第107話 猫派のケルニクス
ザラム公国内を移動中、もうそろそろでレイシス王国という場所で休憩を取っていると、一人の通行人が俺の方に近づいてきた。
「ケルニクス殿。お伝えしたい事が……」
「あ。シノビの人か」
身形はそこらの旅人だが、雰囲気でなんとなく分かった。
どうやらザラム公国内で活動しているシノビが接触してきたようだ。
「その……大変申し上げにくいのですが……あまり目立った行動を御控え頂くよう……他国の間諜の目もあります故…………」
「え? そんなに目立っていたかなぁ?」
どうやら悪目立ちしていたようで、シノビの人に苦言を呈された。
(でも、今回は焼き討ちもしていないし……まぁ、馬鹿領主を一人ゼッチューしちゃったけどさぁ……)
後は……皆と歌いながら越境したくらい?
うん、実に穏便な旅だ。
「分かった。この調子で目立たないよう努力するよ」
「………………あ、はい」
今の間はなんだろう?
「……ごほん。ところで例の賊ですが、どうやらレイシス国内の北部、この先の国境を超えた近くの山岳地帯を中心に活動中のようです」
「おお!? マジか! 結構近いな! 詳しい場所は分かる?」
「申し訳ありません。連中は獣人です。五感が優れているので、我々でも迂闊に近づくと察知されてしまうので……」
なるほど。シノビでも探るのが難しい相手か……これは手強い!
「分かった。じゃあ、こちらが獲物だと相手に認識させれば、逆に向こうからやって来るかな?」
「……なるほど。その可能性は高そうです。それと……例の剣ですが、相当危険なようです。ご注意ください」
「ああ、サンキューな」
シノビは俺に一通りの情報を伝えるとそのまま去って行った。
シノビと入れ替わるようにイヴレフが話しかけてきた。
「今のはパラデインの間者か? 随分と気配を殺すのが上手そうだな」
「ま、そんなとこ」
この件に片が付けばイヴレフは俺たちの仲間となる。シノビの存在を教えても問題無いだろう。
「この先、山岳地帯にドルニャンが……!」
「あれ?今の 話、聞こえていたの?」
「俺たち犬族の獣人もそれなりに耳が良い。ヤマネコ山賊団も鼻や耳が相当効くからな。不意打ちはほぼ不可能だろう」
「そうか……。イヴレフは自分の手でドルニャンを討ちたい?」
「…………いや、出来ればという思いはなくもないが、それよりも奴を仕留める事の方が先決だな」
「分かった。チャンスがあれば俺が斬るし、イヴレフに任せるかもしれない。俺の目的はドルニャンというより、奴が持っている剣の回収だからな」
シノビも魂魄剣に気を付けるよう忠告していたが、具体的にどういう能力かまでは告げていなかった。知っていれば間違いなくこちらに伝えただろうし、恐らくシノビでもその詳細までは分からなかったのだ。
余計な情報を与えて先入観を持たれる方が危険だと判断したに違いない。
「そういえば、奴の剣が目的だと言っていたが……まさか神器なのか?」
「あれ? そういえばまだ話してなかったっけ? ドルニャンが持っている剣は“魂魄剣”って言って――――」
「「「――――魂魄剣!?」」」
その名を聞いたポーラやイヴレフたちは驚いていた。
「伝説の三神剣ではないか!? あの魔剣が何故ドルニャンの手に!?」
「ちょっと! そんな危険な奴に勝てるの!?」
どうやら三神剣の名は伊達では無いようだ。
逆に俺は質問してみた。
「イヴレフやポーラたちは“魂魄剣”について何か知っているのか?」
「…………いや、対人最強の剣というくらいにしか……」
「呪われた剣ってくらいかしら? そう言われれば、はっきりとは知らないわねぇ」
誰もその剣の詳細は知らない。それでも恐れられる魔剣、か……
「ヤバそうなら逃げるさ。イヴレフには悪いが、その時は一旦体勢を立て直してから策を練ろう」
「むぅ……まぁ、目的を果たせず朽ち果てるよりかはマシだろうが……」
良かった。どうやらイヴレフは復讐第一で周囲が見えなくなるようなタイプではないようだ。
その日、俺たちは国境手前の街で一泊し、翌朝早くにレイシス王国入りをした。
レイシス王国
ザラム公国の南に面している王制の国である。
沿岸部もあり、漁業なども盛んな国だ。
レイシスの北部にはザラムだけでなく、コーデッカ王国も隣接している。コーデッカとは海産物の交易などを行なっているそうだが、近年では隣国との戦争状態の為、安全な貿易路を確保できず、そちらが滞っている状況らしい。
コーデッカとはある意味盟友であり、多少の支援なども受けているようだが、情勢は未だ宜しくない。
レイシスの東隣には、リューンの属国であるジオランド農業国がある。そちらも油断ならない国だが、今レイシスが一番問題視しているのは西隣にあるカウダン商業国の方である。
そのカウダン商業国がレイシス王国と戦争を行なっているのだ。
(戦争してない平和な国ってこの世界にあんのかよ!?)
この大陸、乱世過ぎる……
レイシスにはもう一か国、隣接している国がある。
その名もナニャーニャ連邦――――舌を噛みそうな名前だが、ここは獣人小国家の集合体でもある巨大国家だ。
ナニャーニャ連邦辺りから西側は大陸中部という扱いになり、中部地方にはウの国やミュス王国、イヴニス共和国などが存在する。
エルフの森があるのも大陸中部だ。
その大陸中部で最大勢力だと謳われているのがナニャーニャ連邦であった。
ナニャーニャ連邦の成り立ちは古く、血盟期と呼ばれる種族間戦争時代から存在していた。
その当時は小国家群というより、各部族の集まりといった感じだ。
人族と獣人連合vsエルフとドワーフ連合の大戦真っ只中で、獣人同士の結束を徐々に高めていった結果、今の連邦が生まれたらしい。
種族間戦争は人族と獣人族側が勝利を収め、ナニャーニャ連邦は更に強大な国家群へと成長を遂げた。
そして獣人たちは人族とも頻繁に交流するようになり、その内に彼らの真似事をするようになってきた。その筆頭が貴族制である。
獣人たちにも元々、王に似た部族の長は存在していたし、上下身分などもあったが曖昧であった。
それが貴族制を正式採用したことにより、法的にも今まで以上に身分の差を重んじられるようになってきた。そうなると、特権階級を持つ一部の愚か者は調子に乗り、親から継いだだけの権力を笠に着て己の欲望を満たし続けた。
平民たちはそれに対抗するべく、義賊を結成する。まぁ、言い方を変えると金持ちや貴族を狙った山賊や盗賊などである。獣人は人族よりも行動力があり、身体能力に優れた者も非常に多い。頭で考えるより先に行動に移す者が多かったのだ。
その中の一つがヤマネコ山賊団であった。
「ヤマネコ山賊団は結成当初、間違いなく義賊の類であったと聞いている。リーダーであるライオスは弱きを助け強きをくじく……正にそのような行動を取っていた」
「ふむふむ」
だが……とイヴレフは話を続けた。
「暫くしてからヤマネコ山賊団の活動に変化が見られた。これまで連邦内の悪徳貴族を対象に活動していたのが、徐々に外へと進出するようになり、人族を襲い始めたんだ」
「それは……人族の悪徳領主を……て意味か?」
俺の言葉にイヴレフは首を横に振るった。
「全く関係ない人族の村々も襲われた。それと同時に連邦内の悪徳貴族の粛清も行われ続けていたが……何人かは善政を敷いていた獣人貴族までも連中に殺された」
「え?」
獣人第一主義なのかと思いきやそうではなく、悪党が許せないのかと思ったがそうでもない。どうもヤマネコ山賊団は中期頃になると、その活動方針があやふやになっているようだ。
「思えば、その頃辺りからドルニャンが暗躍していたのかもしれない。中期頃になると、ヤマネコ山賊団にはある黒い噂が流れるようになったんだ」
「黒い噂?」
「実は奴らのバックには連邦政府がおり、連邦の意にそぐわない者は平民、貴族と関係なく山賊団が処刑しているのだと……」
「ええ!?」
その話が本当なら、ヤマネコ山賊団は義賊から何時の間にか、政府お抱えのヒットマンにジョブチェンジしていたという訳か。
「実際に山賊や盗賊を起用して邪魔な異分子を排除するやり方を連邦の貴族たちは好んで使っている。俺たちも何度か後ろ暗い話を持ち掛けられた。そんな依頼、ベルク団長が全て断ったがな」
ベルク団長……まだイヴレフが“蒼のハウンド”を結成する前の“蒼狼の牙”時代の話か。
「すると不思議なことに、断った数日後には必ず、山賊や盗賊の襲撃が起こるんだ。まぁ、全員返り討ちにしてやったがな」
「ひぇえ……連邦おっかない……」
ポーラが蒼褪めながら横で話を聞いていた。
「うむむ、獣人の社会も色々とあるんだなぁ……」
「まあな。今回、ドルニャンたちが活動を再開したのも、政府か貴族の後ろ盾があるからじゃないかと俺は睨んでいる」
「どっかのお偉いさんがドルニャンに“魂魄剣”を渡したってことか?」
「ああ」
なるほど……伝説の魔剣だもんな。そう簡単に個人が入手できる代物ではないか……
「あ! あれが例の山岳地帯じゃない?」
ポーラの声に俺は正面遠くを見た。
道の先に大きな山が幾つも見えてきた。その麓には街が見える。
通りすがった商人からの情報だと、その街から先は獣道くらいしかないそうで、魔獣や亜人、山賊どもの棲み処となって、近づく者はいないらしい。
俺たちは山の麓の街で一泊し、翌朝山岳地帯へと踏み込んだ。
ポーラには街でお留守番をしてもらう。ここから先は馬だと厳しいので、イヴレフたちも俺と一緒に徒歩で向かった。
ヤマネコ山賊団を探して山の中をうろついていると、イヴレフの部下が山村を発見したと報告にやってきた。
「こんな場所に村が?」
「ええ。しかも村人、既に全員死んでおりました」
「まさか……ドルニャンたちか?」
「そこまでは……しかし、どうにも奇妙なんです」
「「奇妙……?」」
俺とイヴレフは揃って首を傾げた。
「ええ、村人たちの死体……やけに綺麗なんですよ。半分以上は全く出血せずに死んでいるんです」
「まさか伝染病とかじゃないよな?」
「いえ、そんな感じではなかったですが……」
とにかく一度見てみようと、俺たちはその村まで駆けつけた。
村に到着すると異臭が酷かった。死体が野晒しなので腐っているのだろう。
中には獣に死体を喰われている惨い状態のものもあったが……それ以外はなるほど、確かに綺麗な状態であった。
(特に斬られたり刺されたような痕跡も無い……神術などによる外傷も無し、か…………ん?)
いや、僅かにだがかすり傷があった。
本当に小さく、何処かで擦りむいたんじゃないかというような傷だが……それが妙に気になった。
よくよく観察すると、綺麗な状態の死体には必ず同じような小さい傷があるのだ。これは一体……?
俺はその事実をイヴレフたちに説明すると、彼らもそれを不思議そうに見ていた。
「確かに……肌が露出している手首や首筋などに小さな傷が必ずあるな」
「こいつは……刃物で何者かが付けた傷ですぜ!」
「まさか毒か?」
「いや、傷口に変化はないし、村人たちも苦しんで死んだような跡も無い。これは毒じゃあ無いなぁ……」
歴戦の傭兵たちは物珍しそうに死体を調べていた。そこら辺は俺よりも経験豊富である。
しかし、死体と小さな刃物の傷、かぁ……
「…………魂魄剣は対生物の剣だって聞いたが……まさか、かすり傷だけで死ぬ能力……なんてことはないよな?」
「「「――――っ!?」」」
俺が嫌な予想を立てるとイヴレフたちは息を呑んだ。
「馬鹿な!? それほどの神器が存在していいのか!?」
「いや、でも神器なら……しかも伝説の魔剣ならあり得るぞ!」
「そんなの相手に、どうやって勝てばいいんだよ!?」
傭兵たちが慄いているが、俺は逆に安堵していた。
(対生物の魔剣……相対しただけで死亡、なんて出鱈目な性能じゃなくて助かったぜ)
少しでも斬られたら不味いのであれば、斬られなければ良いのだ。
相手に近づかないように攻撃するとか、全身を鎧で覆うなど、方法はある。
(ま、相手は凄腕闘気使いって話だし、一瞬で間合いを詰めてくるかもね。神器の剣じゃあ、そこらの鎧も貫通するかもだけど……)
後は……俺が天然の転生者で、神器特効があるのだと信じるしかあるまい。
どの道、村人全員を虐殺するような輩に、そんな危険な魔剣を持たせる訳にはいかない。一刻も早く剣を回収せねば……
「ドルニャンが現れたら俺が対応する。イヴレフたちは他の邪魔者を排除してくれ」
「それは構わないが……相当危険だぞ?」
「それは最初から分かっていた事だし、本当に危なかったら逃げる」
「……分かった。我々はサポートに徹しよう」
イヴレフも今の団員たちを危険に晒してまで敵討ちに拘っていない様子だ。感心、感心。
それから半日かけて山を捜索し、そろそろ日が暮れそうなので何処かで夜営準備に取り掛かろうと思っていたタイミングで、それはやってきた。
「団長! 四時の方向に何かが複数、空から飛んで来る!」
「団長! あっちから何者かが集団で近づいているぞ!」
「え!? え!?」
「なに!?」
報せは二カ所の方向から、ほぼ同時にやってきた。
一人は木に登って周囲を見張っていた男で、東の空から複数の影がこちらに接近しているのを察知して叫んでいた。
もう片方は周囲の偵察に出ていた男で、西の方向から集団で接近する存在を察知して駆けつけて来ていたのだ。
「まさか……挟撃!?」
「いや、空からの来訪者はドルニャンたちでは無い筈……少なくとも、前のヤマネコ山賊団に鳥族の者などいなかった! いや、詮索は後だ! まずは急いで火を消せ!!」
「お、おう!」
慌てて傭兵たちは焚火を消した。
丁度タイミング悪く、晩飯の準備で火を使っていたのだ。
「団長、もう遅い! 空の連中、完全にこっちを目指して飛んで来てるぞ! 居場所がバレちまった!」
「しまった! 煙で捕捉されてしまったか! 迂闊……っ!」
「団長、西からの集団も、すぐそこまで迫っていやがる!」
「ぐっ……!」
不測の事態に、これにはさすがのイヴレフも判断に迷ったが、それも一瞬だけであった。
「六班と七班は空の来訪者への対応! 残りは全員、地上から来る者を迎え撃つ! 距離を十分に取れ!」
「「「了解!」」」
俺はとりあえず地上から来る者に集中した。そちらの方が若干、到着が早そうだったからだ。
俺たちが迎撃態勢を取ると、すぐにその集団は現れた。
「ん? 人族と……獣人? 同胞が一杯だニャ」
「あいつは……っ!」
俺の隣にいるイヴレフがギリっと歯ぎしりを立てながらその者の姿を見ていた。
イヴレフの表情を横目でチラリと見て確信した。
(猫族の獣人、イヴレフの反応……間違いない! こいつがドルニャンだ!)
何よりも奴が右手に持っている剣、あれは尋常ではない。以前、俺が砕いてやった熊の御仁の白の籠手……“護身双手”と言ったか? あれよりもオーラのようなモノを感じる。
「獲物が居ると聞いてやって来たけれど……にゃんでこんな山奥に同胞が一杯いるのかにゃ?」
「ぐっ! 我々を……覚えていないのか!?」
「……ニャ?」
どうやらイヴレフたちの顔は覚えられてすらいなかったようだ。
「団長! 不味いぜ! ありゃあリューンの飛竜騎士団だ!」
「なんだと!?」
「飛竜騎士団!?」
(おいおい……なんでこんなタイミングで、そんなビッグネームが二つ同時に来ちゃうの!?)
ハードモードさんが本領発揮してきたようだ。帰れ!!
一方、ドルニャンたちも飛竜騎士団の襲来に驚いているようだ。
「飛竜騎士団!? にゃんでそんにゃ連中が!?」
「お頭、こいつらの言っていることは、どうやら本当のようですぜ!」
ドルニャンの部下らしき猿族の男が木に登って確認し報告していた。
「お前ら! まさか……リューンに雇われた傭兵団かニャ!」
「なんだと!」
勘違いしたドルニャンたちは一斉に武器を構えた。
(ヤバい……さすがの俺もこの挟撃は厳しい……!)
まさに前門の猫、後門の竜である…………あれ? 虎と狼だっけ?
(……あ、そうだ!)
良い事を思いついた!
俺は久しぶりに脳内にある詐欺師スイッチを入れた。
「ドルニャンお頭! それは誤解です! 俺たちは飛竜騎士団が迫ってきている事を報せる為に、わざわざお頭を探してここまで来たんです!」
「にゃんと!?」
「なっ……!?」
ドルニャンとイヴレフが二人同時に驚いている。
(イヴレフぅ……口裏合わせろよぉ……!)
俺は横にいるイヴレフに必死に目で訴えながらドルニャンへと話し掛けた。
「リューン王国はドルニャンお頭の命を狙ってるんです! 俺たちはそれをいち早く伝え、お頭の部下になる為にここまで来たんですよ!」
「…………嘘くさいニャ! そもそも、にゃんでリューンが俺様を狙うニャ? あと、お前! なんでわざわざ部下になりに来たニャ?」
まぁ、そうだよねぇ! 全くの嘘だからねぇ!
(ええい! 押し通せ! 俺ならやれる!!)
「そ……その剣ですよ。それ、“魂魄剣”ですよね?」
「ニャニャ!?」
自分の持つ神器の正体を言い当てられたドルニャンは更に警戒していた。
(ここだ! ここで一気に嘘を畳みかける!)
「連中もその剣を狙っているんですよ! お頭から魂魄剣を奪うつもりなんです! だから、こんな山奥にわざわざ、精鋭である飛竜騎士団を派遣したんですよ!」
「……お前はなんでそんな事を知ってるニャ?」
「最初に奪還命令を受けたのが俺たちだからです。でも、俺たちはリューン王国に怨みがありましてねぇ。それならいっそドルニャンお頭の下に付いた方が良いと思ったんですよ! あと俺、猫派だし!!」
「――――っ!?」
俺が猫派だと伝えると横にいるイブレフがショックを受けていた。
(そこ、そんなに大事!?)
「……………………」
ドルニャンは暫く黙ったまま俺の事を疑るように観察していた。
(ぐぅ、こいつ……良く見ると猫族でもぶっさいくだし生意気そうな面だなぁ……可愛げねぇ…………)
俺が猫派なのだけは事実だが、この機に犬派へ鞍替えしたい気分になってきた。
「…………信じるニャ! お前、家来にしてやるニャ!」
「お? おおっ! ありがとうございます、お頭ァ!!」
やったー! 作戦成功だ!
これで一時的にヤマネコ山賊団は仲間となり、俺たちは共闘という形でリューンの飛竜騎士団を相手に出来る。
(この猫助がぁ! 後で背後から奇襲してギッタンギッタンにしてやるぜ!)
今の俺は王国元帥ではなく傭兵ケルニクス。勝てばよかろうの精神なのだ。
俺は腹黒い事を考えながらドルニャンへと近づいた。
「さぁ! 一緒にリューンの奴らを蹴散らしましょう!」
「……やだニャ。空飛んでるのを相手するのは面倒だニャ。代わりに家来のお前が戦うニャ」
「え? ええ…………」
そんにゃ馬鹿にゃ!?
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