第3話 ジャンクフード

蕎麦屋のランチから1週間、麦谷は、前日の休日地上波で、

流れた、ジャンクフードのCMを視て麦谷は、


「(美味しそう、あのCMの三段ミートパテ、しかも、どれも肉厚だったなぁ~

幸いにも、このCMで流れた会社のフランチャイズ店舗は、私の勤務先のビルの1階のテナントに入っていたなぁ、よし、今日の昼飯は、それにしよう、そうと決まれば)」


麦谷は、昼休みに入ると、急いで、自分の部署を出て、エレベターホールに財布とiPhoneを持ってエレベーターを待っていた。


「あれ?麦ちゃん、今日は、一人でランチ?珍しいね?」


「あっ、雫先輩、お疲れ様です、今日は、石沢課長と巣鴨先輩は、

二人それぞれ、各出張に行ってまして、今日は、久しぶりに一人でのランチです」


声をかけてきたのは、麦谷と同じ部署の女性の先輩だ、因みに、麦谷も女性である。


「そう言えば、石沢課長は、4泊の出張で北国の方に、

巣鴨は、今日から、2泊で南の方だっけ?

麦ちゃんは、営業回りだったよね?契約取れた?」


「継続案件ですが、なんとか、1件取れましたよ、雫先輩は、

ひょっとして、バーガーでランチですか?」


麦谷の質問に雫先輩は。


「ハズレ!アタシは、今日は、ピザの気分だから、Dピザ屋に取りに行くところ、

ネットで予約しておいたんだよ、麦ちゃんもアプリ入れてみたら?」


「後で、教えて下さいよ、あっ、来ましたよ」


二人は、エレベーターに乗り、降下するエレベーターで、雫先輩から、

ピザ屋のアプリを教えてもらい、インストールしてる間に1階に着き、

二人は、満員のエレベーターを出て、

それぞれの目的の店を目指して小走りで向かった。


「いらっしゃいませ、お決まりでしたら、どうぞ」


「Lサイズ4段パテ、Lコーラ、ポテトLセットのお客様」


「(うゎぁ~、そこそこ、混んでいる、昨日CMの影響か~)」


麦谷は、レジ待ちの列に並び、順番が来るのを待っていた。


「お待たせしました。お次のお客様どうぞ」


「あっ、はい(ようやく、順番が来たよ~)」


「お決まりでしたら、どうぞ」


麦谷は、無事に注文を終えて、品物を受け取り、自分のデスクに戻って行った。


エレベーター待ちをしていると。


「あれ?麦ちゃんもデスクに戻って食べるの?」


「あっ、雫先輩もですか?、先輩は、ピザは、何にしました?

私は、Lサイズ3段チーズとパテとコーラLとポテトLのセットです」


「おっ、その小っこい身体に良く入るね~?」


「はい、石沢課長と巣鴨先輩に鍛えられました」


「あぁ~、あの二人は、けっこう、食べるから、小食の人は、大変だよ」


「はい、最初は、食ハラって思っていました、

けど、外回りに行くとめちゃくちゃお腹が減って、

巣鴨先輩と同じ量をいつの間にか、食べれる様になりました」


「その時、巣鴨から、何か言われたことって覚えてる?」


「確か、言われたのは?「俺達、営業は、体が資本だ、小食の人は、契約も取りにくいしアポも取りにくい、それは、貧相に見えるからだ、

貧相に見えれば、自信が無いと思われて次に繋がらないどころか、

言葉にも現れ、アポを取りにくいサイクルに陥る、いいか

営業は、割腹が良く、それでいて、常に健康的で、自信に満ちあふれている声を好む、男女関係無い、分かったら、頼んだ料理、残さず食い切れ、アレルギーが、有るなら別だ」て言われて、巣鴨先輩と石沢課長と一緒にランチを過ごしていたら、

いつの間にか、食べれる様になりました、後、契約もとれ始めました」


「麦ちゃん、それ、普通にパワハラに当たる行為だよ、柳部長《やなぎぶちょう

》に言えば良かったのに」


「確かに今だとパワハラですね~、でも、巣鴨先輩の行為には、愛を感じましたので、目をつむりました、でも、おかげで成績が伸びてきて、

一概にパワハラ認定をするのは違うかなって思っていました」


「あいつとは、同期だから、後で、説教しとくね、

でも、確かに麦ちゃん、成績伸びてきているから、部長に言ったとしても、

成果が出ているから、厳重注意だけで済むね、麦ちゃんは、まねして実行しちゃダメよ」


「まねをするなら、石沢課長のまねをしますよ」


「確かに、その方が、良いわよ」


二人は、エレベーターに乗り二人っきりのエレベーター内で話している間にフロアに到着してそれぞれのデスクに戻ってランチを楽しんだ。



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