心剣格で勝負するよ。準備はいいかい?』

「はい。」

『部屋に入っておいで。』

部屋、ネット対戦の時に専用部屋を作る事ができるという機能だ。

『プレイヤーレベル4…アカ作ったの?』

「あ、はい。」

『まぁいいか。実力は変わらない訳だし、じゃあ、始めるよ。』

「お願いします。」

|:圧倒的な試合になりそう

|:月陰大丈夫?

|:応援してるね( ̄ー ̄)b

第一試合。火龍さんはバランス型を使ってきた。

「手加減してくれるんですね。」

『一方的な試合はつまらないからね。』

「僕はスピード型です。」

『無難だね。』

「それじゃあ、行きますよ。」

スタートと同時にキャラを動かす。先手必勝というやつだ。攻撃を当てて下がる。それを繰り返す。

『やっぱりそうだよね。それじゃあ、』

攻撃を当てる前に吹き飛ばされた。そこから一気に畳み掛けられる。

「うわ、」

|:あー

|:火龍の勝ちだなー。これは。

|:うん

すぐさまコマンドを打ち、カウンターをする。そこからさらに2秒間だけスピードを上げ、跳び膝蹴りをする。

『ふーん。でも、俺の勝ちだね。』

跳び膝蹴りを躱され、攻撃され、負けた。

「強いですね。」

『負けないよ。』

「キャラを変えます。」

『お、本気になったか?』

「……」

まだ本気ではない。そもそも使っている機種が違うのだ。

『俺も変えよう。スピード型だ。』

「僕はディフェンス型です。」

『スピードが全然違うけど、』

「大丈夫です。慣れてるので。」

|:頑張れー。

|:ファイトー

|:慣れてる…?

「スタートして下さい。」

『分かった。』

今度はディフェンス型だからカウンター重視で行くかな。火龍さんはどうくるだろうか。

『動かないんだね。』

「もう察しましたか」

『それで勝てると思わないでほしいね』

火龍さんが動く。…これはヒットアンドアウェイの動きじゃない…!

すぐに下がる。

「マズ」

読まれた。火龍さんはすぐに近づき、多段攻撃をしてきた。

|:すご

|:こんな戦い方もあるのか

|:あー…

回避をする。そしてすぐに攻撃を仕掛ける。やっぱり防御された。コマンドを打ち、貫通攻撃をする。

『…なるほど。でも、また僕の勝ちのようだね。』

当たったが、後ろに下がられた。そして最速攻撃を繰り出された。

「参りました。」

『それじゃあ次は本気を出させてもらうね。』

アタック型で来るのか。こっちもアタック型を使わせてもらおう。

『スタートするよ。』

「はい。」

結果は、もちろん負けた。

「強いですね。」

『もっと手加減するかい?』

「いえ、本気でお願いします。そろそろ僕も本気を出そうと思うので。」

『今まで手加減していたと言うのかい?』

「そうです。一旦部屋から抜けますね。機種を変えるので。」

|:え?

『随分と手加減していたようだね…』

「もう1つ、お願いしてもいいですか?」

『なんだい?』

「アーカイブは残さない設定にして下さい。」

『それじゃあ、一回配信を切るよ。視聴者の皆、一回終了してもう一度ライブを始めるから。』

|:了解

|:把握

そうして、一旦ライブが終了した。

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