第10話 ライフル、それはロマンなのだ
「マスターとりあえずダンジョンに行くの」
『確かに修行するには、いい難易度かもな。お宝っていうのも気になるし』
トレジャラーハンターなんて面白そうじゃないか。前世でも金曜日に映画を放送する某番組でよくやってたな〜 あっでもあれは考古学者だっけ?
「さっそく受付の人に聞きに行くの」
***
ということで来ましたギルドの受付。
「また会いましたね。調べ物は終わりましたか?」
「バッチリなの」
「ずっとこもっていましたよね。見つかってよかったですね。それで今回はどのようなご用件で?」
「ダンジョンに行きたいの」
「いいタイミングですね。ちょうど、この街の近くにダンジョンが出現したんですよ。ですが、ダンジョンに入ることのできるランクはDランクからですのでランクを上げてもらわないといけません」
『じゃあ依頼を受けないとな』
掲示板を見るとEランクの依頼は薬草の採取とかしかないな。
「戦いがないの〜」
『安全なことに損はないだろ』
「刺激が足りないの」
う〜む。いつの間にかシロナさんが戦闘狂化してきてるぞ。これはなんとかしなければ……
「こちらの依頼でよろしいでしょうか」
「うん」
「わかりました。薬草の種類や形にはわかりにくいものがありますが、大丈夫ですか? 必要ならば図鑑を貸し出しますが」
「大丈夫なの」
なんたって、解析スキルがあるからな。
***
門番のおっちゃんに、ギルドカードを出したらちゃんと通過できた。驚いていたが。
「どっちにいくの」
『まぁ、森に行くのが無難だろうな』
「じゃあ、マスターに助けてもらったほうのところ?」
『そこが一番近いだろうな』
早速形状変化を使いシロナを乗せてかっ飛ばす。
「いつもより早くて気持ちがいいの~」
『サブ職業のおかげで魔力が増えたからな』
「もっと速くできないの?」
『しっかり、捕まってろよ』
「いえ~~い」
俺は、水色の軌跡を描きながら森のほうへ飛んだ。
***
「ついたの」
『あっという間だったな』
「また、やりたいの」
『また、帰るときな』
「すぐ終わらせてやるの!」
『超広範囲解析』
俺を中心として、あたりに光が広がる。
説明しよう! 超広範囲解析とはスキル"解析"のレベルが上がったことにより、いままで目の前にいるものしか解析できなかったのだが、自分を中心として広範囲を解析することができるのだ!
『シロナ、あっちだ!』
「了解なの」
『今度はあっちだ』
「了解なの」
『あそだ』
「わかったの!」
『上だ』
「あったなの」
『下だ』
「きれいなの~」
***
「はぁはぁ。疲れたの」
『よく頑張ったな!』
「さすがマスターなのおかげでいっぱい集まったなの~。これでランクアップできるなの!」
『じゃあ戻るか』
形状変化を発動してシロナを乗せる。
「フルスピードなの」
『いくぞ!』
「風になるの~~」
ブォーーーー
『むっ?』
「マスター?」
『何かが、近づいきているな』
グォーーーー
「でっかい鳥なの」
種族:シームルグ
レベル:76
HP:1601 MP:4792 腕力:567 体力:6578 敏捷:5784 知力:746 魔力:3435 器用:21
称号:空の覇者
スキル:風魔術 ウィンドファング ウィングブレード 雷鳴魔術 ライジングインパクト
うわっ! めちゃ強いじゃないか。やべぇこのままでは追い付いかれる。
「バトルなの!」
戦闘狂シロナがでてきちまった。
『仕方ない。空中戦だな』
「頑張るなの」
『剣だとリーチが短いからな。銃モードで行くぞ!』
ちなみに、俺は空飛ぶスケボーの形で飛んでいるがここで普通に銃になったら。真っ逆さまに落ちてしまう。形状変化では俺は分裂できないからだ。だから、スケボーの板部分から紐みたいに伸ばしてその先から、リボルバーをはやす。俺が見つけた裏技だ。みんなもやってみてね。
「マスターかっこいいの!」
『そうだろ』
「ばきゅんばきゅんなの」
空に閃光が走る。シームルグは半回転してさらりとよけた。
「むぅ、速すぎるの」
打つたびに、よけられる。このままじゃ、じり貧だな。
『とっておき2つ目行くぞ』
「分かったの!」
とっておき2つ目それは……銃でおなじみ、狙撃といえばのスナイパーライフルモード!
この姿になるためには、本当に大変だった。意外と形状変化って結構難しいのだ。特にこだわったのが、ロマンの20mm口径! 見た目もしっかり、忘れていない。白をベースに黒と水色のライン。近未来って感じがするだろ!
シロナがスコープを覗く。
「いっくよ~。ばきゅん」
結構魔力が減ったが、威力はえげつないのだ。
シームルグの脳天を極太光線が貫く。
「今日は焼き鳥なの!」
『なんてワイルドなんだ……』
しっかり収納して解析。よっしゃコアとスキルゲットだぜ!
***
ギルドに戻ってきた。
「もうお戻りになられたんですか?」
「うにゅ」
「それじゃあ採集したものをここに出してください」
「ほい」
ドサッ
「た、たくさんありますね。え、これA級魔物じゃない! あっすみません。えっと少々お待ちください」
「待ってるなの」
***
数十分たっただろうか、受付総出で確認してくれたおかげで意外と早く終わった。
「お待たせしました。受けている依頼の他にも出されていた依頼に当てはまる薬草がありましたので、達成された依頼は総勢25。達成料は全部で9万Gです」
「いっぱいなの~」
「さらに、依頼を20枚達成されたのでランクアップです」
「これでダンジョンに潜れるの~」
『やったなシロナ!』
「おめでとうございます。ではギルドカードの提示をお願いします」
***
「はいどうぞ、ギルドーカードをランクアップさせました」
「おぉー。かっこいいの~」
Dランクのギルドカードは藍色だった。
『シロナに似合ってるぞ』
「わーい! わーい!」
『わーい! わーい!』
「すみませんが、A級魔物の件についてギルドマスターがお呼びです」
「え」
「二階へどうぞ」
「え」
『え、お呼び出し?』
「シロナ、またなんかやっちゃたの?」
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