絶対絶命#3

「ハァハァハァ」


「どうしましたか?先程までの威勢は?」


「――ッ!(俺達のHPは残り100、2体の時でも苦戦したってのに)」


一撃でも攻撃が当たればアウトな状況で、しかも4体1というのはもはやゲームにすらならない。


だが郷田とタウラティカは、追われながら戦況を打破する方法を考えていた。


しかし、彼のデッキに残されたカードは僅か5枚……この中に起死回生の一撃となるカードが含まれているかどうかに懸かっていた。


だが相手のHP約8000、いくら強いカードを引いたところで、一撃で葬れることはまず無い。


いったいどうするべきか?そう考えていると、目の前に急に1体のピスケティーナが現れる。


焦って別のルートを走るとまたしても1体のピスケティーナに行く手を阻まれ、別ルートを選択する2人。


その様は、まるで猫が遊びでネズミを追いかけているよう。


そして遂には――





「――ッ!!?」


左右前後を4体のピスケティーナを囲まれる。


「アクセルの効果は良いですね~使い勝手がだいぶ良いようだ」


「テメェ……舐めてんのか!!」


「舐めるも何も、こうやって貴方方を簡単に殺すことが出来るという、一種のデモンストレーションのようなものですよ」


郷田を指先でつつこうとした時、郷田に当たらないようタウラスを使って攻撃しようとするが、華麗に避けられてしまう。


「追いかけっこはおしまいですか?」


「チッ……?」


カンバーのもとまで引いた4体のピスケティーナが、同時に1列になるところを郷田は見る。


4体のHPは全てカンバーと共有している、例えば2体同時に攻撃すれば、2体分の受けたダメージがカンバーに影響する。


なら、4体同時に必殺の一撃を与えれば、文字通り一撃で倒すことが出来る筈だ、そう考える郷田だが、問題は――


「……(奴等4体を列にして、同時に倒せる場所があるかどうかだな)」


辺りを見渡していると、ある箇所を見て閃く。


「……!?(あるじゃねぇか!奴等同時に攻撃出来る場所が!)」


「タウラティカ」


「何?オッサン


郷田は側にいるタウラティカに、耳打ちである作戦を話す。


「分かった」


「作戦は固まりましたか?おや、アクセルの効果が切れたようですね、まぁいいでしょう」


「そろそろ行きますよ?」


「タウラティカ、行くぞ!」


「分かった」

――――――――――――――――――――

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