物語の幕が開くのは、熱気と喧騒に包まれた現代日本の夏祭り。
コスプレOKという自由な雰囲気の中、誰もが思い思いの「服」をまとい、一夜限りの非日常を楽しんでいます。
しかしその賑やかな風景のすぐ隣では、神と妖怪の物語が現代に蘇ろうとしていました。
この物語は、そんな日常と非日常が交錯する地方都市を舞台に、若者たちの成長と友情を描く「現代青春群像劇」と、古からの言い伝えが現実となる「伝奇ファンタジー」とが、見事に溶け合ったエンターテインメント作品です。
主人公は、龍星と陽樹という、どこにでもいる普通の高校生男子コンビ。
彼らが抱える「灰色の青春を何とかしたい」というどこか微笑ましい動機が、物語の歯車を大きく動かし始めます。
そんな彼らが、祭りの喧騒の裏で出会うのが、神を名乗るモエギ。
また主人公の幼なじみである空子や、強敵の琥珀など、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間模様が、この物語を彩ります。
そして物語は、日常から非日常へと転がり落ちていきます。
ほんの少しの好奇心が結果的に神社の封印を解いてしまい、主人公たちは妖怪騒動の後始末を担う「神司(しんし)」となることに。
ここから物語は、スリリングなバトルアクションへと姿を変えます。
彼らが手にする神器は、時にハリセンとなり、時に木刀となるユニークな武器。
剣舞の型を応用した戦い、特に龍星と陽樹の「鶴亀コンビ」が見せる息の合った連携プレイは、見ごたえたっぷりです。
本作の根底には、「服」と「福」という言葉遊びに象徴される「縁」や「絆」というテーマが流れています。
自分たちの行動が引き起こした災いに立ち向かう中で、少年たちが責任を学び、精神的に成長していく姿には、きっと誰もが共感します。
祭りの一夜という限られた時間の中で、彼らは笑い、悩み、戦い、そして確かな一歩を踏み出します。
祭りの灯りが照らし出すのは、神と人と妖怪が織りなす、一夜限りの奇跡の物語。
その「はじまり」に、ぜひ立ち会ってみてください。