幸せな日々への切符?!

サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)

告白は3分以内ってか?!

千隼ちはやには三分以内にやらなければならないことがあった。


やっと憧れの彼女の隣に座れた。

これまでずっと遠くから眺めるしかなかった理想の人。

その人が今は目の前にいる。告白するなら今しかない!

僕の存在を知って貰えるのは今しかないんだ!

そのために頑張ってきたんだから。


彼女と一緒にいたくて同じ高校を受験しようと考えた。

その高校のレベルは高く僕にはかなりの努力が必要だったが、

彼女と一緒に通学できるならハードな受験勉強も苦にならなかった。


同じ高校に受かれば毎日彼女のことを見ていられる。

幸せな脳内の妄想は俺に信じられない程のパワーを与えてくれた。

勉強が楽しいと思ったのはこれが初めてだった。


受験当日体調も万全!手ごたえもあった。


そして、合格発表の日。

まずは彼女の結果だ。彼女が合格していなければ意味がない。

掲示板に合格者の番号が掲示された瞬間、

彼女は心底ホッとした表情から満面の笑みを浮かべた。

合格だ!


よし、次は僕の番!

よし!僕も受かってる!これで幸せな高校生活は約束された!


いよいよ一緒に通学する日がきた。

僕は駅で朝早くから彼女が来るのを待っていた。


あの高校の制服を来た彼女が来た!

同じ電車の同じ車両。少し距離をあけて乗車した。

僕の夢だった電車はついに走り出したのだ。


その直後ドンと鈍い大きな音がして気を失った。


次に目を開けると彼女の隣に座っていたんだ。

こんなチャンスは滅多にない。告白するべきか悩んでいた時だった。


「3分しかないんだぞ。」と声がする。


僕が告白しようとしてることを何故知ってるんだ?


「早くしないと時間切れになるぞ!」


言われている意味が分からなかった。


「千隼、お前は、あと3分で天国に行く運命なんだ。

だから告白するなら今のうちだ。とはいえ彼女はすでに息絶えてるがな。」


どんどんと薄れていく意識の向こうで声が聞こえた。


脱線事故だ!

車両が原形をとどめていないぞ!

この車両の人は助からないかもしれないな。

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幸せな日々への切符?! サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ) @hinaiori

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