乱入する者#2

「フンッ!」


試作機ステラを倒す度に血渋きがレオーの体に降り注ぐ。


戦闘を開始して2,3分は経過しているが、倒しても倒しても、試作機ステラが減る気配は無く、増えているのではないかという錯覚すら覚える。


斬り裂く度に耳障りな悲鳴が聞こえ、完全に破壊した瞬間に、邪魔をするかのように三体の試作機ステラがレオーの間合いに侵入するが、一刀の元に上半身を斬り飛ばし破壊する。





「減ってるどころか増えているな!」


「問題ないマスター、ここで全滅する」


試作機ステラ達が放ったレーザーを回避しながら、ラミィにそう言い聞かせつつ戦闘を続行する。


しかしこのままでは埒が明かないし、若干ではあるが、レオーの息が乱れていることに気づくラミィ。


ここは一気に決めるしかない。


手札として既に持っていた必殺カードをスキャンする。


「行くぞ!」


必殺アクション『レオン/バスター』


近くの敵をカウンターで倒しつつ、抜刀の構えへと入る。


剣先から伸びた光は時間を待たずに極限にまで伸び、レーザーのように輝く。


そして距離を取り始めた試作機ステラ達へ向かって、右払いで空を斬るかのように一文字に斬り払う。


光は一瞬にして辺りを包み込み、連鎖的に爆破する音がこだまする。


そしてすぐに世界が元通りになり、その場に残っていたのは試作機ステラの残骸だった。


「……」


「レオー、やったな!」


レオーはラミィに向かってぎこちない笑みを向けた……


その時だった――





「油断大敵」


必殺アクション『ブレイクダウン』


突如レオーの後方から現れた聖霊獣アバタータウラティカが、力いっぱいに握られた青く輝くタウラスを上段から全力で振り下ろした。


「グッ―――!!?」


第六感が瞬時に働いたのか、大剣レオンソードを盾にしてなんとなく防ごうとするが、何とソードにヒビが入り、一瞬にして粉々になってしまい、ハンマーが体に触れるギリギリで何とかかわす。


その刹那、ラミィの体にもレオーが当たった部分に若干の痛みを感じた。


「俺達が戦っている間に隙を伺っていたのか……」





「かわされた」


「タウラティカ!休む暇を与えるな!攻撃を続けろ!!」


身構え直すレオーに対して、再び踏み込もうとしたが、レオーは判断を変えて後ろへと跳躍し、自らタウラティカとの距離を取り始めた。


タウラティカは猛追して連続で攻撃を仕掛けるが、全て紙一重でかわされ続け、苛つき始めたさ鬼龍はディスクからカードを引き、すぐさまスキャンする。





アタックアクション『ホーンスイング』


「レオー!!」


「――ッ!」


地面にハンマーの先を置き、威風堂々とした姿で、全力でハンマーを振り上げた。

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