各世①〜過去話は短くまとめたいNTRTA(タイムアタック)

 貴哉と一緒にラブホから出たら、私の幼馴染であり、婚約をしている無太郎が飛び出してきた。

 そしてそのまま奇声をあげ車に乗って去っていった。


 『見つかった!?』と思ったけれど、同時に『とうとう見つかったか』…と言う気持ちもあった。

 

 無太郎…付き合ってからはいつも優しくて、だけど何となく浮世離れしてる仲の良い、幼馴染。

 幼稚園から小学校にかけては感情を出さないとかで自閉症の診断が出ていたそうだ。


 でも、幼稚園の時に良く遊んでいたし、小学校に入ってからは私の家から学校に行く途中にあったので無太郎の家に寄ってから学校に行く。

 いつもお姉さんぶってたけど手のかからない弟みたいな感じだった。


 貴哉…ウチと無太郎の家の間にあるアパートに住むもう一人の幼馴染。

 スポーツが得意でいつだって弱音を吐いて、泣いてしまう。無太郎と違い真っすぐで明るくて…だけど私に寄り掛かる…でもそれが、私はとてつもなく嬉しかった。


 私が面倒を見る無太郎、私を頼る貴哉、聞き上手な無太郎に喋り続ける貴哉、そんな関係…どちらも大事な幼馴染で、中学生までずっと関係が続いた。

 ある日、幼馴染3人と繋がりが切れていなかった私は、クラスの女子に聞かれた。


「ねぇ?どっちと、付き合っているの?もしも付き合ってないとしたら…どっちが好きなの?」


 中学生によくある恋バナと言う奴だ。

 男として、どちらが好きかと言えば、正直どちらもそんな感情は無かった。

 ただ、貴哉はサッカー部で人気があって、無太郎は帰宅部でぼーっとしているが、実は顔が良いと影で人気があった。


 ただ、運動部の人気者よりは顔が良いだけで、クラスカーストにも入っていない無太郎の方が騒ぎが大きくならないと思って『無太郎かなぁ』とだけ言った。


 そして中学2年の夏、無太郎が私を襲ったと言う噂が流れた。

 私は聞かれる度に『違うよ』と言ったが無太郎の評判は最悪になった。


 私自身も悪目立ちしたくなかったのもあって聞かれたら否定する程度だったけど…今度は後輩を脅し強姦まがいの事をしたという噂も流れた。

 流石に自分の事はともかく後輩の女の子なので、無太郎にしてないよね?と聞くと『する訳無いじゃん』と、貴哉も『そんな噂がほっとけよ』と無太郎に言っていた。


 職員室に私との件も合わせて呼ばれたようだが、証拠も何も無い為、話し合いだけになった。

 が…その時の態度が問題で私立の推薦か受けれなくなる程、教師との関係が悪くなったと後から聞いた。


 一人目は私だったので私が違うと言っている時点で無太郎の中では納得したそうだ。

 ただ、二人目の後輩は誰が誰かわからず、教師も限定はしたが匿名を希望しているから教えられないと言った。


『馬鹿らしい、被害者だったら何やっても良いんかよ。良いからその後輩の名前教えて下さいよ。その後輩に会えるか聞いて下さいよ、会いたがってるって』


 それは無太郎らしく無い言葉だった。

 無太郎にとって何かとても良くない部分を刺激したらしく珍しくイライラしていた。

 無太郎はこの事があってか、余計、人に無関心になった。

 

 いつも面倒を見ていた無太郎…私達には優しく接するが本当に周りに興味が無くなっていた。


『無太郎…ごめんね…何だか力になれなくて…それに最初の発端はもしかしたら付き合うならどっちって質問で無太郎って言ったからかも』


『いやいや、各世は俺の無罪を晴らしてくれたし質問に答えただけだろ?それに貴哉と一緒に庇ってくれただろ?それ以外の奴は皆、俺が襲ったって思ってんだろうけど各世と貴哉がそう思ってないならそれで良いよ』


 信頼しきった目で見られた私は…噂通りにしてしまえば良いと思って…そして無太郎が背負ってる重荷が少しでも軽くなれば良いなと思って…


『私と無太郎って付き合ってるって噂知ってる?だったらさ、いっそ付き合っちゃおうか?』


『えぇ?本当に!?嬉しいけど本当にいいの?正直、もう、各世と以外付き合える気がしなかったんだよ!嬉しいな!』


 無太郎は快く返事をしてくれた。

 遠巻きに消去法で付き合う事になった感じだけど…それでもそこから高校も同じ公立高校に入り、恋人として思い出を積み重ね始めていた。

  

 しかし中学3年の最後…無太郎を冤罪騒ぎにしたその後輩が自殺したと聞いた。

 虐め、受験、思春期、様々なモノが重なったんだろう。遺書にはそのような内容が書いてあった。


 その中に無太郎の事も書いてあった…死ぬ理由の一つに迷惑をかけた先輩…その先輩が会いたがっていたが逃げた、謝罪が出来なかった自分の後悔を…


 後輩の両親はその事で詫びたいと言って無太郎と会いたがった…無太郎は別に良いですけど…と言って会いに行ったが…そこで無太郎はまたやった。

 

『謝罪なんて要らねーのに…死んでも俺に迷惑かけるなんて最悪だな、人生お疲れ様って伝えて下さい』


 他にも何か言ったらしいが、結局相手の親に殴られたらしい…殴るなら呼ぶなよと濁った目で言っていた。 

 無太郎の言い分は噂を流した奴も同罪だろと言いたかっただけらしいが…


 正直、この時について行けないと思った。

 子供が自殺した親は、そんなもの望んでいない。

 かける言葉がみつからなかった。

 余りに他人の感情、悲しみへの興味がなさ過ぎると。

 それに対人関係の線引が苛烈過ぎる。


 そんな事もあり、付き合いながらも距離を取った。

 クラスが違っていたのもあるが、私達は付き合っているのか何なのか分からない距離感だった。

 それでも付き合い続けたのは、私が居なくなったら彼は一人になる、というある意味傲慢な考えがあった事、また距離のある付き合いについても無太郎がそれを良しとしたからだ。

 その事もあってか高校も同じ高校に行く事を特に深く考えていなかった。


 そして中学を卒業間近に控えた時、貴哉が怪我でサッカーが出来なくなった。

 高校ではサッカーが出来ない、クラブチームのチームメイトに申し訳無い、皆が優しい言葉をかけてくれるのに不甲斐ないと泣いていた。


 無太郎は貴哉に『お前のせいじゃないよ』と言っていたが、例の件があったせいか興味が無さそうに見えた。


 私も流されやすいと言われるが、それでも…相手を慮る気持ち、貴哉の感情や行動が普通で、無太郎の感情や行動は異常なんだと思った。

 目の前で悲しんでいる人がいるから慰める。感情で動く事の何が悪いんだろう。

 無太郎が変わったのをきっかけに余計強く思う様になった私は…貴哉を慰め続け本当は私の事が好きだったと言う好意の感情、言葉を受け入れ、その悲しみも受け入れた。


 感情のある愛は違う、極彩色の様な色があった。

 貴哉は色んな私を見ようする。私しか見えていない様に愛してくれる。私との関係を進め、結局、高校入学前に初めてを貴哉とした。

 それでもこれは不貞だ、いつか無太郎にバレる時が来る。

 その時は言おうと思った。私は貴方の景色とは違うと。




 しかし、そんな日は訪れなかった…


 高校1年では3人とも同じ学校に入り、中学の時の噂が悪い形で広まった。

 強姦をごまかして死に追い詰めたと言う極悪人の設定になっている無太郎は孤立していた。

 フォローしようにも無太郎から折れる気は全く無く、聞かれたら違うよとだけ言っていた。


 高校2年の時には私達の間に更に2人の登場人物が入ったからだ。



 今川啓太君と言うクラスカースト上位の家がお金持ちで明るいクラスメイト。何やらファッションモデルとかもやっていて芸能界に顔が効くらしい。


 それと1年の時から無太郎と仲の良い、この娘も家族が地元で何やら派手な人で、本人も運動が凄い出来るらしくクラスで人気者の根多散華さんと言う

 

 ある日、今川君に言われた。


『各世さんさ、高梨(無太郎)君と付き合ってるのに貴哉とも遊んでいるでしょ?そういうの良いよね、自由な感じで俺は好きよ?』


 バレた…と思うと同時に私は何となく…学校の有名人に話しかけられて浮かれていたんだと思う。

 感情のままに生きる事、安心と恋愛は違う事、当時思っていた事を話した。

 

『やっぱり思っていた通りだよ!素晴らしい考えだと思うよ俺は!そういう考えはさ、俺らの世界では当たり前なんだけど、どうも普通の人はね、嫌がるんだよ』


 俺等の世界…大人の世界なんだろうなぁ…手放しに褒められて浮かれて、もしかしたらお酒も飲んでしまったかも知れない…私は何回か会っているうちに今川君とシテしまった。

 

 罪悪感なのか分からないけど、勢いで無太郎ともセックスをした、無太郎は私が始めてかどうか聞いてこなかった。

 そういう所もおかしいと思っていたが、何処かで無太郎とは何でも許される場所、空気の様な存在という意識が私を麻痺させた。 


 それに今川君には不思議な魅力があった。

 何だか、今川君なら良いかなと思わせる何かがあった。

 『不思議だよね』と話したら人を見る目があるだけだと言っていた。


 ある日、貴哉と今川君と3人で会った。

 気付けば貴哉は今川君の腰巾着の様になっていた。私も気付けば今川君の女の1人になっていた。


『散華さんも俺等と同じだと思うんだよねぇ、だからさ…』


 今川君が不思議な事を言い出した。


 浮気とまで行かなくて良い。ただ、貴哉君と一緒にいるだけだと、鈍感な無太郎君は気付かないだろうと、だから各世ちゃんと自分が一緒にいる所を無太郎君と散華さんがいる時に見せたいと言った。


 何の意味があるのか分からなかったが今川君がそうするというならやってみようと思った。

 都合良く、無太郎はどんな反応するのか知りたいという自分の中で言い訳をして。




 パァアアアアアアンッ!


『アンタ!高梨(無太郎)がいるのに何やってんのよっ!今川も分かってんのっ!?』


 結果は散々だった。私は頭の骨にヒビが入った。

 でも、自分のやっている三股が発覚するのが嫌で散華さんの家族が謝りに来たけど私が悪いと言った。今川君と一緒にいて勘違いさせるような事したって言った。

 もちろん、貴哉の事は隠して…

 でも、流石に色々と不味いと思い、今川君とは距離を取った。今川君も納得している感じだった。


 でも、私と無太郎の距離は縮まった気がした。

 無太郎がちゃんと傷付いていて、私も心が苦しかったから。

 何だか安心した、何も考えていない化物に見えていたのが嘘みたいだった。

 


 それから何となく…無太郎といっしょにいるのが楽しくなり、恋人らしいデートを重ねた。

 でも、たまに貴哉と会う。そんな毎日が続いた。


 そして大学に入った、無太郎とは違う大学だ。

 結局高校時代は貴哉との事はバレなかった。


 少し変化があるとすれば、何だか散華さんと無太郎は未だに会って話しているらしい。

 でも別にどっちでも良かった。無太郎と何かあったとしても、それは私も同じだから。

 そして私の行っている大学の学部から数段上の偏差値の別の学部に、今川君がいた。


 貴哉君はフリーターになって、ファミレスで就職出来そうだと行っていた。


 無太郎は今でも貴哉も信じている、ずっと裏切られている事を知らず。

 でも私にとってこれが理想の関係だった。

 そんな関係のまま、大学2年のあたりで同棲を始めた。

 恋愛を貴哉と、同棲し帰る家に無太郎がいる。

 私は贅沢かも知れないけど、言い方を変えれば二股だけど、何が悪いのだろうと思う時もある。

 私達は幼馴染、一緒にいたいから。

 だけど無太郎は嫌がるだろう、どうすれば良いんだろう。


 説得するにしても散華さんが、邪魔なんだけど…あの人怖いんだよなぁと思っていたら、偶然今川君と会った。


「そういうのが当たり前って思えれば良いんだよ。例えば他の大学行ってても、ウチのサークル入れるからさ、無太郎君も入って貰えば良いんじゃない?ちなみに貴哉も出入りしてるんだよ」


「でも、また散華さんに邪魔されるかも知れないよ?」


「散華ちゃんとは仲直りしたから平気だよ!無太郎君も入れば入るだろうし、皆で楽しくやろうよ!」


 前回の事もあったので少し不安だったが今川君が絶対に大丈夫と言うので、私はその考えにのった。

 同じ大学なので、先に私が、入る事になったが…


 ……………結局、サークルはヤリサーだった。


 ヤリサーと言っても、普通に学校内の部室では無い、将来が必ず約束された人達が集うホテルでのパーティー、貴哉君や私達の様な一般人が参加出来ない様なサークルだ。

 人によっては、コネを作りたい人種は誘われれば喜んで入るだろう。

 私はそれでも少し嫌な予感はしていた。

 そして入らざる得ない一言をサークルのメンバーに言われる。


「志村さんのお父さんってSHIMURAプランナーの社長だよね?ウチの親とも取引しててさ、何か運命感じるよね」


 その人の親が役員をしている会社は誰しもが知る大企業。

 明らかに含みがある、つまり私は逃げられない。

 

 私はエッチな事をするなら無太郎や貴哉が良い、しかし貴哉は他の女としていた。

 別に…誰とやるのも嫌ではないし、誰とやろうと文句は無い。性に対する感覚はそれぞれだと思う。

 ただ、こんな世界でも無太郎は入ってくれるかな…もし来たら3人で一緒になれるなと思った。


 そして色んな人とする、変わる変わる男、男、男。

 別に、心は壊れない。無太郎と一緒の家に帰るからだ。貴哉としていた時と何も違わない。

 最近は無太郎と同棲している家で貴哉としている。勿論、無太郎ともする。

 ピルを飲む、無太郎はピルの事を良く分かって無いから、たまにゴムをする。

 そんな無太郎が可愛くて仕方がない。

 



 サークルに入ってから一ヶ月程経った頃…

 いつ無太郎を誘えば良いのかな、それを聞こうと思った。

 最近、今川君も見なくなっていたが…。


「やぁ皆!今日は記念すべき日だ!あの最強の遺伝子、根多散華が私達のサークルに入るぞ!」


 いつものホテル、パーティールームで今川君が久しぶりに来た。

 その横には根多散華…散華さんが立っていた。

 

「楽しそうだね?ここでやるの?♥」


「あぁ、記念だから、俺と君とのこれから、そのパーティーだよ。」


 腰から背中に手を回し、胸を掴みながら今川君が散華さんを引き寄せる。

 そのまま舌を絡める様なキスをした。


「んう♥んはぁ♥凄い♥これが♥」


「そうだよ、これが…」


 2人で壇上でお互いを弄りながらキスしてる…あぁ、散華さんも入ったんだ…だったら無太郎も入って…


 その瞬間…


 今川君が背中からトラックに轢かれるみたいに前に吹き飛んだ。

 同時に特殊部隊みたいな格好をした狐面を被った人達が飛ぶように四方に散った。

 壇上で呆然とする散華さん。

 ツカツカと少し年上?の1人の女性が散華さんに近付き…


  パァアアアアアアンッ


「散華!アンタッ!タツヒロがあんなになってんのにッ!!何やってんだよ!!!」


 女性が思っきり振りかぶってビンタした。


 散華さんは首の角度が変わっただけだが、顔が何ていうか、この世の終わりみたいな顔になっている。


 そして、吐いた…吐きながら頭を抱えていた。

 


 何だろう、何が起きているんだろう?

 私はこの時の事を夢だと思っている。

 


 壇上には先程の散華さんをビンタした普通の格好をした女性。


 それに今川家君を蹴り飛ばした黒い外套を被った様な人。


 茶色と血のような赤黒い猫を模した変な特殊部隊の人達と同じ様な格好の人…背中から何本もケーブルのような物が付いている。


 同じ様な感じだがナースっぽいモチーフの格好の女の人、計四人が立っていた。


 あまりの事に今も会話を覚えている。


「メグミさん、汚染は何人?」


「居ないですね、散華ちゃんだけです」


「ああ、そう。後よろしくね…散華、意味わかったら家に帰ってきな。父さんと母さんにはお姉ちゃん…私から教えて貰ったって言え。お姉ちゃんから怒られたって、今回は目をつぶるから…反省しな」


 普通の格好の人、とナース服の人は去っていた。

 赤黒い格好の人が言った。


「ナインテイルズ、全員来い…」


 今度は狐面の人達が赤黒い格好の人達の前に集まる。


「引退した私に恥かかせやがってっ!お前ら解散だっ!!」


 がゴォっ グシャ ドゴォッ ガンッ


 赤黒い人が集まった狐面の人達を殴る蹴るしている。それを黙って受け入れる狐面の人達。


 今度は黒い外套の人が大きめの声で脅迫をする、しかし被せるように赤黒い服を着た人が言った。

 

「クソ共、お前らの既得権益何か知らん。でかい顔しても我々はお前らの遥か上だ。同じ事やったら殺しに行く、覚えてお「甘いんだよアンテェンッ!ナインテイルズも!今川だか定満千山の血筋も!こいつ等参加者も全員同罪だ!散華ぇ゙!お前もな!!」


 狐面の人達をボコボコにしたと思ったら、散華さんを蹴り飛ばした。

 怯えた様に頭を抱え「ごめんなさい」を繰り返す散華さん。

 赤黒い人が今度はパーティーに参加している人達の鼻に細い管が自然に入ったと思ったら何かを噴射して気絶させるのをやり始めた…


「ネコ、やり過ぎだぁよ…」


「はぁ!?口出すな!創設したのは私なんだよ!それがこんなゴミ共に裏取られやがって!お前等全員当分飯食えねぇ様にしてやる!転がってるナインテイルズも2度と不知火を名乗るな!ヒロ兄さんだったらこんなもんじゃないからなぁっ!」


「はぁ~…まあ良いや。今川君、行こうか?お前を裁くのは藤原…アマテラスさんだよ…」


「い、い、いや…いやだ…あの人はいやだ…」


 今川君を黒い外套の人が連れて行った。

 そして…私の番が来た、赤黒い人の背中か尻のあたりに生えてる複数の管がはいったと思ったら…脳が狂う程の異臭と吐き気を催す味がした、その強過ぎる刺激で私は気絶した。






 きっと…悪い事をしていたから天罰が下ったんだろう。確かに毒物の様な何かが残り数週間はご飯が、喉を通らなかった。

 あの時の事は語る気にならなかった。

 色々ニュース等も見たが一切載ってない。

 パーティーも無くなり、今川君も見なくなり、サークルが無かった様に消えた。


 無太郎には少し調子が悪くなったと伝えた。

 それから私は何も考えず語らず、ただひたすら無太郎との思い出を作った。

 無太郎に少し憧れた。

 感情のままに動かないから過ちを犯さない。


 そして…とある日、散華さんが話があると訪ねて来た。

 私一人だけで、話があると言っていた………

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