第11話 Dランクダンジョン行くなら防具買おう

 2回目の岩ダン踏破を終えて、地上へと帰ってきた。時刻はもうすぐ夕方。今日のダンジョンはここまでにしておこう。


 帰り道でお夕飯のお稲荷さん+αをゲットして、部屋へと帰ってきた。


「んーっ、ふぅ。今日は充実した1日だったぁ。〈ステータス〉を確認しておこうっと」


――――――――――――――――――――

名前:前田明(まえだ あきら)

レベル:4(3UP)

HP:150/150(30UP)

MP:135/135(30UP)

所有スキル:〈槍術1〉、〈気配察知1〉

NEW! 〈隠密1〉、〈跳躍1〉、〈身体強化1〉、〈登攀1〉、〈軽業1〉、〈魔力操作1〉

転生特典スキル:〈変身(玉藻の前)〉、〈火魔法(狐火魔法)〉、〈鉄扇術〉、〈呪符〉

状態異常:なし

ダンジョン踏破証:Fランク、Eランク

――――――――――――――――――――


 レベルが4に上がって、HPとMPが30ずつ増えた。レベルが上がると身体能力も上がるので、どんどん上げていきたい。


 新たに生えたスキルは、合計で6つ。ふっふっふ、これがお狐様パワーだ。


 既存のスキルのレベルは上がっていなかった。槍――というより石突――もほとんど使わなかったし、気配察知もゴーレムを楽に倒せるとわかってからはあまり意識しなかった。


「これからは、生えてきたスキルのレベル上げもちゃんとやっていかないとね」


 いくらスキルが生えやすいと言っても、レベル1のままだと宝の持ち腐れだろう。何度もスキルを使えばスキルレベルは上がっていくので、がんばってレベリングしよう。


 そうすると、やはり難易度の高いダンジョンへ行きたい。というより強めのモンスターと戦いたい。強いモンスターとの戦闘はスキルレベルを上げるのに効率が良いとの統計がある。


「となると、Dランクダンジョン。あと防具を買わないとダメかな」


 自分の体を見下ろすと、やや膨らんだお胸様、じゃなくて、普段着のパーカー。防具はなし。


 Dランクダンジョンからは、攻略難易度がグッと高くなる。Eランクダンジョンまではチュートリアルで、Dランクからが本番なのだ。


 まずダンジョンの1階層が広くなる。Eランクまでは東京ドーム1個分といった広さだったのが、Dランクでは東京都の半分くらいにもなる。


 そして最奥も深くなる。20~30階くらいが多い。


 また、出てくるモンスターが、基本的に複数体のグループを形成するようになる。このグループはお互いをカバーし合っているので、1匹だけを釣りだすとかは難しい。


 このように、広い階層と複数のモンスターとの戦闘によって、Dランクダンジョンの攻略は一筋縄ではいかないのだ。


「たぶん防具が必要になることはないだろうけど、悪目立ちしちゃうのもね」


 おそらく獣人の身体能力を活かせば、攻撃をくらうことはほとんどないだろう。HPという保険もあるし、最悪防具なしでも大丈夫。


 けれど、防具無しのパーカー姿でDランクダンジョンに入るとなると、絶対に目立つ。それも“悪目立ち”だ。


「わざわざ注目を集めるのもね」


 明日はダンジョンをお休みして、お買い物だ。



    ◇    ◇    ◇



 冒険者用の武具を買おうとおもったら、一番はやっぱり冒険者協会のお店だ。


 実態は、協賛?提携?らしいけど、一消費者としては、安く買えればそれでいい。


 冒険者協会関東局のすぐ近くに、そのショッピングセンターはあった。


「おー、おっきい」


 武具の作製と購入、モンスター素材の売買、便利なダンジョングッズ店、飲食店、遊興施設、様々なサービスやお店が一体になったショッピングセンターが、ここ『東京アドヴェンチャーセンター』だ。


 今日は平日なのに、それでも結構な人がいる。武器を背負った人、金属製の防具を着けた人、大きなリュックを背負っている人、背景が現代的なお店じゃなかったら、完全にファンタジー世界の風景だ。


「まずは昨日の岩ダンで拾った魔石の換金。あとは優先度をつけて防具の購入をしなきゃ」


 岩ダン付近には買取カウンターがなかったので、今日ここで換金してもらう。ゴーレムの魔石は500円、ボスのロックゴーレムの魔石は1000円だ。


 合計16,500円。おー、関東局ダンジョンとは大違い。お稲荷さんが100個は余裕で食べれるぞ。


 次は防具の購入だ。


 一番優先度の高いのが、手袋。昨日槍を振ってて思ったんだけど、手袋はあった方が良い。床や壁に手をつくことも多いし。


 二番手はベスト。これは、防具を着けてますよという言い訳のための小物だ。防御力より機能性を重視したい。


 三番手はニーパッド。魔石を拾うときに膝をつくんだけど、着けてたサイハイソックスが汚れちゃって気になった。


 ここまでは必須に近い。それでここからは自由枠。


 四番手、ウエストポーチ。ベストの収納がいまいちだったとき用。

 五番手、ブーツ。好みのものがあれば。

 六番手、エルボーパッド。なんか動きにくそう。

 七番手、ゴーグル。ダンジョンによっては必須。

 八番手、マジックバッグ。お金が全然足りない。

 番外、ヘルメット。絶対に被りたくない。絶対に!


 買い物の方針は決まった。お店に突撃だ!

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