おじちゃんと私(六)
おじちゃんの部屋に入ると、私はバッグを投げ出して、椅子に坐り、机に突っ伏して泣いた。
どうしたんだいと、おじちゃんがおろおろした声で言った。
「おじちゃんに手伝ってもらったのがばれた。それは許してもらったけど、先生が担当しているクラスに、文章をプリントしてみんなに配るって。私もう嫌、学校行きたくない。死にたい。恥ずかしい」
優秀作と一緒に、特別作としてプリントすることを岸田先生が口にしたとき、私は凍りつき、何とかやめてもらうようにお願いしたが駄目だった。「これはおまえの叔父さんへのご褒美で、おまえへの罰だ」とのことであった。厳しい先生だ。
泣きつづけている私に対して、まあ、そうなってしまったものはしかたないじゃないかと、どこかうれしそうにおじちゃんが言った。
「半分はおじちゃんのせいじゃない。なんとかしてよ」と私が怒鳴ると、おじちゃんは体を丸めて、水槽の隅に隠れてしまった。
宿題を自分でやらないおまえが悪い。それに、いまのおいちゃんにはどうすることもできないよ、まあ、変身がとけても、いまさらどうすることもできないけどと、おじちゃんが答えた。
「役立たずのマッカチン」と再度怒鳴ってから、私は鞄を引っ掴んで、部屋を出た。その際にドアを勢いよく閉じたので、バアバが心配して、様子を見に来た。私はバアバに「何でもない」と言いながら、家へ帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます