第96話 ヨアバルグ要塞へ行こう!
俺は奥にそびえ立つヨアバルグ要塞を指差し、あそこで休もうと提案する。
しかし、隣で戦っていたイブキに鼻で笑われた。
「何を馬鹿な……宿屋じゃないんだぞ!? あそこは敵の本拠地だ! 休める筈ないだろ!!」
「え? だって屋内だし……何処かの部屋にでも立て籠もって、交代で戦闘すれば、多少は休めないかな?」
少なくとも、このまま全員雑魚の相手をさせられ続けるよりかはマシだと思ったのだが……
「いや……案外アリだな!」
「雑魚の相手はつまらない上に面倒で仕方ないね! 私もケリーの案に賛成だよ!」
「流石は師匠!」
「しょ、正気か……!?」
イブキ以外のほとんどが賛同をし始めた。
慌てたイブキは兄セイシュウの方に目を向けた。
「ふむ、一見大胆なようで理に適っている。屋内戦なら相手の数の利も減らせる上に、こちらも周囲に気を遣わず正面の相手に集中できる」
「あ、兄上まで!?」
反対1票、他多数が賛成で、俺たちはヨアバルグ要塞内への侵入を試みることにした。
しかし、すぐに問題が生じた。
「この敵陣の奥に強そうな連中が控えていやがるな」
「……そのようですね」
相手も馬鹿ではない。
今俺たちが戦っている場所は要塞前の開けた場所だが、その更に奥には敵の精鋭と思われる強そうな部隊と、同業者っぽい装いの傭兵たち十数名が待機していた。
ここからだと姿まではハッキリと見えないが、それでも尋常ではない相手というのが読み取れるくらいの風格を持ち合わせていた。
「あんな隠し玉を用意していやがったのか……!」
「流石にこの疲労した状態であれを突破するのは難しいぞ?」
「ほら見ろ! やはり無謀だったんだ! 敵の要塞で休むとか……馬鹿か!」
イブキが勝ち誇ったような顔つきで俺たちの方を見た。
一方、妹に馬鹿だと言われたシスコンセイシュウは膝をついて落ち込んでいた。
あのぉ……今はそれどころじゃないんで、兄妹共々働いてくれませんかね?
「ど、どうします!?」
「むむむ……」
俺は雑魚兵を相手にしながら考えた。
やはり一度引くべきだろうか?
(んー、このままイブキにドヤ顔されるのも癪だしなぁ……ん?)
俺はふと疑問に思った。
「……連中、なんで黙って立ったまま襲い掛かって来ないんだ?」
「どうせ……俺たちが消耗するのを待ってんだろ! ふん!」
「せこい連中だねぇ……おらぁ!!」
エドガーとシェラミーはさも当然といった風に答えた。
(なるほどね。俺たちと正面切って戦う自信が無い故の行動か……)
今の段階で連中が手を出しても味方の帝国兵が邪魔になるのだろう。きっと頃合いで兵を引き上げさせ、入れ替わる形で精鋭部隊が前線に出てくるに違いない。
よく見ると要塞外壁に設けられている高所には、先ほどとは別の神術士や弓士らしき砲兵も控えていた。しかし、その砲兵たちも同じく待機状態であった。この乱戦だと味方を誤射する恐れがあるので、きっと前線の歩兵部隊を下げさせたタイミングで上から射撃を行うのだろう。
これ以上時間を掛けると、いよいよこちらは危険な状況に追い込まれてしまう。
(そうはいくかよ!)
俺は一つ悪知恵を浮かんだ。
戦闘が始まって一時間以上が経過した。
「混戦状態で、ここからだと状況がよく見えんな……」
「やはりメービン元帥自らが戦場に赴かなくても……。一度要塞に戻られては?」
副官の提案に私は首を横に振るった。
「いや、私は戦場に出てこそ活きるタイプの将校だ。細かい戦況報告は要塞上階にいる観測士に任せてある。そうだな?」
私はタイミング良く定時報告に訪れた伝令兵に尋ねた。
「ハッ! 連中は人海戦術が効いているようで、動きもだいぶ鈍っているとの報告です!」
「ふふ、もうそろそろ頃合いか……。いや、油断は禁物か。疲れているふりをしているだけかもしれん。犠牲になる兵には申し訳ないが、あと少し時間を掛けてから一気に……!」
そう思っていた私だが、戦場に僅かな違和感を覚えた。それは長年戦場に立ってきた者にだけ感じ取られる本当に僅かな違和感であった。
その違和感は徐々に確信へと変わっていった。
(……なんだ? 前線が……近づいているのか?)
別にこちらの陣が突破されたのでも、ましてや私が後退指示を出したのでもない。しかし、確実に戦場の中心はこちらに近づいていたのだ。
「おい! すぐに要塞上階にいる観測士に確認させろ! 前線が下がってきているぞ!」
「え? ハッ! 了解しました!」
慌てて伝令兵が去っていく。次の定時連絡を待っている場合ではないので、今来たばかりの兵士を急いで向かわせた。
「まさか一万を超す軍が十人足らずの敵兵に押されているというのですか!?」
「あり得ない話では無いが……それにしては妙なのだ」
味方の陣形を見るも、別に一部の箇所が引いているのではなく、全体が後退しているように感じられる。
少数の超精鋭部隊が大軍にぶち当たる場合、大体は一点突破を図られ陣が乱れる。そしてその箇所から敵が突き出てくる訳だが、今回はそうではないようだ。
まさか相手に臆して全軍が引き始めているのではないかと疑ったが、私はそれをすぐに否定した。
(一部の兵士なら兎も角、私の軍はそんな柔ではない。兵を引かせるにしても、士官たちには要塞側に後退するのではなく、横へ引くようにと命令してある。一体これは何事か!?)
過去の戦で体験したことの無い味方の動きに私が戸惑っていると、ようやく伝令が戻ってきた。観測士から戦況を伺ったのであろう。
「どうだ? 前線では一体何が起こっている!? 我が軍は相手の猛攻に押されているのか!?」
「い、いえ。それが……『味方は善戦している』とのことです!」
「「…………はぁ!?」」
思わぬ観測士からの伝令に、私と副官が揃って戸惑いの声を上げた。
「み、味方が善戦しているのならば、何故自陣が後退しているのか!?」
呆けている私に代わり、副官が尋ねた。
「相手は疲労困憊なのか、逃げに徹し始めているようです! 味方の兵にもほとんど被害が出なくなり、我が兵たちは敵傭兵団と大将ケルニクスを討ち取ろうと追撃している際中のようです」
「なんだと!?」
全く意味が分からない。何故、敵を追っているのに要塞側に後退しているのか。
(いや……そうではないのか!)
「まさか……ケルニクスとその一味は、要塞方面に逃げようとしているのか!?」
「ハッ! その通りであります!」
それならば説明が付く。
しかし、連中は一体何を考えているのだ。まさか、あまりの疲労と混戦に方向感覚を失ったのだろうか。
十分あり得る事ではあるのだが……私の第六感がそうではないと告げていた。
「まずい! すぐに兵を引かせろ! 撤退指示を出せ!」
「え? しかし、このままいけば勝てそうですが…………いえ、分かりました!」
副官も伝令兵も困惑していたが、元帥である私の命令は絶対だ。すぐに予定していた撤退の合図を出したが、我が兵士たちは横へ引くどころか、むしろ要塞に近づいて更に下がり続けていた。
「ちぃ!? やはりそういう手で来たか!」
「ど、どういうことです!? 元帥!!」
「これが連中の作戦だ! 逃げる振りをして味方の兵士ごと要塞方面に引き付けて、どさくさに紛れてこちらに襲い掛かる戦法だ!」
「なんと!?」
目標である傭兵団が弱り始め、逃げるようになったら兵士たちはどうするだろうか?
当然、追うに決まっている。相手は大将首なのだ。討ち取れれば昇格間違い無しの功績だ。例え相手が要塞方面に逃げようとも、功を欲する兵士たちはそれを追い続けるだろう。勝っているのだから、撤退する方がおかしいのだと錯覚を起こす。
だが実際は、相手の演技に騙され戦線を下げているに過ぎない。
遅れて出した撤退の合図だが、目の前に極上の獲物がある為、傭兵団たちから離れる兵士は少なかった。
我々はまんまと騙されたのだ。
俺が即席で考案した“弱った振りして要塞にエスケープ作戦”は今のところ順調であった。
「いいか、帝国兵を倒すんじゃないぞ! 適当にお相手して生かし、俺たちは逃げる振りをするんだ!」
「了解、ボス!」
「ちぃ! 柄じゃないねぇ……!」
「シェラミーの姉御! グーパンでも、そんな強く殴ったら相手は死んじまいますぜ!」
このまま群がる兵士たちを馬鹿正直に倒し続けてもキリがなく、かといって一点突破すれば敵砲兵の集中砲火に加え、精鋭部隊が待ち構えている状況だ。
だったら、この雑魚兵どもを肉盾として利用し続けながら、そのまま要塞方面に殴り込めばいいじゃない!
しかし、連中が大人しくこちらの都合通りに動いてくれるとは限らない。そこで俺たちは一芝居打ったのだ。
相手を極力殺さないよう手を抜き、更にこちらが弱りつつあり、要塞方面に逃げようとする素振りを見せるのだ。
相手はその罠にまんまと引っ掛かり、俺たちを討つチャンスだと錯覚し、軍全体が要塞方面へと移動し続けていた。
(クシシッ! いいぞぉ! このまま要塞までご案内してもらおうか!)
こちらが弱っているのは本当だが、それでも一般兵に後れを取るほどではない。まだ多少の余力がある内に要塞内へと浸入しておきたい。
「おい。相手が撤退の合図を出したみたいだぞ」
「む、敵兵の動きが鈍りましたね」
どうやら相手も馬鹿では無いらしい。こちらの意図を見抜かれたか?
「もう要塞はかなり近い! こっからはスピード勝負だ!」
「一気に駆け抜けるぞ!」
俺の合図で
地上の奥にいる精鋭隊らしき連中も味方が邪魔をして、こちらの位置を捕捉できていないようだ。俺たちは少し迂回する形で要塞へと接近する。
「陣を抜けるぞ!」
「上から砲撃が来る! 警戒しろよ!」
俺たちが帝国兵たちの人垣から抜け出した瞬間、まずは弓の雨が降り注いできた。
「こんな矢など!」
「効かん!」
要塞上部にある高所は高さがあり、これだけ距離があれば矢に籠めた闘気も維持できなくなるのだ。フェル級の腕前なら兎も角、このレベルの弓士による狙撃なら放置で問題ないだろう。
しかし、神術士はそうはいかなかった。
俺たち前衛の闘気使いにとって厄介なのは、何時だって神術士の方だ。
「上、二時の方向! 強い神術士の気配!」
神術士であるイブキがいち早く相手の魔力に反応したのか警告を発した。
「させるか!」
俺は射程と速度重視の【
「ぎゃああああっ!!」
それは爆発するタイプの神術弾だったようで、至近距離で誘爆された神術士は自らの砲撃の犠牲となった。
俺の他に【
そうこうしている内に、俺たちは要塞外壁まで辿り着いた。
「どうやって侵入する!」
「門に体当たりするか!?」
「お前は馬鹿か!? この要塞の門は王都並みの強度だよ! 学習しな!」
シェラミーに怒られた脳筋エドガーはシュンとした。
「馬鹿だなぁ、エドガー君は。門が駄目なら壁を破壊すればいいじゃない! そりゃあ!」
俺は双剣を抜き、全力で外壁に斬りつけたが、破壊こそ成功したものの、貫通にまでは至らなかった。
「む!」
「無駄だ。この要塞の外壁はかなり分厚いらしい。通り抜けるには時間が要るよ!」
「ワハハッ! お前も脳筋じゃねえか!」
「ぐぬぬぬっ!」
まさかエドガーと同類とは……
「しかし、シェラミー殿は随分とここの要塞に詳しいのだな」
セイシュウの言葉にシェラミーは顔をしかめた。
「ああ。私は元々、帝国お抱えの傭兵だったからねぇ……」
そういえばそうだった。その設定、すっかり忘れていたよ。
「おい! 今はそんな場合では無いぞ! あの部隊がこっちに向かっている!」
イブキの言葉に俺たちはハッとなる。
遠くから敵集団が駆けつけていた。一般兵とは違った武装の帝国兵一個中隊と、十数名の傭兵らしき団体のお出ましだ。
その傭兵の姿を見たシェラミーは声を発した。
「あいつらは……!? まさかグリーンフォースか!?」
「グリーンフォース!? あいつらが噂の
シェラミーの言葉にエドガーが目を見開いた。
そのグリーンフォース傭兵団の中にいる一人の男が遠くから大声を響かせた。
「シェラミー! 久しぶりだなぁ! お前が帝国に牙を向くとは……予想外、ではないな!」
「アデル! アンタらは帝国から足抜けして、今回は参戦しないと思っていたんだが……面白い!!」
あのアデルという人物は相当な闘気使いと見た。
他にもヤバそうなのが傭兵団の中に四名、帝国兵に二名ほど混じっていた。
「おい、シェラミー」
「ちっ! 分かってるよ……」
エドガーの短い言葉にシェラミーは頷いた。
流石の狂犬シェラミーもこの場で戦うのは拙いと考えたようだ。万全な状態なら兎も角、今の俺たちは全員かなり消耗していたからだ。
俺は腰のポーチに装備した投擲用のナイフを複数取り出し、闘気を籠めて要塞外壁に次々と投げつけた。それらは斜め等間隔に、まるで階段になるように突き刺さっていった。
(このくらいの足場があれば、ここに居るメンバーなら全員上れるだろう)
「俺が殿を務める! 先に行け!」
俺の言葉に団員メンバーたちは一瞬躊躇するも、副団長であるエドガーが一喝した。
「お前ら、団長の命令だ! ソーカ! まずはお前が先に行って上の連中を蹴散らしてこい!」
「は、はい!」
身軽なソーカが外壁に突き刺さったナイフの柄を足場に、要塞上へと移動していく。それを見た相手は、そうはさせまいと一斉に動き出した。
「逃がすな! 追え!」
「通さねえよ!」
俺はしゃがんで地面の砂利を握ると、それらの一つ一つに軽く闘気を籠めて相手の足下に投げつけた。
「なにぃ!?」
「ちぃ! 小癪な真似を……!」
俺の簡易散弾は敵集団の手前に着弾し、土埃を撒き散らして視界を奪った。
「今の内だ!」
「急げ!」
セイシュウにエドガー、シェラミーの手下たちの順で、要塞の上へと登っていく。その先では既にソーカが大暴れしているらしく、上から攻撃は飛んでこなかった。
「イブキにシェラミーも急げ!」
「私は足場などなくても……これくらい造作もない!」
さすがにシノビ衆の一員だけあってイブキは身軽であった。俺の即席ナイフ階段を使わずあっという間に要塞外壁を登っていく。
「ケリー! あの中に女傭兵がいただろう? アイツの攻撃は射程距離がある! 注意しな!」
「? おう! 分かった!」
シェラミーが謎の警告を残して要塞を登り始めた。
あとは俺も撤退するかと思った矢先、土煙の向こう側から迫りくる影を捉えた。
「――っ!?」
思った以上のスピードに俺は避け切れずに左腕を被弾する。
(なんだ、今の攻撃は!? 何を受けた!?)
相手の闘気から察するに、こちらとの距離はまだまだあった筈だが、急に闘気を纏った何かが俺に襲い掛かってきたのだ。長く細い何かだと思うのだが、よく見えなかった。こちらが巻き上げた砂埃を逆に利用されてしまったか。
(左腕は……なんとか動かせるな)
剣を強く握ると激痛が走るが、動かせるのなら問題無し!
俺は今度こそ逃げる為に一本目のナイフ階段に足を掛けたが、その直後――ようやく収まりそうな土埃の中から一人の巨漢が猛スピードで突き抜けてきた。
「うお!? 熊!?」
それは熊族の獣人であった。
その熊族の傭兵は両腕に真っ白なガントレットを装着しており、俺の居る場所を殴りつけようとしていた。
慌てて俺は二本目のナイフ階段へと飛び移り、その直後――俺の突き刺したナイフは壁ごと破壊された。
「マジか!?」
三本目のナイフ階段に移動しながら俺は、その光景を見て驚いていた。
(あのパンチの威力……俺以上じゃね?)
いくら消耗していると言っても、先ほど俺が全力で斬りつけた要塞の外壁を、あの熊さんはそれ以上に破壊して見せたのだ。恐るべきパワーの持ち主である。
(今の状態では絶対に相手したくない!)
俺は急いで上に駆けのぼっていると、熊さんも二本目のナイフまで跳躍してこちらを追ってきた。
「熊さんだから木登りも上手ってか!?」
「熊さんではない! 拙僧は熊族の傭兵、ハインベアーだ!」
巨体の割に随分身軽であった。俺の用意したナイフ階段を利用してこちらを追って来る。
(こいつを上まで連れて行くと厄介だな!)
しかも敵は熊さんだけは無かった。
地上から迫りくる脅威を俺は感じ取った。
(さっきのか!? 風斬り!)
闘気を感じた方向へ咄嗟に【風斬り】を放った。
闘気を籠めた“何か”を切断するまでには至らなかったが、その軌道を変えたようで俺に向かってくることは無かった。
「あれは……鞭か!?」
そこで漸く俺は、先ほど左腕に受けた攻撃の謎を察した。
「ちぃ! 今のは一体何だい!」
地上では鞭を持った女傭兵が悪態を付いていた。あの鞭に闘気を流し込んで威力を上げていたのだろう。
どうやら彼女がシェラミーの言っていた射程のある女傭兵みたいだ。
相手もこちらの【風斬り】で鞭の軌道をずらされたので、逸れた原因が分からず困惑しているようだ。
正体さえ分かれば鞭の方はそこまで脅威ではないが、問題は熊の御仁だ。
「あばよ! ハイハイベアーさん!」
「ハインベアーだ!!」
俺は熊さんが丁度ナイフ階段に足を掛ける直前に、【風斬り】でそのナイフを斬り落とした。
「ぐぬっ!?」
急に足場を失った熊さんはそのまま地上へと真っ逆さまに落ちるも、瞬時に態勢を整え綺麗に着地した。
(うわぁ、フィジカル超たけぇ……)
あれはヤバそうだ。例えこちらが万全状態でも手古摺りそうな強者だ。
「シェラミー!! そのまま尻尾撒いて逃げる気かい? “紅蓮”様も堕ちぶれたもんだねぇ!!」
鞭使いの女傭兵が大声で煽ると、挑発に乗ったシェラミーが青筋を立てながら姿を見せた。
「随分強気になったじゃないか、チェーテ! アンタ如き、私の敵じゃないよ!!」
再び地上に戻らん勢いのシェラミーに慌てた手下A、B、Cたちは、無理やり彼女を要塞内部へと運ぼうとした。
「お前たち、何を!? ええい、どさくさに何処を触ってるんだい!」
「いてぇ!?」
「暴れるからっすよ!」
「姉御! ここは一先ず引きましょう!」
俺たちは暴れるシェラミーを強引に連れて、ようやくヨアバルグ要塞の中へと侵入した。
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