こどもであっておとなになって
Pumo
Episode1.天命を受けた少女
「興味がないことにはとことん無関心な子ね」
私はこの言葉を幾度となく浴びせられてきた。しかし、よく考えてほしい。
人間誰しも同じなのではないか、と。
関心がない分野について自ら興味を向けようとする行為は並大抵の意欲がある人でない限り難しい。もしくはその分野を学ぶことで利を得られることが原動力としてある人だけしかできないであろう。
あたかもその言葉を被ってきた私ばかりが冷たい人間なんだ、と言われることが非常に不愉快であり不快であった。
日出真見(ひのでまみ)は、冷たくかじかんでしまった自分の手に、自分の吐息を吹きかけ温める。
私はこの当然にする行動にいつも感心を抱く。手を温めるためにする吐息と何か熱いものを冷ます際にする吐息。同じ吐息であるのにその吐息は真反対に作用する。この吐息の原理は昔テレビの誰かが言っていたのを覚えている。確か、息の吐き方でまわりの空気の巻き込み方が違うということだったはずだが、そんなことはどうでもいい。日本中の誰しもがその原理を知らずに行っていることが面白いのだ。
では、世界中ではどうなんだろうか。はたまた宇宙のどこかで存在する生物も同じなのだろうか。環境が全く異なる場合この行動は成立しないのか。
見てみたい。
インターネット上で世界中の情報が手に入るためそこで聞けばいいじゃないとそう反論してくる人もいるだろう。だがそうじゃない。そういうことじゃないんだ。
そう考えているうちに目的地であった、四国のとある峠、見渡す限り絶景が広がるその場所にたどり着いた。風が冷たく立春とは名ばかりの季節だ。
時刻は14:58。
「今頃みんなは6限の途中かな」
十分にその絶景を味わったところで暗くなる前に帰り着くよう帰路についた。
こどもであっておとなになって Pumo @kyrn7pmns
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