NTRTA(ネトラレタイムアタック)⑧別れやら新しい恋に進むのは早く!より速く!

〘午後05時01分10秒 散華発見から確保〙


「むたろおおおお!!♥はッ早くぅ!♥むたムググ!?」


 とりあえず散華らしき口しか出てないサイバーくノ一の口を手で塞ぐ。


「よし、母さんちょっと部屋から出てくれ。」


「え?アンタ何を?まぁ良いわ…仲良くね…」


 母さんを部屋から出した。まるで思春期の学生だ。


「無太郎!?何を!?まさか?♥」


 もう分からないじゃん?

 分からない事が多すぎて、何にもついていけなくて、だから決断だけは疾くする。

 間違えたら最速でやり直せば良い。

 最近、余りにも常識から外れてる、だから…

 

 だからやっちゃう訳だよ。それが正しいかなんて関係無い。

 強いて言うなら各世と同棲してた家で、散華とはしたくない。だから実家、実家?いや、エロい事したいだけだ。

 

 

「無太郎!わ、私は無太郎の事…無太郎のキスムグゥ!?♥ムハっ!?♥」


 散華の口を黙らす陽に、貪る様にキスする…というか口しか生身部分が出ていないから。

 散華は舌を伸ばしながら身体を巻きつける様に、甘える動物の様に身体を擦り付けてくる。

 腰の上あたりまであるコルセットの様な物から太もものサイハイブーツまで、腰から太ももは紫か焦げ茶っぽい薄手のタイツみたいな生地で、確か…


―アソコの部分、目茶苦茶伸びるし外から水分通さないから避妊出来るよ―


 タツさんの余計な情報を思い出して、キスしながらそのまま挿れた。


「ん゙♥ング♥厶!?♥ムダムグ!?♥ん゙あ!?♥ん゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!?♥おほおおおおとと!?」


〘午後06時30分10秒 散華とした〙


 考えれば俺は浮気発覚してからすぐ他の女に手を出している、世間的に見れば悪いだ。


 しかし…各世に裏切られたと最初は深い悲しみに襲われている様な気がしたが、何故か途中から散華に興奮していた…何だろうな。


 俺は今、そこまでショックを受けていない。

 多分、ショックを受けているならそもそも散華が迎えに来た時に逃げている。

 俺は今流行りのNTR【寝取られ】愛好家なのだろうか?

 そんな訳ねーだろ…1人ツッコミをしながら現実逃避をしていた。


 何故、現実逃避をするのか?それは浮気されていたからではない。

 俺は今、やっちまったからだ。


 …散華が多分、途中で失神したんだろうな、俺がイク直前で。


 そしたらね、タイツ部分が破けて無くなっていって、ただの生入れになった訳ですよ。

 断面図があったらもう袋みたいな奥にドバーっと入った感じ?


「え?うそ?」


 ついつい、いってしまったね、俺は心の底から驚いたね、本当に驚くと思ったより言葉が少ないし普通の事を言う。

 それに俺、結構ビビリだから。


 今までにしっかりゴムしてきた人間が、いきなり生になったらどう思う?居酒屋じゃねえんだ、とりあえず生なんて言わせねぇぞ?

 全く、明るい家族破壊計画とでも言うのだろうか?

 

「まぁ…良いか…散華とだったら別に…結婚しようか?散華。」


 気絶している散華に向かって言ってみたが、ヘンテコなバイザーと首から腕まで包むエナメル生地、太ももまであるブーツだけ、つまり痴女散華は気絶して返事をしない。


「良し、返事が無い。次は各世と別れよう、順番目茶苦茶だけど」


 とりあえず電話した、元婚約者の各世に。


「出た出た、各世?お前、何やってんの?いまどこ?」


「犬山…病院…もう全部知ってるよね…式に根多さんが来たって言ってたから…貴哉ね…意識が…もう…」


「ああ…そう、じゃあ聞いた通りだわ、とにかくもうハッキリさせよう。これ以上グダグダしてても誰も望んで無い、得をしない。お前と別れる。それで良いだろう?直接言ったほうが良いか?」


「何で…世界は…こんなに残酷何だろうね…無太郎みたいに…皆なれないんだよ…」


 会話しろよテメー…とは言わない。

 

「じゃあ犬山病院な、すぐ行くわちょっと待ってろ」


「え?…プーップーッ


 感傷なんて消えちまった。感情はフラットだ。

 いつだってそうだった。散華とエロい事して分かってしまった。

 各世とずっと一緒に居るから忘れちまった。

 空気として漂う毎日、俺はいつだって自分を殺し、こんなもんだと思っていた。

 変なものが見えたり聞こえたり、不自然な事も受け入れた。各世もこんな俺を受け入れてくれてると感謝していた。

 そして、何があってもこれが大人になる事だと、我慢の積み重ねで、我慢が溜まったら壊れるから我慢しないように、見ないようにして、気付けば何も思わなくなった。

 皆が…好き勝手やるからしょうがないだろう?


 だが、もし家庭が出来たら、きっと細やかな幸せを見つけ生きていけるんじゃないかと思ったり。


 なんてな、それも、もう終わり。


 還すべき物…結婚指輪だ。誓いを奉て、生きる事を目指した。それが全部無くなった。


「ま、待て!無太!無太郎!…無太郎…」


 感情無く病院にケリをつけに行こうとしたら、布団に寝かせていた散華が、起きて俺を服を掴んでフラフラと近付いてきた。

 

「今日は危険日じゃないから、大丈夫だと思う。でも、中に出す時は言ってほしいな…いや、別に言いんだけどね♥」


 今の散華の発言で被害者ぶって各世と別れを告げようと思ったが、急に自分が加害者側になってしまった。


 すると急にふすまから覗いていたと思われるタツさんが声をかけてくる。


「散華、オレのお前に対する全責任を無太郎に譲渡する。要は結婚式みたいなアレ、誓いだ。つまり散華肉奴隷許可証を発行した…今後何か面倒が起きたら無太郎が責任を取る。いちいち警察に行くのとか、謝りに行くのとかの責任…分かったか?」


 いや、急展開やめてよ。

 分からないが?マジで肉奴隷とか言ってんの?この日本で?後、責任強調し過ぎ…


「母さん…そこまで………うん、分かった。私、無太郎の肉奴隷になる。そう、無太郎は主君、絶対の忠誠…もう過ちは繰り返さない為に…」


「そうだ、過ちを繰り返す事に命をかけた我が娘、散華!そう言って無太郎の元で過ちを繰り返し続けると良い!大丈夫、無太郎は許すタイプ、ざまぁは無い」


 会話になってないしやめてくれ、今のだと色恋沙汰以外の過ちが絶対あるだろ… 

 …違う違う、各世の所に行かないと…


「んじゃ、とりあえず俺、何か貴哉が入院してるとか言う犬山病院に行ってくるわ、確か犬山病院だったかな」


「何で!?主様!その様な者は捨て置けい!」


 散華は口調が目茶苦茶だ、最後は主従関係が逆転した。


「散華、今まで通りの口調でお願いします。犬山病院に各世がいるんだよ。だから話を…」


「はい…っていきなりNTR!?ど、奴隷だから強く言えないけどいきなりそれは…どうなの?かな?」


「違うよ、別れるんだよ、ちゃんとな。各世とは」


 本当にこの親子はNTRって好きな?寝取られなのか、寝取りなのか知らんけどさ。どっちもか。


「分かった…無太郎の心も身体も私が守る!絶対だ!無太郎防衛!散華の使命!」


 何か韻を踏んで騒ぐ散華を他所に俺は準備をした。

 変なバイザーとかが消え、全裸になった散華。

 

「お義母さん!洋服を貸してもらえませんか!?」


 いきなり姑に服を借りる嫁候補の散華。

 タツさんが何やら満足そうに笑いながら言った。


「お前の母、ヨッチャンイカはオレの幼馴染が『友達とはジュースを買ってくる事、ヒロも喜ぶ』と言って、オレは騙されついつい買いに行きそうになった所で『それはただのパシリだよ』と教えてくれたいいヤツだ。その血をお前もひいている筈だ。我が娘、散華は武術が強い以外、能が無い。それも無太郎がいないと発揮できなくなった。娘を任せたぞ!」


 この人が馬鹿で、それを散華が血を引いてるのが良く分かった。

 その散華は何か軽めのワンピースに羽織物、普通の…まぁ親世代の格好だな…

 

「良し、無太郎!行こう…で、確認なんだけどさ…私…彼女って事で良いんだよね?」


「え?」


 今更何を言ってるんだろう、この人は…急にさっきのが恥ずかしくなってきた…


「そうだな、婚約者だ。お前さえ良ければね、さっきプロポーズしたから」


「え?何でぇ!?聞いてないよ!?覚えてない!何で私は何も覚えてないの!?展開が速すぎる!お願い!もう一回!」


 展開が速いのはお前のせいだよ…無視して外に出る、車に乗ろうとすると助手席のドアを開けられた。


「さぁ無太郎!乗って!」


「イヤです、俺が運転する。」


「何でぇ!?」


 うるさいなぁ散華は…だけど…こんな感じ…悪くない。生きている感じがする。

 とりあえず散華を助手席に乗せて発進するが…


「何だろう…無太郎…私、嫌な予感がする…」


「頼むからめんどくさそうなフラグを立てないでくれ」


 そして病院…犬山病院という大病院に着いたが…あぁ、嫌な予感、合ってるよ…


 俺は何となく気配がする方に行く、受付はまるでもう一回来たみたいな態度で入ると何も言われなかった。

 しかしこの感じ…いつものやつだし…

 薄暗い夕方の病院…間もなく面会時間も終わりだ。

 そしてこの気配…俺は電気の消えている廊下、多目的トイレの前に行く。

 ここは本来、診察を行う棟なんだろうな…診察時間過ぎているから常夜灯みたいなもんだけで薄暗い。

 そこに暗いモヤがかかってる…あぁそういう事…


――私が…やっていた事は間違えていた…でも…もう遅いから…――


「でも、それは違うって中学の時に言ったよな?」


――だって無太郎が見えないから…見えてる景色は闇だけ――


「そんな事聞いてんじゃないんだ、は迷惑しかかけないなら、謝るぐらいならやめろって言ってんだよ」


「無太郎!?」


 急に散華がさっきの変身ヒロインみたいなかっこうになり多目的トイレのドアを開けた。

 そこには俺が見た事ある何かがぶら下がっていた





※これはラブコメです

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