金牛の少女#2

キン――ッ!!


「――ッ!!?」


タウラティカはラミィの頭目掛け、金色に光る角で貫こうとしたが、レオーがソードを盾にしたことで攻撃を防がれてしまう。


一瞬驚いたタウラティカだが、両腕をバネにしてソードを押し返し、その反動で後方へと下がり距離を置いた。


今までどんな試作機ステラも一撃で仕留めていたが、プレイヤーと契約している聖霊獣アバターの強さに、鬼龍は驚いていた。


「――ッ!(コレが聖霊獣アバターの力か!なら!)」





ウェポンアクション『剛鎚タウラス』


ディスクからカードを引き、タウラティカは金の闘牛の顔を模したハンマーを両手に装備し、一気に間合いを詰めてハンマーを振り下ろす。


全体重を乗せて、高い腕力で振るわれたハンマーが、レオーのレオンソードに吸い込まれるように命中し、火花が辺りに大きく散らばる程、とてつもない威力がレオーを襲う。


若干顔が引きつきながらも、ハンマーの攻撃を横にずらし斬りつけるが、ハンマーの持ち手の余った金属部分で上手くガードを続け、同時に攻撃した衝撃でお互いに距離が開く。


「今だ!」





アタックアクション『ホーンスタンプ』


静かに裂帛の気合いをハンマーに込め、横払いで一気に振り払う。


その凄まじい衝撃は音を置き去りにする程の威力で、大抵の試作機ステラは一撃で葬れるだろう。





"ガードアクション"『レオンシールド』


すかさずカードを引いたラミィは、レオーに獅子の顔を模した体を隠せる程のシールドを持たせ、衝撃を受け止める。


「郷田鬼龍に牡牛座のタウラティカか、バリバリのパワー系統だな、こっちも行くぞ!レオー!」


「了解」





"アタックアクション"『レオンスラッシュ』


シールドを捨て、離れた距離でソードにエネルギーを溜め込み、その場で一気に抜刀したことで、エネルギー状の斬撃がタウラティカに目掛けて繰り出される。


「タウラティカ!?」


その凄まじい斬撃に驚いた鬼龍は、つい隠れていた建物から出てしまう。


戦場に散らばっていた試作機ステラの残骸を斬りつつ向かってくる斬撃に対し、ハンマーを思い切り地面に振り下ろした衝撃で空中に浮かび、斬撃をギリギリでかわす。


かわした斬撃は後方のビルを何倒も破壊したところで消失した。


「かわした!?……なかなかやるな」


「タウラティカ無事か!?」


「問題ない、それより実力が拮抗してる、これじゃ埒が明かない」


「確かにな……なら一気に決めるしかねぇわな!!」


「レオー一気に決めるぞ!!」


「了解」





「必殺――」


ドドドドドドドドド!!


ラミィと鬼龍が互いに必殺技を繰り出そうとした瞬間、空から大量の試作機ステラが現れ、全員に攻撃を仕掛けてきた。

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