第7話 私なんかしちゃった?
とりあえず一階に降りて買取をしてもらうために受付まで来た。
『さっきの受付の人がいるな』
「あの人に聞くなの」
「あの、魔物の素材を売りたいなの」
「シロナさんですね。ギルマスからは伺っております。先にギルドカードやその他諸々の説明をさせてもらってもよろしいでしょうか」
「お願いするなの」
「承知しました。少々お待ちください」
「はい、ギルドカードをお持ちしました。シロナさんのランクはE級からとなります。このギルドカードはアーティファクトになっており、倒した敵の数やそのランク、また身分証明書のような役割も持っています。これを提示することで、通行料が無料になります。」
『ただのカードかと思ったら意外と多機能なんだな』
「赤色でかっこいいの」
『戦隊系だとリーダー格の色だな』
「なんの戦隊なの?」
『俺の元いた世界のスーパーな戦隊だ』
「スーパーなの?」
『スーパーだぜ』
「また、ランクによってギルドカードの色が決まっていますそれぞれ下から赤→藍色→深緑→黒→金色→シルバー、となっています。これでギルドカードについての説明は以上です」
「次にサブ職業についての説明をさせてもらいます」
「こちらにどうぞ」
別室に入るとそこにはバカでかい、水晶があった。
「サブ職業に入ることで、例えばステータスに補正がついたり、特定のスキルを手に入れることができます」
「入れるサブ職業の数や種類は、その人のステータスや適正値によって変わるので定期的に調べに来て、
より良いサブ職業に入るのがおすすめです」
「では、こちらの水晶に触れてください」
「りょーかいなの」
サブ職業:剣士(長剣) 剣士(短剣) 剣士(双剣) 剣士(曲剣) 剣士(刀) 狩人 弓使い アーティファクトマスター 魔剣士 格闘家 杖術 杖聖術 合気師 タンク 盾使い 斧使い 戦士 戦鎚使い アサシン 魔術師(火) 魔術師(土) 魔術師(風) 魔術師(氷) 魔導士 ……
「ちょちょちょ……え?」
ここまで、落ち着いて丁寧に説明してくれていた受付嬢が変な声を上げた。
「ん〜〜? 私疲れているのかしら、いや確かにすごかったけど上位職業がこう何個もていうか、適性職業ありすぎて見切れてるじゃない」
「私そこそここの仕事初めて長いけど、見たことないわよこんなの」
口調まで崩し始めてしまった。どうやら、めっちゃすごいらしい。
「ねぇマスター。私また何かやっちゃったなの?」
『シロナさんマジパネェっす。さらっと僕何かしちゃった?的な強キャラセリフを行ってのけるなんて!』
「マスターまで変になっちゃったなの」
シロナがアワアワしている。かわいいです。はい。
「ゴホン。すみません取り乱してしまいました」
まるで、さっきまでのことが嘘かのようにもとのスマイルお姉さんに戻ったぞ。これが受付嬢の力というのか……
「これがシロナさんの選択可能なサブ職業です。タップしてもらうと詳細が見れますので、ご自由にお選びください」
「マスターどうする?」
『そうだな。アーティファクトマスターなんてどうだ?』
「なんかかっこいいの」
『えっとランクが最上位職業で効果が装備したアーティファクトの性能が二倍になるってめっちゃ強くないか!?
それと、スキル:同調 が手に入るだって』
「マスターと私にぴったりなの」
『じゃあこれにしておこう』
「アーティファクトマスターにするなの」
「はい分かりました。少々お待ちください」
「完了しました。これで説明は終わりです。買取をしますか?」
「お願いするなの」
「承知しました」
「では、この台の上に素材を出してもらえますか」
『じゃあ一気に全部出すか』
えい。
『うわぁ。こんなにあったのか』
「マスターと私の頑張りなの」
「ちょっと私さっき決めたじゃない。もう驚かないってなのに焦ってどうするのよ。ふぅ落ち着いて、こういう時は素数を数えるのよ。1、2、3、あれ1って素数だっけ」
まさかこんなにあるとは思わなかった。受付とは違う部屋でやっているのだが、もうパンパンになっている。
う〜ん。買い取ってもらえるのか?
「あの、買い取ってもらえますか?なの」
「もちろんです。ただすこ〜し量が多いので時間がかかりますがよろしいでしょうか?」
「わかったの」
いつの間にか
これが受付嬢の力というのか……(2回目)
***
軽く一時間ぐらい待っただろうか。さっきの受付嬢さんが疲れた様子で戻ってきた。
「D級魔物150体 C級魔物32体で合計56万Gとなります」
『え、めっちゃ高くないか』
「マスター。これだけで3ヶ月ぐらい豪遊できるの!」
「全て綺麗に解体されており、状態も良かったためこのような額となりましたが、いかがでしょうか?」
『十分すぎるぐらいだな』
「大丈夫なの」
多分、俺が収納したものは時間経過しないから腐ったりせず状態が良かったんだろう。
「ではどうぞご確認ください」
「重たいなの」
***
「全部あったの」
「わかりました。それでは他にご用はありますか?」
『特にないかな』
「大丈夫なの」
『よしそれじゃあ早速宿に向かうか』
「お風呂楽しみなの」
『ずっと川だったもんな』
てか、女の子なのに川で体洗うとかよくないな。
「マスターのご飯も楽しみなの」
『おう、今日はシロナが冒険者になった祝いだ。お金もたんまりあるしうまいものたくさん作ってやるよ』
「やったぁー」
『っと話してる間に着いたな』
「ギルドからめっちゃ近いの」
見た目はちょいでかめの民家っていう感じだな。まさしく、RPGの宿っていう感じだな。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん泊まりかい?」
20代くらいのお兄さんが受付にいた。
「そうなの」
「何泊していくのかい?」
「マスター、どうする」
『そうだな。しばらくはこの街に滞在するつもりだし、10泊ぐらいじゃないか?』
「10泊でお願いなの」
「飯と風呂はどうする? うちの風呂は評判いいんだ。ぜひ入ってくれ」
「お風呂をお願いするの」
「おう。それじゃあ、合計で6590Gだかお嬢ちゃん払えるかい?」
どうやら、心配しているようだ。まぁ確かに子供が大金持ってるなんて思わないよな。
「はいどうぞなの」
「ちょうどだな。まいどあがり。それじゃあこれが鍵で奥から3番目の部屋を使ってくれ」
「ありがとうなの」
とりま、セーブポイント確保だな。
「ベットふかふかで気持ちいいの〜」
『確かに野宿よりだいぶマシだろうな』
「よし! マスター、食料買いに行くの」
『はいはい、わかってるよ』
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