NTRTA(ネトラレタイムアタック)⑥眼の前で散る華と、強制スクロール横アクション

「散華…これから道徳の時間だ…しかと箸太郎に見てもらえ、聞こえてないだろうけどな。そして安心しろ箸太郎…この娘をもう2度とお前にNTR、寝盗られの苦痛を与えない女にする!」


 …今の所、俺はあまり苦痛を味わってない。

 昨日から衝撃的な事が立て続けに起き過ぎているからだ。

 寝盗られたとサラッと言われ、昨日だけだったとか嘘っぽいし…実際どうか分からんが、各世は今晩も貴哉とするんじゃないかな?

 さっさと帰りやがったし、俺の様子見に来ただけかな?

 まぁ貞操観念はどうかしているな…としか思ってない。


 そしてテーブルを挟んで俺の眼の前には完全に逆さY字バランス、ぶら下がって何か液体を吹き出し自らの身体を伝っている芋虫状態の散華…散華か?これ…

 散華の母親とおぼしき女性がドヤ顔。

 親父と母親の知り合いらしいが…こちらは貞操観念どころか常識が…


「まず、この書状を見てもらおう」パラリ…


一、寝盗られるなかれ、寝盗られる前に寝盗れ

一、間男とのエッチのトレーニング切腹

一、間男とエッチしてしまったら切腹


 うーん、昔の武士より酷い。切腹って最上級でしょ?三つ目思いつかなった感あるし。


「箸太郎はファントムペイン!浮気し続けた彼女を失ったと勘違いして幻肢痛に襲われている。深く傷ついた。そこに散華も関わっているという。こりゃいかん」


 言葉間違えているな、幻肢痛って無くなった身体の感覚があるやつでしょ?

 その使い方だと俺は元から各世と付き合ってないのに、ずっと浮気で苦しんでいる奴になるのかな?


 うーん…だんだん真面目に聞いてるのが馬鹿らしくなってきた。これは真面目に聞いたらいけないやつじゃないか?


「この書状によるとNTR女は高校時代にき…タカ…ヒロ…?『タカヤ(貴哉)です』そう、タカヤが何やら上手くいかなくて?凹んでいる所を魚が美味しいカクジョ◯ギョルイ『カクヨ(各世)です』がほだされて、さぁ大変。いちいち話の腰を折るな!とにかく初キッスからなし崩し的にベッドの中までヨヨイノヨイ。それを今川焼みたいな名前の奴にバレてそいつにまでヨヨイノヨイ。箸太郎に発覚寸前の所でまさかの愚かな娘が襲いかかるから、その時の事は闇に葬られた。それでも諦めない今川焼、何か人沢山使って大騒ぎ、カクギョみたいな女を寝取られた何とかタカが動いた!何か色々手を尽くそうとするもまたもや散華馬鹿が今川焼を襲って台無し、その時に、本当は何とかタカも陰謀に関わっていたと知って、車で轢いたと見せかけてボコボコにした。なお、カクギョはタカ何だかが悪い奴か知らんかったからどうして良いか分からないらしい」


 え?え?何かファンタジー風味のバックボーンが出ていましたが?名前が違うからツッコんだら怒られたし、日本語がおかしいから誰が誰だか分からない…


「よって、散華こと、この対魔忍くずれをトレーニングする。よろしいか?」

「え?」

「分かった、任せておけ」


 聞くのやめた途端にいきなり重要な内容に入り、いきなり確認して返事してないのに決定はズルい。


「ちょうど先日、NTRものの最強のくノ一の初めてを奪われた件、を見た。エロ漫画だが。オレはNTRが好きだが、ざまぁと後悔が特に好きだ。しかし、ざまぁも後悔も無かった。エロ漫画はざまぁまでいかないから消化不良!オレはざまぁと後悔をさせたい…だから散華には犠牲になってもらう。だからちょっと箸太郎、来てくれ」

「あ、はい」


 何か逆らうと大変な事になりそうだし、近寄ると…


「散華の下腹部を高速で擦れ」

「はい…」

「ここからが本番だ、皆、静かに」


 サスサスサスサスサス


 ガクガクガクガクガクガクガクガクガクプシップシガクガクガク


 俺が擦ると凄まじい痙攣を起こす散華…コレは?

 散華のお母さんが、頭を覆うマスクを外し、素早く目隠しをした。


「嫌だ!無太郎以外のは嫌だ!絶対感じないっ!先手必勝ではないが必ずあがああ!?♥」


「キサマヲ コレカラ イセカイニ テンセイ サセル キサマガ オレ ムタロウヲ ウラギレバ ドウナルカ ワカラセテヤル」


 俺を名乗った!?


「あっガァ!?グヒ♥匕ィ゙♥ムタ!ゴベン!ムタ♥私!このままじゃ!♥違う!感じてなっ!?♥」


「ユルスカヨ ヒ・ミ・ツ バカリノ コノ クソ タイマニン コノ ウラギリモノ」


 今度は俺の手を掴んで下腹部にポンポンと当て始めた。


「無太郎!♥ごめんなさい♥私♥ごめっ!?♥アッ!♥アハっ!?♥」


「キサマ 『アハッ』 ジャネェ アオッテンノカ マァ イイヤ トベヤ イセカイニ」


 散華のお母さんがポンポンしている俺を少し下げ、何かを手に持った。俺のパンツ!?

 何故、昨日の俺のパンツを!?


ガッ「フンッ!!」


「ゴアアアアアエアアッッッ!?♥ゲロオオオオオオオ!?♥」


「フンッ!!!!!」バイイイイイン


「グガアアアア!?♥ギイイイイイイイイイイ!?!?♥♥あガッ…………………」


 俺が止める間もなく…散華のお母さんが「フンッ」って言いながら片足で散華の首を地面に固定した…片足を支えに空中に浮いていた散華の頭を足で地面に固定する様に踏みつけた。

 その時に関節が伸び切って、首もおかしな長さになった。

 この変なスーツで全身が見えないから分からないが、かなりスプラッターな映像になってる…と思う。


 そして俺のパンツ押し当てる様に散華の下腹部をお母さんが思いっきり殴った…ロープと散華の身体が下腹部を中心に一瞬かなり伸びた…


「ちょ…お母さんやり過ぎでは…」


「安心して下さい、死んでません。コイツやオレや、知人のクソ眼鏡は死にません」


 いや、死んでって…


「フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!…」


 バィーンバィーンバィーンバィーンバィーンバィーンバィーンバィーン…


 何度も下腹部パンチを繰り返すサンドバッグ…もはや、うめき声さえあげない散華。

 そう言えば散華は『やり過ぎだ』というと止めたな。

 このお母さんは止まらないらしい、死んでないという理由で…


「今、良い事思いついた、散華バックだよ、これ」


 何言ってんだこの人…それ、娘じゃないのか?

 その後、完全に死に体になり小刻みに痙攣する散華に何かカタコトで語りかけていた。


 「ワタシヲシンジテダト?ウソツキ…キモチイイコト、ニマケヤガッテ…」


 その後、何か騎士団がどうしたとか剣聖がどうした、うどん屋以外にも地方に逃げる手もあり、連載待ってますとか言っているが、何の話だろうか…それを聞いて声を出さず首を横に振るだけの散華。


「仕上げだ。よっ」


 バゴオオオオオオオンっっ!!!ゴイイイイイイン!!!!


 そして首を抑えている足を外すと同時に俺のパンツを巻き付けた右拳をロープの戻る反動を使い、カウンター気味に打ち下ろした。

 ロープが切れながら真下に凄まじい速度で向かって行く散華を地面スレスレの左拳で斜め上に打ち上げた…2発とも顔面に…


 我が家の和室の空中で、人形を洗濯機に回した様に凄まじい縦回転をしている散華…それを縦横無尽殴る蹴るして回転を早める母親…これは虐待じゃない、ただの撲殺では…


 最後に回転している散華の頭をアイアンクローの様に掴んで止め、ゆっくり俺の前、テーブルの下にゴロリと転がした。


「ほら、これで異世界に行った。コレでクソ生意気、危機感ゼロ、エッチのトレーニングをしかねない散華は生まれ変わった。もう寝取られる心配は無い。ちなみに今のゴロリ感、戦国シュミレーションの暗殺の時に似ている」


 俺は散華を見る…が、息してない!?

 異世界って、あの世の事なのか!?


「息してないッスよ?ヤバくないっすか?」


「多少の呼吸停止は想定内、オレは任された女、娘の教育をパワーで!老いぼれのテクニックを超えたパワ「タツ、やり過ぎだ!」


 急に声がしたと思ったら散華のお父さんが、お母さんの真後ろに立っていた。

 と、同時に散華のお母さんが驚きと恐怖を混ぜた様なカオに変わった。

 そちらを見ないように鷹の様な眼が逃げ場所を探すようにキョロキョロする。


「今の声はヒロ、オレの旦那だ。自分の彼女、まぁ元彼女だが、それのNTR現場を見た時にいきなり『今後も覗いたり動画を撮ったりする、これはトレーニング、お前もやれ』と無理難題を…」


「お前もやれとは言ってない、当時、俺はタツに関わるな、帰れと何回も言った」


「この馬鹿散華はオレにクリソツ、強さ以外。なのに中途半端に強いから恐れを知らぬ大馬鹿者。何度も言った、油断するなと。恐れろと。人の力を借り、騙されるかどうか考え、愛する人であれ、諫言しろと。」


 お父さんは無言でズタ袋を持ってきていた。

 そこに足から入っていきながら、何かを語る散華のお母さん。


「オレは弱くて、そしてすがった、怖くて、緊張して、それでも進んだ…ヒロと共に歩む為に。最大の警戒しても想定を全部覆す行動を取るヒロ…あのNTR抗争で学んだのは…NTRには一切の油断は出来ない!それを散華に…」


「その話と娘を死の淵まで追い込むのは繋がらないし、意味が分からない」


「ヒロ、自分がやった事を覚えない鬼畜…俺なんかやっちゃいました殺人者…なんかやっちゃいましたって言いながら血の海に立つような…オレを何回死の淵まで行かしたか覚えて無いキチガ…グワッ!?」


 ズタ袋に入っている途中の散華のお母さんを、お父さんは頭を掴んで奥に無理矢理入れた。

 

「皆さん、コレはタツ壷と言ってタコ壷と同じです。そして無太郎君…すまなかった!」


 今度は散華のお父さんが土下座し始めた。


「君という素晴らしい男性がいながら!散華が浮気したと聞いた!如何わしい仕事をしていた結果、相手に騙されて身体を許したっ!裏切ったっ!本当にすまなかった!」


 何!?何言ってるんだろう?


「あの…俺は散華と付き合ってませんよ?だから浮気も何も…」


「え!?だってキミ、昨日…散華とその…ホテルに…まさか!?」


「え?あぁ…それは…その…」


 正直、散華の父親に説明はどうすれば良いのか分からない。良くわからない感じで地方のラブホでやってしまった事実は消えないし、俺のせいじゃないとは言い切れない。

 殴られる未来しか見えない、散華のお父さんは顔がメッチャ怖いしどう考えても細マッチョ何だよな…こええ


「無太郎君…君はネト…寝取った間男…か?…いや、待て、真実だ…真実を…耐久だ…耐久かもしれないぞ…」


「耐久?…その…間男ではない…ですが…」


 その時、ズタ袋からズボッと音がしたと思ったら中で正座しているであろう散華のお母さんが、目と片腕出る分だけ穴を開けて鷹の様な眼を三日月の様に崩しながら、手はお父さんを指差しをケタケタ笑った。


「プププ、ヒロのバーカ(笑)やってしまいましたね?それはオレが見たNTR同人誌の話(笑)何がNTR耐久トレーニングだ、何も学んでいない(笑)父親だからなぁ…勘違いして迷惑をかける父親キャラ(笑)事故で言ったら歩行者対車、9:1で散華が悪いのにキレる親父、冤罪発生装置、それは親(笑)ホントにウザい(笑)ざまぁ対象でグワッ!?」


 袋ごしに首を締めた。

 とりあえず散華を起こそう、話が進まないし帰ってほしい。

 思い出してみれば俺は一週間切っている結婚式について考えないといけないのに…


「なぁ、散華…目を覚まし…うぉふ!?」


 床に転がっている全身の骨が抜けている様な散華を見る…何かバイザーっぽい物越しに見る眼、こんな濁った眼は漫画ぐらいしか見たこと無い。

 ヘッドギアみたいなの付けてたが全部ボロボロ、バイザー割れまくり、よく見ると鼻が陥没して歯が何本か抜けてる。

 ついでに言うと何か近未来くノ一っぽい服もボロボロ、何か硬そうな腕や足、腰に付いてるパーツも破壊されている。


「散華!大丈夫か?散華!」


 これ、マジで死んでね…と思ったら眼だけ生気を取り戻した!?


「む…む…むだろ?あぁ…むだ…たしゅ…け…むた…た「まず最初に謝るのが筋だろうがぁッッッッ!お前は金庫盗んでる途中のブレーキしない車か!?」


 ゴンッッッ!!!ゴン!ゴン!


「ちょちょちょ!!待って!散華のお父さん!違うから!散華は車じゃないから!俺は歩行者じゃないから!」


 散華が涙を流しながら俺に擦り寄ろうとしたらいきなり散華のお父さんが頭を掴んで地面に打ち付け始めた!?

 闇バイト中の暴走車は貴方ですよ!?


 俺は散華を抱きしめるように引っ張った。


「え?いや、でも…迷惑かけたんでしょう?ウチの狂った妻は後で裁判しますが…」


 アンタも狂ってるよ!?

 意味分からない事を言ったが止めないと!

 何だこのドメスティックでバイオレンな一家は!?


「皆さん普通はこんな事しませんよ!?駄目ですよ!?暴力は!!」


「普通は!?しない!?そうですよね、普通はしない…お騒がせしてすいませんでした」


「その通りだ!普通はしない!オレは言ったのに聞かないが、第三者が言うとヒロ(旦那)に効果てきめん!良いぞ箸太郎!コイツは普通という言葉によわグワッ!?」


 また深々と頭を下げながら指差しをしているズタ袋妻に目潰しをする散華父…この家族…狂った行動取るのも早いけど謝るのも早いんだよな…

 後、旦那にコイツって…


「散華…ほら、散華…大丈夫か?」


 散華を抱きしめていると、ゴキゴキッと骨が戻っている音と感触がする…散華も昔から見ているが…こういう人間離れした所があるよな…


「あぁ…あああ…むたろぉ…じぇつぼうから…きゃえってこりぇた…むたろぉ…ごめん…ごめんよぉ」


 骨が戻ったのか、抱きしめ返してくる散華…力強い…痛い…顎の骨がたや鼻が戻って、歯が生えてた…どういう事だよ…


「も、戻れたんだ…高校時代に…やり直せるんだ…もう間違えない…無太郎だけを…無太郎の為に…神様…もう一度チャンスをください…この高校一年から必ず無太郎を幸せにしますから…」


「いや、今俺達は25歳だが?」


 散華も狂ってたらもうだめじゃん…


※次回、このタイミングで各世編やりまぁす!

 



 



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