第50話 エピローグ:後藤桃

 ルカっちのスピーチを聞きながら、私、後藤桃は不安に押しつぶされそうになっていた。ルカっちのランクインは心から祝福していた。二期生より上のランクイン、本当に立派だ。彼女の努力が実ったと言える。センターも取り返せるだろう。


 それに対し、私の方は未だランクインしていない。私は速報30位。去年の私の順位23位はとうに過ぎ、既に17位まで発表が終わっている。私より速報上位にランクインしたKIPメンバーは全員出てしまった。普通に考えれば、私は圏外と言うことになる。


 速報直後には冗談めかして言ってたけど、それが現実のものとなろうとしていた。私は総選挙で認められたメンバーだ。去年の23位で、一気に仕事も人気も増えた。私はKIPで一番人気のメンバー。そう思っていたけど、もし総選挙圏外になってしまったら、それも全て終わってしまう。いったい、私はどうなってしまうのだろう。


 そんなことを考えているうちに、16位からの2nd選抜の発表が始まった。15位、14位…。やはり私の名前は呼ばれない。耐えられなくて目を閉じたとき、突如、私の名前が呼ばれた。


『13位 KIP 後藤桃!』


 はっとして私は立ち上がった。入ってた。それも13位! KIP最上位だ。良かった。まだ、私の物語は続くんだ。


 ルカっちが「おめでとう!」と私に手を振っているのが見えた。ルカっち、ありがとう。私たち、一期生2人でKIPの上位に立つことができたね。KIPはこれで変わるんだ。


(第一部完)

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彼女がセンターに立つ理由 uruu @leapday

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