第5話 名も無き聖霊獣

乱入する者#1

試作機ステラ達の手のひらから魔法陣が現れ、その魔法陣から各属性攻撃が繰り出される。


まるでゲームやアニメに出てくる魔法攻撃だ。


「避けろ!」


後方から聞こえたラミィの声を拾い、タウラティカへの攻撃を一時中断、一旦ラミィのいる大きな建物の中へと急ぎ入ると同時に、タウラティカも鬼龍のいる元まで戻る。


そしてラミィは何故いきなり大群で現れたのか疑問に思っていると、レオーによれば、試作機ステラには警報システムが備わっており、破壊される直前にシステムを発動することで周囲4km以内にいる、他の試作機ステラを呼ぶことが出来るらしい。


これだけ試作機ステラの残骸があるということは、何度もこのシステムが発動した為にどんどん現れて倒していったのかと理解していると、隠れていた建物に対して試作機ステラ達が遠距離攻撃を仕掛けてくる。


攻撃を仕掛けられ建物の所々が破壊されていく中ラミィは、プレイヤーや聖霊獣アバターへの攻撃はせず、その場にいる試作機ステラを全て倒すようレオーに指示する。





「了解、マスター


「ワリィな、俺も全力でサポートするから」


「……(あのニュース通り、もしこの反転世界リバーサルワールドでの事象が現実世界で反映されるとしたら、逃げるという選択肢は取れない)」


もしこの場から逃げてしまったら、試作機ステラ達が後を追いながら攻撃を仕掛け、現実世界に多きな影響を及ぼすかも知れないし、最悪死人が出るかもしれない……


だから尚更逃げる訳にはいかない!


「行くぞ!」


掛け声を合図にすぐさま地を蹴り、一番近くにいた試作機ステラに狙いを定める。


試作機ステラも迫るレオーに気づくが、一刀の元に両断された。


アタックアクション『レオンブレイド』


ラミィが発動させた技で、地上から放たれた十字状の斬撃は、数体の試作機ステラを斬り飛ばし、何体か爆発させ、残りの当たった2機は地面に激突する。


地面に激突させられ苦しむ試作機ステラを見る間もなく、レオーはその2機に迫り一気に斬り伏せて爆破させた。





「どうやらアイツらは、試作機ステラを全て倒すつもりらしいな」


「どうするオッサン?戦闘している内に2人を強襲する?」


「あぁ、だがまだ待て……獲物を取るのは――」


「じっくり消耗した後だ」

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