第3話 俺は時をコンマ数秒単位で数えられるし、いつでも体感時間を変えられるけど。お前は トリコ?
まあ何はともあれ日時は三月十五日の
というのも、先程も言ったように自分はデブで
そうなると、どうなるか?稼いだ収入にもよるが、延滞税がかかるのだ。こんな気力体力だから外出するのも最低限の時間的余裕だけもって、時間ギリギリまで粘って出不精する。それが俺、デブの出不精、デブ/\精ってか?ははは。
つまりギリギリになったとはいえ、それでも時間的な余裕はあったつもりだが、それなのに全てはバッファローのせいでご破産である。実際、こうやって考えてる時間も惜しいくらいだが、それでも俺には特技がある。
それは体感時間の操作および、正確な時刻の把握である。やろうと思えば擬似的に
これが異常な事に気付いたのは、小学生の頃だった。俺の天敵たる体力測定だが、ストップウォッチで遊ぶやつがいて、それに混じってキッカリ十秒を測る。これに俺は立て続けにピッタリ十秒を出し続け、なんならジャスト一分ですら五回は見せつけてやった。俺からすれば、時計の音をカッチコッチと脳内再生すれば余裕で、あとはタイミングの話でしかなかったが。他のやつに言っても全然わからんようだった。なんなら、集中すれば視界にある時計を
そんなもんがあれば運動余裕だろうって?それは素人の考えだ。体力雑魚は、まず筋肉の量や質からして違う。脂肪を付けるだけの内臓機能はあっても筋繊維は常人より遥かに少ないのだ。自分の場合どれだけ鍛えても
つまり燃料タンクは
漫画とかで言うなら、未来視できるキャラが、未来視が間に合わないくらい早く攻撃されて負けるのと同じだ。いや比べるのも失礼なくらい、俺のが弱いのだが。それくらい、俺の体力と
だが、そんな事を嘆いていても仕方ない。残り二分四十秒。どうやってこのバッファローを避ければ良い?バッファローは全てを破壊しながら進んでいく。
いや実際には奴らも道を選んでいて、壊せそうな民家とか柵は破壊して進むものの、石垣なんかは絶妙に避けてたりする。つまり本当の意味で全てを破壊できるわけじゃない。ついでに脇に草があれば
だが丸腰の人間ごときが到底敵う存在ではない。避けて進むには多すぎる。回り道をすれば確実に閉庁時間。兎角、この
こんな事なら税理士を雇ってでも何とかするべきだったが、なまじ体感時間を引き伸ばして考えれる分、どうしても分からん部分以外は税務署の人に聞いてやっていたのだ。前回はそれでなんとかなった。
生き急ぐ現代人に合わせた突発的な行動だと君は思うだろうか。しかし、深く考えこむより衝動こそが大切だ。そう、岡本太郎も言っていた。つまり、グダグダ考えてても仕方ない。こうなれば、全てを破壊しながら進んでいくバッファローの群れだろうと人間のが上なんだ!おれは おれは……!!!全てを破壊しながら転がり進むデブになる!!!創作は……いや現実だろうと…………世界は爆発だッッッ!!!
「
」
――残り時間、約二分
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