かぐや姫

ルフィにフられ・・・捨ててから、ドックを出たあたしは当てもなくやることもなく月面基地の繁華街をぶらぶらと歩く。


迫り上がってない地平、青い空の向こうへと消えるなだらかな山(クレーター?)の稜線を眺める。


大地もこんな感じなのかな・・・あたしが、命が生まれたと有史にある惑星。


疲れたようなおじが空と地平を横切ってゆく。


「あれ?松永さん・・・こんにちわー!」


明るいグレーのジャケにシャツ&ネクタイ、プレスパンツといういつものビジネスッタイルだけど、いつもはぴっちりと撫でつけられてる頭髪がそれなりに跳ねてる。


「ああ、こんにちはお嬢様・・・いかがされました?」


そこはかなとなく疲れた感じが戦いに傷ついたオトコ、ってミステリアス感がすごくて不躾にも見つめてしまっていた・・・


「あ、なんかステキだなっ、て・・・ごめんなさい」


おもわず背伸びして松永さんの頭を整えてしまう。


「これは、いやお恥ずかしい」


松永さんはエアコムを出すと身づくろいをするように自分をチェックする。

あたしが整えた個所だけでなく襟周りも整える所作がちょっと胸に刺さる。


「あたしこそ不用意でした」


うーん、ごめんは使ってしまったし今の気持ちをどう伝えれば・・・てゆうか自分の気持ちがよくわかんない。


「・・・ふふ、あたしが暗殺をもくろんでいたら・・・危なかったですね」


嫌味言っちゃったよトホホ・・・


「はは、お嬢様にこ・・・なら、それは幸甚・・・幸せな終わりです。間違いなく」


フッとこの世の全てのしがらみから解放されたような、儚い笑み。

思わず松永さんの大きな手をとり、見つめ上げてしまう。


テンプレ入ってんのか勘違いなのかわからないときは攻めあるのみ!


「いまの言葉、証明してください」


片眉を僅かに揺らした松永さんの手を引き、跳ぶ。

大地よりも重力は弱いので、男の肩なら抜く心配はない。


ラブホがいいけど、金ねーんだよな・・・と、結局家の傘下で顔が通せそうなとこへ降りる。


月の建造物は地下意外全周天にエントランスがある。


当然のように外まで出てきた黒おじに問う。


「ベッドがあればいいわ」


「ご案内いたします」


「汚すわよ?」


黒おじは緩く笑み、までは届かないくらいの顔を表情し、先へと発つ。


通された続き部屋の奥、ダブルのベッドへ松永さんの厚い胸に顔をうずめて倒れ込む。


むろん、あたしが下になるように。


松永さんは覆い被さるように倒れつつも、あたしの髪の毛を巻き込まないように梳いてくれた。


「お嬢様、いけません。このようなことは」


うーん、男てこゆときどーいえばその気になってくれんだろ・・・・・救済要請??


「助けて・・・あたしを助けて、松永さん」


パトラッシュ、助けて!じゃばばばば!!!!!!!


「何があったんですか」


え?訊くの??

何って・・・これからナニに入りたいんだけど!?


「あたし、フられたんです・・・松永さんも抱いてくれそうにないし、あたし魅力無いですか?」


そうだった、フられたのよあたしわ!くっそムカついてきた!!!!!無論カオには出さん。


「お嬢様は美しい。わたしなどが触れてはならないほどに」


めたくそ真剣なまなざしと太く落ち着いたイケボ!ぎゃああああああ!!!コッチが死んだぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!死ぬな!負けるな!撃ちして止まむ、次弾装填ッ!!!


「やっぱりあたしって、男のひとから見たら可愛くないんですね・・・」


表情を抜け!目の色を抜きながらも光源を向け!ハイライト入れろ!!


「男のひとは、一度汚れちゃった女の子はもう・・・」


涙声で女の子アピールしながら、松永さんのヒジが乗ってる袖を活用し肩を抜く。

頭が窓へ倒れ向くのにあわせ、偶然にはだけた様を装いながら。




松永さんは、ちゃんとキスから始めてくれた。


偶然ポロリ弾最強!



サカり合う二人の上、大地に比して濃い群青の蒼を超えたソラの中では、宇宙戦闘機の激戦が繰り広げられていた。



「クッソ、なんで一機も落とせない!」


白く輝く人型の宇宙戦闘機、ハンビオン。

白人の優美さを模したと言われる、動植物を含め四肢を持った造形に置いて最高の傑作と称えられる巨人。


その二つのエメラルドに光る眼が、赤いリーゼを睨む。


「おまえさえ墜とせばッ!」


アフロが赤いゾカをロックオン、トリガーを引く。

同時に被弾。


「ぐあっ」


「ちょっと!そんなちょこちょこ動かれたら撃てないって!」


ハンパンツァからクレームが入る。


「うるせえ!やってやる、俺だってやってやるぜ!」


赤いゾカの中では、敵方の指揮官ギルベルトが怪訝に首を傾げる。


「・・・なんだ、妙だな。いつでも撃墜できるぞ・・・いいのか?」


(これまでの敵の戦闘パターン、インファイトで攪乱され遠距離狙撃、散回し餌に食いついたところで狙撃、粒子砲弾の連射反動を殺しきるタイミングで多段狙撃・・・悉く狙撃で撃墜されてきているが、その狙撃がお粗末だ。ええい、悩むな。墜ちろ!)


「ちくしょおおお!!!」


「やめろバカ!やみくもに・・・」


真っ赤に焼けたアフロの中身にルフィの声は届かず、アフロは気合諸共にヤケクソ突撃をかける。


六機のリーゼ、ゾカが支援コンも必要ないほどの軌道予測空域へ、これは欺瞞演算をかけられているのでは?と不安しながら偏差射撃を行う。


ハンビオンの白銀の装甲にいくつもの粒子砲弾が突き立つ。


「ぐわあああああ!!!!!!ナミエっ、おまえは・・・」


「アフロ―!」


平面の多い装甲は粒子砲弾の侵徹に関して不利な角度を持つ、という特性を理解も利用も出来ぬアフロに、その被弾は致命的であった。


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フられた直後に手近な異性に縋りつくケースて、待ちガイル状態でない限り縋りつかれた方も旗見(w)してる方も「は???そうはならんやろ!」て感じだと思うんですがこうしてクドクド書いてみるとなんとなく解るような気もしてこないわけでもないかもしれないと思うと感じるような気がしてくるかもしれないかもしれないかもしれないかもしもしあたしりかちゃんあなたのとな6

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