おじちゃんと私(六)

 おじちゃんの部屋に入ると、私はバッグを投げ出して、椅子に坐り、机に突っ伏して泣いた。

 どうしたんだいと、おじちゃんがおろおろした声で言った。

「おじちゃんに手伝ってもらったのがばれた。それは許してもらったけど、先生が担当しているクラスに、文章をプリントしてみんなに配るって。私もう嫌、学校行きたくない。死にたい。恥ずかしい」

 優秀作と一緒に、特別作としてプリントすることを岸田先生が口にしたとき、私は凍りつき、何とかやめてもらうようにお願いしたが駄目だった。「これはおまえの叔父さんへのご褒美で、おまえへの罰だ」とのことであった。厳しい先生だ。

 泣きつづけている私に対して、まあ、そうなってしまったものはしかたないじゃないかと、どこかうれしそうにおじちゃんが言った。

 「半分はおじちゃんのせいじゃない。なんとかしてよ」と私が怒鳴ると、おじちゃんは体を丸めて、水槽の隅に隠れてしまった。

 宿題を自分でやらないおまえが悪い。それに、いまのおいちゃんにはどうすることもできないよ、まあ、変身がとけても、いまさらどうすることもできないけどと、おじちゃんが答えた。

 「役立たずのマッカチン」と再度怒鳴ってから、私は鞄を引っ掴んで、部屋を出た。その際にドアを勢いよく閉じたので、バアバが心配して、様子を見に来た。私はバアバに「何でもない」と言いながら、家へ帰った。

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