最終話 俺は三分以内にやらなければならない事があった。
結論から言おう。所詮、デブはデブでしかなかった。
おれはバッファローにはなれなかった。バッファローって要は牛だろ?つまり筋肉の塊じゃねえか。一方、俺はどうだ。脂肪の塊だ。ブクブク太った
[注]この表現は主人公の思いつきであり、実際の狸とは異なる事をご留意ください
結果として滅茶苦茶にバキボキに打撲と骨折と捻挫とに塗れた俺は、しかしどうだ、普通に一命を取りとめた。生き延びたのだ。またバッファローの群れは何の損傷もなく、ただ破壊の限りを尽くしては草を喰み、その全てを根こそぎ奪い去っていった。理性だけで言えばバッファローそれ自体には罪は無いからな。クソ!
幸か不幸か怪我人は、
なので、バッファローについては機動隊員なり獣医なり何なりが頑張ってなんとかしたらしく。大人しく草食ってたやつは麻酔銃で眠らせて、そうでないやつは数の力で誘導したり落ち着かせるとかして元の牧場に戻されたらしい。実にわんだふる。
当然、そんな杜撰な管理をした牧場はネットでも現実でも大炎上。恐らくロクでもない事態になるのだろうが、正直まあ関わりたくない。訴訟も、しない。飛び込んだ俺が一番の狂人だったというオチになってしまったので、敗訴濃厚だからだ。
なれば、相手側から迷惑かけた事を詫びてくるのを待つしかない。泣ける。
納税については、諦めて税理士を呼んで色々と聞いたものの。そもそも確定申告をギリギリにするなとか、今どきネットでも郵送でも申告できるんだから 体力が低いのなら直に行くんじゃないだとか、そもそも猛牛の群れに突っ込んでまで納税しようとするんじゃないとか、至極 真っ当なお叱りを受けた。ウケるゥ。(ウケない)
で、なんとか「災害その他やむを得ない理由によって、期限までに申告、納付等ができないときは、納税地の所轄税務署長に申請することにより、その理由のやんだ日から二か月以内に限り、申告、納付等の期限が延長されます」なる文言があるので、もしかすると申告の期限が延長できるかもしれないが、自分でバッファローの群れに突っ込んだのだから「あえて突っ込んだんじゃないか?」などと疑われるだろうし、正当な理由として認められるかは怪しいとの事だった。前代未聞だしな。
同様に税務署にも電話をかけて聞いてみたものの、上記と
事実は小説よりも奇なりとは言うが、まさにあの時、俺はその真っ只中にいたのだ。だが、こんなクソお題をそのままガッチャンコしたような現実を俺は決して許さない。絶対にバッファローなんぞには負けず、税務署にも負けず、延滞税を払う事もなくラーメンを食べてやるのだ!絶対にだ!!!医者にも
だが実際はどうだ?バッファローには勝てなかったよ……というのが現実で、確定申告についても税務署長の温情なり、過去の実例と鑑みての妥当性が認められなければ、このまま延滞税を払うという事になる。そうなればラーメン代は消える。
正直それでもラーメンが食べたい。確定申告の期限が延長されなければ、ラーメンが何杯も食えなくなるのが確定なのだ。確定するのは申告だけで良いのにだ……
だから絶対にバッファローや延滞税になんて負けたりなんかしない。税金を払いたくないわけじゃない。無駄に払いたくないだけなのだ!
俺が確定申告するはずの時間から現在、マイナス十三万三千九百二十分二十五秒
俺はこんな世界にバッファローを放った輩を絶対に許さない。
だが確定申告については、決して二度と絶対リアルでやるまいと誓ったのだった。
皆は、確定申告は早めに税理士とネットで正確に申告して還付金ゲットじゃぞ!
小説家とか漫画家とかが、絶対に逃れられないもの…… 創代つくる / 大説小切 @CreaTubeRose
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