NTRTA(ネトラレタイムアタック)③3分間で間の男、その概念をすっ飛ばしてくる女
『警察に来るような事して、お前は何がしたかったんだ?』
それはこっちの台詞だ。
俺の激しく上下する事を避け、色々我慢する事で少しづつ上向きに向かわせるように努力した人生が、各世の浮気でいきなり落下した。
コレも全て、各世を中心に生活していたからか。
しかしなぁ、信じられない速度で真っ直ぐ下に落ちたな。
25歳か…今から何かをやって遅いと言う事は無いと言うけれど、それでも遅れた…間違いなく。
これが経験になるという意見もあるかもしれないが、こんな経験は無ければ無いで、良い。
この歳で、恋人、家族、友達、仕事、何も無くなる…経験する必要は、無い。
「逆に聞きたいんすけど…俺、何か悪い事しましたかね?」
『えー…一応、強姦と誘拐、後、窃盗かな。まだ確定してないけど…』
凄えな、とんだ悪党だ。闇バイトかけもちって感じだな。
もう良い、ちょっと悪ぶろう。
「カツ丼くださいよ、大盛りで…うどんは付けないで下さい、絶対に。幸せじゃないから」
警官は狂った俺に対して困った顔だ、困ってしまってワンワンワワーン…
ゥ゙イイイイイイイイイン
『あ、もしもし…えぇ、あー、はい。分かりました伝えます』
「カツ丼無理そうっすか?」
『違うよ、強姦・誘拐と窃盗の被害者から取り下げと謝罪に来るって。知り合いなんだって?』
「誰っすか?それ」
『え…っと、根多散華さんって人』
話を聞くと、今俺がいるのは住んでる隣の県の県警の取調室。
これから散華が迎えに来るらしい。スマホを渡されたので見てみたが、親から大量の着信とメールが来てる。
そして各世から連絡は無い。
『帰ってきたら話がある』
ウケる、そりゃあるだろうよ。
ちなみに散華が迎えに来るのは2時間後、暇だな。
俺は散華の言うNTR?と、うどんの話や対◯忍についてスマホで調べていた。
小説かぁ…まぁ暇潰しにはなるかな。
…結婚式バックレてうどん屋になる話、浮気じゃねーじゃん…やり直してるじゃん…
ちなみに散華に似ている対◯忍のサ◯ラは結構酷い目にあってるな、よくこんな人生で生きていけるな。何回陵辱されて身体改造、感度倍増の虫入れられて四肢爆破!?もう訳わかんないな…でも名前は散華にちょっと似てるし、顔やスタイルも…まぁ良いか…
自分と各世とのこれから…と言う、一番重要な事を考えずに、どうでも良い事を調べていたら散華が来たようだ。
『おまたせしました!しゅ、主人がすいません!ご迷惑をおかけしました!』
誰が主人だ、何やってるんだアイツ…
『ほら!迎えに来たよ!ごめんね!遅れちゃって!』
散華は昨日の対魔忍スタイルから一転、普通にスーツを着て現れた。
何か懐かしい感覚があると思ったら高校の時のリボンを、スカーフみたいにしてシャツの首元に付けている。
そういや散華って高卒なんだよな、高校卒業してからも帰りに街で結構な頻度で偶然会うし、大学卒業してからも職場近いから偶然会った時は良く昼飯食ったな…偶然?偶然にしては…
――私の事好きでしょ?私も無太郎の事…好きだし…でもきっかけが…だからかなって――
そーいやアイツ、俺が実は散華の事を好きだと思ってんのか…ちなみに散華に恋愛感情を持った事は1度も無い…と思う。
でも思い返してみれば…ずっと…ずっと一緒にいてくれた。まるで恋人の様に…
だけど…俺には各世かいたから、ずっと…各世しかいないと思っていたから…各世とこれからも一緒に…
――無太郎と私は運命だから!だから何があってもいつか一緒になるんだよ――
各世…約束したな、子供の時…小さい時からの思い出は各世と出会ってからの思い出しか…
――ねぇ?もう次は結婚したら会えなくなっちゃうかな?――
誰と?急に各世と貴哉の昨日の絡みを鮮明に思い出した。
「かくよおおおおおおおお!!!たかやあぁぁぁぉぇ!!!」
『あれ?高梨さん?どうしました!?』
『何でもありません!主人は病気なんです!加◯タカと言う男優の名前を叫ぶのが趣味何です!叫ばないとハイエースで失踪するんです、すいませんでした!ほら!無太郎!叫んだからね?もう行こう!ね!?』
チクショウ…思い出して感情が…涙が出てきた…後、加◯タカの名前を叫ぶ病な訳ねーだろ…何だソイツ…
ハイエースの助手席に乗せられ車は地元に発進した。
ブロロロロロロロロロロ〜
「ハハハ、私…高梨散華って書いちゃったよ…ハハハ…」
「ハハ、そりゃ駄目だろう、後で何かあっても散華の所に警察行くぞ」
挙動不審な散華…何か言いたそうな…だけど言えない感じ…俺が怒ってると思ってんのかな。
考えてみると…何か勝手にキレまくってるけど全部俺が悪いな…そうだ…
「何か…色々ゴメンな…何から謝って良いか分からんけど」
「ち、違うよ…無太郎は悪くない…被害者なんだよ?私が…もっと早く各世の事を言ってれば良かったんだよ、ゴメン…」
シュンとする散華…コイツはなぁ…
「そのリボン…高校制服のリボンだよな。それにスーツ姿なんて久しぶりに見るな…何かドキドキするわ」
「な、何言ってんの?あ、あぁ…ハハーン…えーっとアレね、それは、アレ」
何を言ってるのか分からんが、俺は散華にはいつもこんな軽口を言える。逆に言うと散華以外、この歳になると何か気を使って話してしまう。
高校時代、俺は学校で浮いていた。よくボーっとしていたから。
クラスで浮いたりもした、話すのが下手だから。
そんなんだから俺の悪い噂が流れた、気持ち悪い、暗い、何やってんのか分からない…噂を否定しないからそういう奴みたいになった。
そして各世絡みの悪い噂も聞いた、いや、各世絡みの方が多かったな。
各世と付き合っているのはある程度バレてて、それでも各世を信じるしか無かった。
各世は大丈夫だよって言ってくれたから。
各世と別のクラスになって、幼馴染も友達もいなくなった2年、クラスで話す奴がいなくなり、1人だけになった時もあった。
それでも散華だけがどんな時も話しかけてくれた、わざわざ別のクラスからやってきて。
散華と付き合っていて、各世と二股してるって噂も流れたが、各世はスルーして、散華は全力で否定した。
いつも正直、一生懸命、高校時代からの友人だけど…一生付き合う友達だと常日頃思っていた。
そして今、幼馴染には裏切られた。
多分、ウチの親も各世を庇うだろう。家族ぐるみの付き合いで、親父は仕事で、母親は近所付き合いでズブズブだ。
貴哉とは最近ずっと会ってなかった、特に散華が車で轢いたとか言う噂聞いてからだな…結婚式の連絡で久しぶりに話したぐらいだ。
今は…信じられる奴はコイツしかいないと思っている…アレを見て…どうやって各世を信じれば良いんだよな。
「俺さぁ………………たぶん、各世は最近の話にするだろうけど…お前の言ってた事、信じるよ。だから教えてくれ…各世はいつから…」
散華は色んな顔をした…何か複雑に考えてんだろう。
「高校の…時から…だよ…見たのは2年の時…無太郎と各世が付き合っているってのは…1年の時に無太郎から聞いたよね?それで2年の時、今川が話してるの聞いたんだ…各世を脅迫してた…中学の時から浮気してんのバラされたくなかったら…って…」
おお?あぁ、散華が…無茶苦茶した時か…
「私は各世に言った、正直に無太郎に全部言えって…無太郎に謝れって…私も良く分からないから無太郎に聞いたでしょ?だから各世に何度も言った…無太郎は分かってない、だから無太郎に言えって…そしたら今川とデートしてるの見て…何もするなって無太郎言ってたのに…カッとなって…ゴメン…」
「いや、良いんだ、ありがとう。ありがとうな、昔から色々俺の事考えてくれて…それより前を向いて…」
「前は向くのも大事だけど…そんな事より駄目だよ!それで良いの!?だって…暴力は駄目だって言ったのは無太郎だけどやっぱり許せないよ…」
いや、今!今、前を向けって。
「とにかく目を開けよ…辛いならパーキング寄るか?どっかで休憩しよう」
くぅ!みたいな感じで今、目をつぶったが、ここは高速道路で散華は運転中。
前を向いて運転してくれ…興奮してるからオブラートに包んだが…
そんな事よりじゃない、前を…頼む…
「パ、パーキング?で…休憩…ゴクリ…」
目を開いたと思ったら今度は余所見、もうコイツから免許を取り上げてくれ。
大体何を言ってるんだ?
こういう時は散華の不味い時…会話が成り立たなくなってきたら要注意だ。
「この前…いぃ…いきき…勢いで言っちゃったけどさ…私…す…すすすすすす…すすすすす…しゅ…好きなんだよ」
何の事を言っているか分かるが中学生か?
散華をよく見ると顔を真っ赤にしながら汗が凄い。
左手がこちらに近づいたり離れたりしてる。
「無太郎…高校…無太郎見た時…キラキラ…むむ、無太郎…聞いてる…無太郎が…休憩…な、なんだよ…良いんだよ…めちゃくちゃ…」
もう何言ってんのか良く分からない…が、さっきから高速道路特有の出口近くのラブホを凝視している。前を向け。
「分かった、散華、落ち着け…な?高速道路のパーキングに停めよう?な?落ち着け?」
「入っても良いって!女が言ってるのは!それはっ!?乙女の大人!」
分かるだろうか?
俺は彼女との付き合いが長いせいか、気持ちは良く分かった。
だが問題は高速から加速すればそのままラブホに入れると思っているのだろうか?
160キロ!?そんなに加速してどうするつもりだコイツ!?確かに斜面を利用すれば飛んで行けるかも知れない…部屋に直接…
何だかいきなりブレーキを踏ませるのは高速道路的に危険な気がしたので…
「左足上げないで!右足上げてーっ!」「ハイっ!」
こういうノリに反応する散華を利用し、保険のブレーキを残しつつ踏みっぱなしのアクセルを離させる事に成功、そのままハンドルを掴みパーキングに誘導していく。
「運転中に!?のしかかってくるの!?」
まるで新体操の様に、車の上部、シートベルトの付け根まで右足を上げ、捲れきったスカートの中のタイツが透けて大人な黒のパンツが…ついついチラ見する。
「ダメェ!今日の勝負パンツ見ちゃダメェ!」
「いや、良いからブレーキをゆっくり踏め、初めての共同作業だ」
「漏らしたみたいになっ!え!?あ…はい♥…んん…」
勝負パンツどころか、命がけの勝負に勝った俺はパーキングに停める事に成功した。
「はい、お疲れ様でした。もうお前運転するな」
「え?何これ…あー、そういう事ね。知ってるよ、うん、そういう事だよね。私、知ってるから。運転は大丈夫、私やるから」
良く、そんな台詞吐けるな。絶対やったら駄目なやつだよ、160キロで目を瞑るとか昔の命知らずの走り屋じゃあるまいし…
とりあえず、缶コーヒーと…やめていた煙草を買って吸う事にした。
何でも良いから落ち着きたい。結婚しておく家族の事を考えようと思ってやめた煙草…そう考えるとやめた理由も滑稽だな。
「はい、コーヒー。散華、甘いやつで良いよな?」
「うん…あ、煙草…また吸い始めたの?」
「いや、今日だけ…今だけかな。わりい、嫌いだっけ?」
「んーん、別に。ただ私、周りが知り合いのおばさん1人しか吸わないから。そのインディアンの絵の煙草、無太郎の匂いってイメージだよ。だから…自分じゃ吸わないけど、その匂いは好きかな…一口チョーダイ?」
「ああ、良いよ」
チュ~チュチュ〜ッッッ
「ゲホッゲホッ!はい!返すね、ありがとう!」
「どーも、って…ウッ!?」「?」
散華は首を傾げて可愛らしい態度でジッと見ているが、俺はやられたと思った。
煙草の口の部分が散華の唾液でベチャベチャ、俺はこれが一番キツいタイプ。
「散華の唾液すげぇ…水タバコかコレ…」
「アハハハ!何それ!?そう言えば母さんが無太郎の事、気に入ってたよ!今どき芯の通った若者だって。箸を用意するなんて大したもんだって」
チョロ過ぎだろう…喫煙所でライター借りただけで惚れるぐらい雑な好感度だな。
「良かったよ、だってお母さんってすぐ手で食おうとするんだもん。それでお父さんがキレちゃって大変で…」
散華と何気ない会話…必死に忘れようとしている自分がいる。
〘午前10時07分25秒 ラブハイエースは止まらない〙
「んじゃ行こうか?本当にお前が運転すんの?」
「はいっ!私が…ハァハァハァハァ♥運転…するです!」
何だその返事…
とにかく決めよう、どうするか。
帰って、俺の一回目の人生に蹴りを付けよう。
車が発進した、高速に…あれ?ETCの出口から下道に出たぞ?あぁガスいれんのかな?
「そーいやガス代、半分出すよ」
「…………やってやる…やってやるんだ…」
何故返事しない…何か怒った顔してるし…汗凄いし…今日は本当に散華の色々な面が見れて…は?
俺は愕然とした…ハイエースが吸い込まれていく。
まるで城の様な建物…休憩3時間4000円…城の入口にハイエースが吸い込まれる。
「お?散華のハイエース号が入城しましたね!?ってオイオイ!散華!?」
「…………………………倍返しだ……」
何返し?何を倍返し?コイツ話聞いてたか?
「いや、散華さん?家にとりあえず帰るンすよね?」
「無太郎…無太郎…私はしたこと無い…だから空気とか分からない。大人はこうする、きっと。25歳だから大人、きっと…」
「いや日本語で…ムガ!?…ンゴゴ!!」
〘午前10時09分42秒 結局この展開〙
ブチュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
城の様なホテル、部屋と直通している駐車場で勝手に金を払い入城したと思ったらキスされた。
そして顔面をお互い付けながら、散華は俺の首と顔を両手で固定してホテルのベッドまで押し込んできた…
「ぶはっ!おい散華!落ち着け!」
「落ち着ける訳ない、何年待ったと思ってる!?男は無太郎と決めていたの!無太郎の男が独りになった。そのスペースに私が行きたがっているの!椅子取りゲームで勃っているだけの乙女はいないの!分かれ!」
「いやいや…ま、ま、待て」
「分からない!こういうの初めてのだから分からない!素敵な大人は自然にとか!我慢して!我慢して!我慢マンマンマンマンまあむぁああああ♥無太郎の無太郎は正直だ!『無太郎です』って言っておる♥もう何が何だか分かんないけど無太郎の無太郎部分に散華の万華鏡を中から望いてええええええええええ♥♥♥」
ガチャガチャ
乙女の概念も頭も崩壊している、しかし俺も男だ。
こんな所でベロチューしてりゃ嫌でも男になる。
でもコレは違うのではないだろうか?
しかし浮気したから浮気し返せとは流石にステゴロのタイマンじゃあるまいし…
ズルンッドチュンッ!
え?
「あいああああああああああああああああああ♥むあたああああああああああ♥無太郎ぉ!!むたろぉあああああああ!!!♥♥♥」
パンパンパパンパ〘午前10時07分25秒 ミコスリどころか3分では流石に無理〙
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