第6話
「えーっとみなさん、おはようごじゃ、………おはようございます」
コメント
:おはようございます
:噛んだwww
:おはー
:かわいい
:リアルタイムで聞けてうれしい
:配信予告ないす!
「うぅ~、同接4万人とかいくらなんでも増えすぎでしょ。……お腹いたい」
:がんばれww
:フォロワー数35万人だもんなwww
:それにしても多い気がしなくもない
:初見です。スペチャが投げられないのですが何故ですか?
:「うぅ~」たすかる
:まぁ昨日と今日、ネットニュースの記事はファブゼロ関連ばかりだし、SNSだって空前絶後のファブゼロブーム
:トレンド1位だったのも大きいな
:そんな今注目の的で有名人なりたてほやほやのファブゼロだから、この同接も不思議じゃないな
:ワイは不思議だとは思わなくても純粋に驚いてるけどなwww
:そういえばファブゼロ、こんなにフォロワー増えたんだし、そろそろ収益化するかもね
「ねぇ待って待って?なんでもうチャット欄のみんなはボクがこれからも普通に配信をやっていく前提で話してるの?今回の配信内容みた??いつもの雑談じゃないんだけど……」
:なんで隠してたのかとかは俺らは聞かないで?
:言いたくないことは誰にでもあるだろうし
:古参勢のみなさんガチかっけえ
:ファブゼロさんの古参とか猛者しかいないだろww
:いやーwww 新参者たちの尊敬の眼差しに参っちゃうねww
:声とか性別を誤魔化してた理由は聞かんけど、その代わり俺らはこうやって古参であることの愉悦に存分に浸らせてもらいますわwww
「えぇ……。その、ボクの古参の人たちに聞きたいんだけど。ぶっちゃけボクの本当の声を聞いて幻滅したりはなかったの?」
:???
:げんめつ?
:なんで?普通にかわいいやん
:おぉー、古参勢かっこいい
:言うことが違うぜ
「っ!………かわいいとか、よくそんなポンポンと気軽に言えるね」
:むしろワイらが純粋に人を褒めるのなんてめったに無いんやで
:ふだんは嫉妬と劣等感の塊みたいなもんだからなファブゼロ古参は
:そうそう…………………て、ちゃうわ!!
:やっぱあんまりかっこよくはない
「はぁ。……じゃあまぁとりあえず、ボクがこれから配信を続けると言っても、みんな反対はしないわけだね?あとから声について、やっぱり気持ち悪いとかって理由で叩かれるのも、ボク嫌だからね!?」
:この声を気持ち悪いとか言う奴いないだろwww
:いたとしたら、ただの目立ちたがりもしくは妬み
:あれでもいつかの配信で声と見た目がコンプレックスだって話してたような、、
:え、あの小学生の時のトラウマ的な?
:あれは本当のことなのか?
:でも小学生が言うことなら妬みもしくは興味の可能性もあったり?
「あー、、、。まぁ、うん。確かに前の配信でそんなことも話したね。それが嘘か本当かは別としてボクがコンプレックスを声と見た目に抱いているのは事実だよ」
:すみません。一昨日知ったばかりなのでファブゼロさんのことまだあまり知らないのですが、どうしてそんなに可愛い声なのにコンプレックスなんですか?
:それは聞いてやるな
:でもまぁ実際のところ、古参のワイらからしたら前から別にファブゼロの声に惹かれたから配信を見に行ってたんじゃなくて、ただ純粋にキモオタおじたんキャラであれ誰であれ、自分の好きな趣味をチャット欄を通じて語り合えるあの時間が好きだったから昔っからファブゼロのフォロワーだっただけの話やで。なーんて、ちょっとカッコつけて長文なんて書いてみちゃうワイ
:ナイコメ
:ないすコメント
「わぁー!………なんかこうやってボクとの雑談を好きって言ってくれるの、中身や性格を見てくれている気がしてすっごく嬉しい…。最後ふざけて誤魔化そうとしなくても良いのに。伝えてくれてありがとう。あと、初見さんはどうしてボクがボイチェンを使うほどに自分の声にコンプレックスを抱いているのか、だけど。それはまた話したいと思ったら話すよ。それでもいいかな?」
:大丈夫です!
:言いたいときに言ってください!これからはずっと見続けるつもりなので!
:おけ!
「なんか新しいボクのフォロワーさんたちもめちゃくちゃ優しい人たちで安心したぁ。でもどうしよ。ほんとはもっとこの配信は荒れると予想してたから、時間もかかると思ってたのに案外すぐに終わっちゃった」
:ほなせっかく新規さんたちがたくさんいるんだし、、、
:ファブゼロと言えばやっぱ雑談でしょ
:今までも雑談だったけどな結局www
五葉まおり:ファブゼロちゃん37万フォロワーおめでとう!
:初見です。女の子とアニメの話ができて声も可愛いとか最高ですかここ
:ふぁ!??
:ちょwww
:今まおりんいたぞww
:37万www この配信でさらに2万人も増えるとは、、、
:てか昨晩のSNSでまおりんがファブゼロの投稿にリプしてるのも少し話題になってたわそういえば
「あ、まおちゃん!見に来てくれたの!?」
:まおちゃん!?
:二人仲良くなったんか
五葉まおり:こーら♡ファブちゃん、しー♡その呼び方は二人の間だけの秘密でしょ?
:カハッ(尊死による吐血
:ファブ×まお だと!??
:まだ数回のやりとりでもう感じ取れるてぇてぇの波動
:悪くない。むしろ良い
「あっ///そ、そうだった。………ご、ごめんね?///」
五葉まおり:………ねぇうちの娘かわいくね?
:お前のじゃねぇwww ってまおりんにノリでもお前とかやばいか?
:別にええんちゃう?今のはそういうつっこみありきやろ
:ファブゼロやっぱかわいいなぁ
:声が判明してから、なんか言動の一つ一つがまた違った見え方してくるよな
:↑ わかる
「娘って………。もー、まおりんとボクは親友でしょ?」
:しんゆう?
:いきなり?
:距離感バグってない?
:あ、もしかしてコミュ障特有の少し話したらすぐ親友だと思い込んじゃうあれか?
五葉まおり:↑ だまれ!私とファブちゃんは親友なんだよぉ!
「しんゆう……、ふへへ///」
:だめだ自分でさっき言ってたのに照れるとか流石にかわいいが過ぎる
:かわいいの供給過多
五葉まおり:もうダメだ今度のデートの時にファブちゃんお持ち帰りしていいかなみんな!???
:???
:え?
:てぇて………ぇ?
:でーと?
「あー、じつはね――――」
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